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菟野くうぴい 愛萌 丘梨衣菜 NARUKO 沼谷香澄
阿麻 野中ひまり とかげ 雪柳 Ray Ako
のん 佐々宝砂 芳賀梨花子
0005 菟野くうぴい |
http://kagoshima.cool.ne.jp/kupi_usagino/top.htm |
押し寄せる快楽 |
きききききみの。
ふっくっらとしていながらも
すこし乾燥しているくちびるに
かるうく かぁるく
ぼぼぼぼぼくの。
唾液が染みついた
く ち び る
かすめてしまった!!!!!!!!
いけないこととは知りながら
きみはぁぁぁぁぁぁ。
からだをスリ寄せてきた。
脈打つ音がやたら大きく聞こえてさ、きっときみもぼくを感じてる。
君の髪を僕の両手の10の指に絡ませて、擦り鳴る音がお互いの熱を煽っては爽やかな
しゃんぷーうぇ〜ぶ☆★☆
押し当てた
唇が
お互いの熱を感じてる。
かくして弱気な僕の記憶は
こ
こ
から先が
き
え
て
な
くなった。
“考える”必要、
なくなったから。
0007 愛萌 |
「恋愛マーク」 |
寂しいのは 指先 外が冷たいから だけじゃない 哀しいのは 左手首 もらいものの ブレスを失くした 苦しいのは 耳たぶ ピアスの穴が もうすぐ塞がる つらいのは 喉 粘膜感染 風邪を伝染された あなたのくれる ものはいつも 嬉しい より 痛い ばかり でも。 熱いのは 首筋 紫の紅を 引いたように きつく きつく 残った痕 だから 離れられない 離れたくない もっと もっと 痛みをください 熱を持った 痛みをください 痕を見るたび 想うあたしは おかしいと、笑われてもいい
|
0015 丘梨衣菜 |
Living− |
もそもそと抜け出るベッドに
まだ寝息をたてる人
足が掛け布団からでてる
すこし見つめて
長い枕で覆っておく
はだしのまま
冷たいリビングをよこぎる
朝一番にすること
ノビとウガイ
ピアスをつけたまま寝てしまった
ライオン丸のようになっている髪
まぶたが重い
人生は毎朝とてもはやくすぎ
10分が一日を左右する
あわててしたくするわたしの横を
目覚めたあなたがあくびしながら
キッチンへ向かう
わたしの会社もフレックスならいいのに
もう何度めかわからない言葉
コーヒーと新聞片手ににやける顔に腹が立つ
でもそんな時間ももったいない
もう口紅塗ってしまうから
はやくキスしよう
0019 NARUKO |
http://www.hbs.ne.jp/home/poppo/ |
色 |
気がついたらジンクスになってた
綺麗にマニキュアが塗れた日は
君とは逢えない、って
君は私のマニキュアなんて興味ないだろうけど
そんな君だから逢いたいんだけど
でもせめて
唇の色くらいは
気がついてくれないかな
色を咲かせてるんだけど
蝶は蜜だけが欲しいんだよね
どんな色してようと
蜜の味には代わりないからね
水を注いでくれたなら
唇は命を吹き返していくのに
君は色の上を掠めてしまうだけで
私は待っているから無口になってしまう
ジンクスになってるマニキュアは
今日も綺麗に塗れたから
逢えない、ってわかっていても
蝶を捜して飛び出してしまう
色を咲かせてるんだけど
蜜だけでも欲しいのなら
君が欲しいのなら
私も
欲しいから
唇の色
今日は何色だった?
うすべにを乾いた口になじませてひとりの部屋に春を待つ夕
|
0028 阿麻 |
舞台裏がみえすぎる |
化粧まだ終わらないか ちょっと待って あと少し・・・ まだ長くなりそうなのか ちょっと待ってちょっと待ってよ! 午前八時 咲き零れたルージュの口元たちから 白い吐息が中空へと踊りながら 通りすがりの街の大気を染めてる 口紅抑え、ただ一言、 「終わったよ」あなたに告げて家を出てから 混ざり合う、そして広がる吐息をパレッドに見立てて ぬぐい、なじませた原色の大群が交差点で立ち止まる。 それも 一斉に! これほどの 光が自我を目覚めさせてくれたのは マスカラのスタイルよりも 濃くて重い コートの裾で息づく影より、 おそらく遠く彼方に先立って 今が幸せとは思えないけれどあなたはどうなんだろう。 それにしても短く、冬の日差しの下で はしゃぐルージュは 暖色系の色見本として やがて褪せていく事に 笑ってしまうほど、とおく無関心にいる。 |
そのピンク色は
白い肌に
とてもよく似合う
口を開けたままの間抜け面で
眺めているのにも気付かずに
一心に口紅をひく母親の姿
やがて完成された外向きな顔で
幼い私へにっこりと微笑む
儀式が終わった合図
今も変わらず続いている
そして受け継がれていく
あのころ
完成された顔を見ると
ほんの少しだけ
寂しくなった
037とかげ |
残り香 |
ひさしぶりに会った友人は
化粧がうまくなっていた
ゆびさきを光らせながら
すいすいと
まぶたに筆を滑らし
少し濃い色をした
リップグロスを唇にのせて
えらく満足げに
にいっと笑う
あまりにカラフルに
うずたかく積み上げられた
化粧品の山を目の前にして
私はとほうにくれる
めんどうくさいという言い訳のかげに
見え隠れする恐怖心
かつかつとかかとを鳴らしつつ
先を歩く友人の残り香は
苦手だった予備校教師とおなじで
私はさらにとほうにくれる
ゆびさきにのせた英語構文
生まれながらの女なんて
いるものではないけれど
女になる方法なんて
教わったこともない
からだに抗うことの無意味さを
スカートのすそにひるがえして歩く
ひとりの女のある風景
0045 雪柳 |
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=yukiwatari |
幸せ色のメッセージ |
夕べの戯れ 夢うつつ
まどろみの中反芻してる
優しい手櫛が 心地良く
おはようと 囁く吐息きに目を開ける
夢じゃなかった…
夕べの甘い夢から覚めて
目覚めの私を覗き込む
あなたの笑顔眩しくて
慌ててバスに飛び込んだ
私どんな顔して寝てたんだろう…
シャワー浴びつつ思わずなぞる
あなたの唇触れた跡…
蘇る記憶に速まる鼓動
我が身の幸せ抱きしめる
こだまするのはあなたの言葉
後悔なんて微塵も無い
流そうかって ねぇあなた
鏡の中の ツーショット
あなたの長い魔法の指で
蝋人形からマリオネットに…
頭の芯がクラクラしてる
戸惑いは消えた
導かれるまま あなたを貪る
夕べあなたがしてくれたように…
首筋に… 脇腹に…
ありったけの想いをそそぐ
これっきりでも悔い無いように…
あなたの総てを記憶に刻む
睦み合いの後の長いキス
瞳の中に私がいるわ
肩を抱かれて洗面所
鏡にあなたのメッセージ
これからも よろしく
ピンクのルージュを なぞってみる
指の先から幸せが駆け巡る
振り返ると 笑顔のあなた
手を取られ 再びベットへ
幸せな現実をかみしめる…
「色の無い
唇が好き」
君が言う
肌の色した
口紅探す
ヌードとは
肌色ルージュの
品番名
口紅塗れば
フェークの裸
唇と
皮膚との境
あいまいに
なれば歯だけの
笑顔が見える
キスすれば
あなたの薄い
唇に
私の裸
伝わっていく
0052 Ako |
http://www.enpitu.ne.jp/usr5/51541/ |
約束の時間 20:00 |
ダークブラウンのペンシルで
丁寧に縁取って
歯で筆の蓋を抜き
リップスティックに筆を入れ
色を執る
唇に描く
今宵のラブアフェア
そして、ティッシュのベールかぶせて
唇を軽く押さえたら
グロスでコートすればいいだけ
「結構、気合はいっているじゃん。」
鏡の中の自分に一言
それから、身支度を整えて
約束の時間
20:00時と、携帯のメイル
貴方との約束の時間の五分前
待ち合わせの場所へ急いで向かえば
貴方は既に車を寄せて待っていた
逢ってから一番最初に失うものは
丁寧に塗りつぶした私の口紅
カーオーディオのデジタル時計
グリーンの数字が
約束の時間
20:00時、丁度を切った
4時間後には日付も変わる
私たちの関係もこうやって
続いていけば・・・イイナ。
000a のん |
http://plaza5.mbn.or.jp/~mae_nobuko/ |
紅 |
雫 うなじに 落ちて 鏡 ぼんやり 曇る 瞳 肌より 濡れて 吐息 ほのかに 香る 唇 薄めの ルージュ 心 濃いめの 紅色 今夜 あなたと 逢瀬 |
000b 佐々宝砂 |
寒紅 |
君 凍 寒 願 逢 寒 紅 孕 伐 口 に 蝶 林 は ひ 紅 挿 み ら 紅 与 は に く み を す を れ を ふ 君 紅 ば て 般 や れ し 持 が を 我 の 若 湯 ば は た 白 小 挿 を の の 冷 死 冬 ぬ 寿 指 さ * 放 ち 面 め * は 萌 日 の で ん て の の せ 許 赤 あ 我 殺 と よ 化 裏 し さ き り の す 火 木 粧 に ほ れ 若 き く べ を 枯 や 刷 ど ず 木 麦 ち し 放 に 寒 く 待 冬 な 芽 び つ の ち の り ぐ る 入 わ 蜂 む を び て |
000c 芳賀 梨花子 |
http://www.stupidrika.com/index.htm |
口紅戯曲「蝶々」 |
悲しい薔薇には虫がつきやすいと わたしは知っていた だから虫を喰って幾千万の虫を喰って 愛を知らないもの同士の共食いを繰り返し そのうちに、わたしの唇は簡単に嘘をつけるように たとえば (愛してる)(すごく、愛してる)(ずっと、愛してる) とか (あなたにしか、こんなことしてあげないの) とかね、でも、たまには本音も漏らす (とっても、苦いわ) そして男も嘘をついた (君だからさ) でも、知ってるの、本音はこっち (ねぇ/そんな/ことより/口/はな/さない/で) (じょうず?わたし、じょうず?) (あぁ/とっ/ても/じょう/ず/だ) のけぞる男、笑い出すわたし (わらうなよ/こんなときに) 笑いながら、またがるわたし (ワラウ/ワラウナ/ワラウ/ワラウナ) ついには怒り出す男、フォルテ,フォルテ,フォルテ、ひっくり返る権力分布 でも笑う、笑い続けるわたし、クレッシェンド、フォルテッシモ、奪いあうふたり! そして残響(ワラウ/ワラウナ/ワラウ/ワラウナ/ワラウ/ワラウナ) ピアニッシモ、疲れ果てても、繰り返す、所謂、愛の行為 内緒のおはなし、舞台裏は小ざかしい擬似恋愛の墓場 再びクレッシェンド、羽化しよう、羽化しよう、だから、繰り返し求めて フォルテ!わたしは悟ったふりをして受け入れる、すべてを フォルテッシモ!あなたなら、わたし、あなたなら、わたしを さらにクレッシェンド!羽化させて、羽化させて、羽化させて わたしの口紅で真っ赤に染まった芋虫が断末魔の悲鳴をあげ 今夜の役割を終えるころ、わたしの背中は、ゆっくりと破けていく |
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(ページ及びグラフィック製作 芳賀 梨花子)