牟 - 漢字私註
説文解字
牛鳴也。从牛、象其聲气从口出。
- 二・牛部
説文解字注
牛鳴也。从牛。厶象其聲气從口出。
康煕字典
- 部・劃數
- 牛部二劃
- 古文
- 𢃷
『唐韻』莫浮切『集韻』『韻會』迷浮切、𠀤音謀。『說文』牛鳴也。从牛、象其聲气从口出。『柳宗元・牛賦』牟然而鳴、黃鍾滿脰。
又『玉篇』取也、奪也、過也。『戰國策』上干主心、下牟百姓。《註》牟、取也。『韓非子・七反篇』牟食之民。『史記・平準書』富商大賈、無所牟大利。『前漢・景帝紀』侵牟萬民。《註》李奇曰、牟、食苗根蟲也。侵牟食民、比之蛑賊也。
又『玉篇』倍也。『楚辭・招魂』成梟而牟、呼五白些。《註》倍勝爲牟。
又『玉篇』大也。『淮南子・要略篇』原道者盧牟六合、混沌萬象。
又『揚子・方言』愛也。宋魯之閒曰牟。
又『後漢・禮儀志』仲夏、以朱索連葷菜、彌牟樸蠱。『正字通』郝敬曰:彌牟禦止、塗抹之義。
又『玉篇』進也。
又『前漢・霍光傳』輦道牟首。《註》孟康曰、牟首、地名。如淳曰、牟首、屛面。以屛面自隔也。瓚曰、牟首、池名。師古曰、瓚說是。『左思・吳都賦』長塗牟首。《註》劉逵曰、牟首、閣道有室屋也。
又國名。『春秋・桓十五年』邾人、牟人、葛人來朝。『前漢・地理志』泰山郡牟。《註》故國。『晉語』成王盟諸侯於岐陽、楚爲荆蠻、置茅蕝、設望表、與鮮牟守燎、故不與盟。《註》鮮牟、東夷國。
又地名。『春秋・隱四年』莒人伐杞、取牟婁。又『左傳・宣九年』取根牟。又『論語』佛肸以中牟畔。『前漢・地理志』河南郡中牟。『又』東萊郡東牟。
又『釋名』牟追。牟、冒也、言其形冒髮追追然也。
又姓。『風俗通』牟子國、祝融之後、後因氏焉。『史記・田敬仲完世家』大夫牟辛。『後漢・牟融傳』牟融、北海安丘人。又『廣韻』複姓。三氏、禮記、有賔牟賈。『東萊先賢傳』有曹牟君卿。『何氏姓苑』有彌牟氏。
又麥也。『詩・周頌』貽我來牟。《傳》牟、麥也。『釋文』牟、字書作𪌚、或作𪍓。
又器也。『禮・內則』敦牟巵匜。《註》牟、讀曰堥。敦牟、黍稷器也。『釋文』齊人呼土釜爲牟。『後漢・禮儀志』巵八、牟八。
又『後漢・禰衡傳』著岑牟單絞之服。《註》通史志曰、岑牟、鼓角士胄也。『韻會』鍪、通作牟。
又與眸通。『荀子・非相篇』堯舜參牟子。《註》牟與眸同。參眸子、謂有二瞳之相參也。
又『集韻』莫後切、音母。中牟、地名。○按中牟地名多讀平聲。【集韻】又收上聲、未知何據。
又『集韻』莫𠋫切、音茂。本作務。昏也。
又與務同。『荀子・成相篇』天乙湯、論舉當。身讓卞隨、舉牟光。《註》牟、與務同。
- 部・劃數
- 巾部九劃
『字彙補』古文牟字。註詳牛部二畫。
音訓
- 音
- (1) ボウ(漢) ム(呉) 〈『廣韻・下平聲・尤・謀』莫浮切〉
- (2) ボウ(漢) ム(呉) 〈『集韻』莫後切、音母、上聲〉
- 訓
- (1) むさぼる。をかす。ます。おほむぎ。ひとみ。
音(2)は地名に用ゐるといふ。
解字
白川
象形。牛に鼻箝を加へてゐる形に象る。
『説文解字』に牛鳴くなり
とし、其の聲氣の出づるに象る
と、厶を聲氣の象とするが、牛の鼻に梏をつけて牽くことをいふ。
厶は牽字に含まれている玄(鼻綱)の半形。その牽かれて鳴く聲を牟といふ。擬聲的な語。
藤堂
漢字多功能字庫
甲骨文は牛と頂部の小さい方形に從ふ。金文は牛と頂部の小劃に從ふ。小篆に至つて變形して厶と牛に從ふ。疑ふらくは牛の鳴くに象る。
甲骨文では疑ふらくは讀んで牛となす。《合集》14341正卯黃牟(牛)
は、黃色い牛を宰殺するの意。
【補註】漢字多功能字庫が牟の甲骨文として擧げる字形を、落合は牛として擧げる。
金文では人名に用ゐる。高奴權工隸臣牟
。
柳宗元《牛賦》牟然而鳴
。
後に借りて謀取の謀となす。『韓非子』游居厚養、牟食之民也。
後に「牟取」(貪り取る、何とかして手に入れる)、「牟利」(利を得る)などに用ゐる。
屬性
- 牟
- U+725F
- JIS: 1-44-22
- 人名用漢字
- 𢃷
- U+220F7