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今日の朝のリズムは
うたじゃない
ただぎこちないフィルム
嘘かもしれない懐かしい匂いに
誘われるようにして
ここに座り込んだの
グレー
どうにかしてこの塀の色を変えなきゃ
わたしだけがぶれている
この傾いたなかで
ブルー
いらないのよ 圧倒など
向こう側というのは
知らず
このこは冷たさに笑っているけど
グレー
かれは煙をふきだして目を細めるけど
ブルー
雨で色を変えたモノクローム
1975年、アメリカ
とても埃っぽい街
温度を選べない時代
そして物語は始まりやしないのだけれど
指紋は事ある毎重なり
男の目は一層線のようになった
限られた意味のなかで
空はいつでも塀になり
グレー
潮は輝くことはなく
ブルー
もう、しまおうね。
愛しさなどと知らず
やさしさにうもれた
語らないまま男は眠り
約束のように風が吹く
じゆう、だろう。
1975年、
背丈ばかりの銃
爪ほどの勲章
鳥は飛び
ブルー
錆びた柵を 赤々と
グレー
グレー
いつまでも美しくいたかった
目を閉じて
ロール
席をたったのはだれだろう
ことばはもう意味をもたず
ひかり
まじり
グレー
吹き抜けたあれは わたし
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