丏 - 漢字私註
説文解字
不見也。象壅蔽之形。凡丏之屬皆从丏。
- 九・丏部
説文解字注
不見也。象雝蔽之形。雝各本作壅。今正。其實許書當作邕也。『禮經〔鄉射禮〕』乏參侯道、居侯黨之一、西五步。鄭曰、容謂之乏。所以爲獲者御矢也。『周禮・鄭司農注』云、容者、乏也、待獲者所蔽。按乏與丏篆文相似。義取蔽矢。豈『禮經』本作丏與。彌兖切。古音在十二部。以𡧍賓字知之。凡丏之屬皆从丏。
康煕字典
- 部・劃數
- 一部・三劃
『廣韻』『集韻』『韻會』彌殄切『正韻』美辨切、𡘋音眄。『說文』不見也。《徐曰》左右壅蔽而不分也。『字彙』避箭短牆也。象壅蔽之形。
又『集韻』彌兗切、音緬。義同。
从正而曳之。沔眄等字从此。
音訓・用義
- 音
- ベン(漢) メン(呉) 〈『廣韻・上聲・銑・㨠』彌殄切〉[miǎn]{min5}
- 訓
- おほふ
中文の資料には、壅蔽(ふさぎおほふこと、おほひかくすこと)不見、遮蔽、矢を避ける短い牆、とある。
解字
白川
象形。乏の反文。乏は屍體の象。水に泛かぶものを泛、土に埋めるものを窆といふ。
『説文解字』に見えざるなり。壅蔽するの形に象る。
とし、《繫傳》に左右壅蔽して、面分たざるなり
とその意象を説くが、字は乏の反文にして、屈肢の象を示す字。
『周禮・夏官・射人・鄭司農注』に容とは乏なり。獲(矢のあたり)を待つ人の蔽るる所なり。
とあるのによつて、《段注》に、その獲する者の匿れるところの乏の意であるとするが、丏、乏は對文、いづれも屍體の狀を示す象形の字。
藤堂
指示。正(征。眞つ直ぐ進む。)の字の下部が曲がつた形。つかへて斜めに曲がることを表す。眄(斜めに見る)や沔(曲がつた流れ)などに音符として含まれる。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、あるいは万と隸定する。林義光は丏と隸定し、讀みて万となす。
甲骨文では多く人名、地名に用ゐる。金文では多く人名、族徽に用ゐる。詳しくは万字條を參照のこと。
屬性
- 丏
- U+4E0F
- JIS: 2-1-3
關聯字
丏に從ふ字
漢字私註部別一覽・丏部に蒐める。
其の他
- 丐
- 別字。匃の譌。