穴拔け日記 (27.3.29)
娯樂系感想等: アルドノア・ゼロ #24
姫殿下、否、即位を表明したので女王陛下が停戰をお命じになつたので、スレインはいよいよ追ひ詰められた。その決然とした表情を拜したスレインは、己の計劃を諦め、麾下の火星人に降伏を命じ、月面基地を爆破させるに至つた。えらくまた諦めの良いこと、と思つた。この時點では。
ところがハークライトは降伏を潔しとせず、命令に背くことを表明し、出撃。これは、まあ、こんなもんだらうと思つたが、バルークルスが裏切りもせずにハークライトに付き合つたのは、豫想外だつた。スレインが落ち目になつたら眞つ先に裏切るのではと疑つてゐたのに。何だか申し訣ない氣分になつた。
なほも戰ふハークライト達を見たスレインは、因縁の相手を認めたこともあつてか、意を改めて出撃。そこからの伊奈帆との戰鬪は、最早戰爭には關係のない、二人の、極めて個人的な因縁にけりをつける爲のもの。アルドノアドライブによる特殊能力を使ふ、その裏を掻く、といふ、この作品の戰鬪の御約束が綺麗に吹き飛んでゐたのは、どう評價すべきなんだらうね。
決着がついた後、スレインは結局助けられてしまつた訣だが、それは果たして慈悲だつたのかどうか。アセイラムが嚙む以上、彼が殺される、つて決着はなかつた、と今更思はぬでもないけれど。
他、箇條書きで。
- あの後レムリナはどうなつたのかしら。立場が立場だけに、あまり酷い目に遭つてゐなければ良いのだが、と思へる程度には印象が隨分良くなつたんやな、と自分に呆れてゐる。
- 伊奈帆君、あの高性能義眼は外すにしても、スペックダウンした奴を着けるとか、できないのかしら。尤も、言はれてゐるやうにとある神樣がモチーフなら、片目の儘が正解だが。
- それにしても、あの後どうやつて地球側の火星或は女王陛下に對する信頼を恢復させたんだか、割と謎。視聽者は彼女が惡くないことが分つてゐるから良いけれども、作中世界だとさうではない筈で、火星側の惡いことをどれもこれもスレインの所爲にしたにせよ、そんなにさくさく事が運ぶかねえ、みたいに思つてしまふのだが。否、アセイラムが誤解されたままにならなかつたのは、とてもとても良かつたとは思つてゐるんだけれども。
二期に入つてから、どんだけドロドロした終はり方になるのかと思つて見てゐたが、最後まで見て、またえらくすつきりした終はりになつた、と感じてゐる。鬱陶しくなりさうなところをざくざく切り落とした結果なのかも知れない。すつきりしすぎのきらひはあるけれども、嫌な感じのする終はり方ではないから、良しとしたい。
それにしても、レイリー散亂といふ言葉が、ここまで重要な意味を持たされるとは思はなかつたよ。