トランプ就任 (29.1.20)

現地時間20日正午、ドナルド・ジョン・トランプが合衆國大統領就任宣誓式を擧行。

トランプ本人と米國がどうなるのかは今後を見るしかないが、一つだけ言へるのは、かくも難儀な人物が米大統領になつた裏には、オバマの存在があるといふことである。彼は高邁な理想を語りはしたが、現實の國際政治情勢は彼の在任中、其の理想に近附いたとはとても言へず、露の後手に回つたことで事態を惡化させたと見ることすら出來る。イランやキューバとの關係を改善させた點は評價できるが、大失點を取り返す程の大業績とはとても言へまい。國際政治の上では彼は失敗したと言つて良い。米國内のことは良く分からないが、見聞きする限りあまり成功してゐるやうには思へない。

端的に言つて政治家、大統領としてはオバマは失敗した筈なのだが、見聞きする報道などでは其の點はあまり語られない。退任を惜しんでゐるやうな言説も珍しくないやうに感じる。さういふ見方があること自體は當然のことだが、報道がさういふ見方ばかり取り上げるのは、宜しくあるまい。單なる印象だけで言ふが、オバマとオバマを甘やかしてきた報道の姿勢こそが、トランプを大統領に就けた「主犯」である。

トランプはどうにも好きにはなれさうにないが、トランプを叩いて喜んでゐる日本國内の報道にも好い加減うんざりしてゐる。就任する前からそれであるから、此の先もどうせ辟易させられるばかりであらう。ほんま嫌やわあ。