サシスセソ
遊びま〜ス。
す、す、すとんと腑におちる
まいる
スき。
背中のスミ子さん
サシスセソ
yoyo
母がいる時
我侭で
祖母がいる時
譲らない台所
誰が最初に教えたの
料理がうまくなるには
見よう見まねが一番で
サトウ、シオ
スッパイ過去の
記憶はしに残ってる
リレーはつなぐ
意味がある
さじ加減
見ててください
未来の子
遊びま〜ス。
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九鬼ゑ女
スのあたしは
スはだ
スべすべ
スっぴんへいき
スきなものは
スだこ
スのもの
スみそあえ
スきやきも
スてーきも…ね!
スきなひとのまえで
スべって
スってんころりん
スかーとのなか
スっかりまるみえで
スましたかおで
ス…………みません。
す、す、すとんと腑におちる
みまにや
すとんと腑におちるもの、おちないもの
腹のなかを見せてごらんよ 腑におちないもの
そうやって、遠くからしかもの言えないもの
わたくしが月並みな言葉で表現してあげようか、お前のために
月並みな言葉、負け犬の遠吠えっていうのを知っているだろう
すとんと腑におちる、そう、お前は負け犬
わたくしの目の前に立つことも出来ない、もの言うことも出来ないお前は負け犬
そうやって、花咲かぬ大地で戯言を続けるがよい
そういうお前の姿を見ていると負け犬という言葉が本当にすとんと腑におちる
す、す、すとんと腑におちる
腑におちないもの、それはお前の戯言
腑におちるもの、それはお前を負け犬と月並みな言葉で呼んでやること
す、す、すとん すとん す、すとん すとんと腑におちる
嗚呼、わたくしは腑におちた
すとん すとん すとん
まいる
ふをひなせ
混沌とした「貌」で
「才媛」の力を放ち
閉じた「貝」の先に
「こも」ごも織りなす その中で
逃げる「おあし」を追う私
スき。
宮前のん
ねえ、ね。。。。
え?何?
ス、ス、
ス? スが何?
ス、ステキな服ね、それ。。。
そうかな? 普段着だよ、俺。
ス、ス、スっかり夜もふけたわね。。。
あ、そうだね。遅くなったね、ごめんね。送ろうか?
あ、ええ、そうね。お願いします。はぁ。。。。。
。。。好きだよ。
。。。え?
背中のスミ子さん
伊藤透雪
スミ子さんはいつもにこにこしている
すっかり萎えてしまった脚のことなど
気にしていないかのように
車椅子に座って丸くなっている
スミ子さんが歩けなくなったのは
転んで脚を骨折したからだ
さすがに痛いはずなのに
ごめんなさい、私が悪いの、と言う
まだ歩いていた頃のスミ子さん
の背中は寂しそうに見えた
でも今はにこにこと まるで幸せな
表情がいつも同じ
丸くなった背中にくっきりと落ちる
夕暮れの色は全く変わっていない
スミ子さんの家族が来なくなり
訪問客はいない
ホームの友だちはたくさんいるけれど
笑顔はいつも同じ
不自然なほどに変わらない
スミ子さんの手は温かいのに
職員の私たちには笑顔のまま
黙って何も言わない
部屋には旦那さんと子供、孫たちとの写真が
置かれている
置き時計の隣に
2012.6.15発行
(C)蘭の会
CGI編集/遠野青嵐・佐々宝砂