■ 第17回 ソネットを書こう 2
今回も個人的にショックなことがありまして(毎度そんなこと書いてるような気がする、ってか「気がする」じゃなくて、この前フリは先月とほぼ同じです)、いえ正しく言うと先月からショックが引き続いておりまして、原稿を書くどころじゃありませんでした。とはいえそれは当然言い訳でありまして、ショックなことがあろうとなかろうと、サルレトのような文章はコンスタントに書き継ぐべきなのです。がんばれ私。
さて。そゆわけでソネットです。前回、ソネットは14行の定型詩、そのスタイルはイギリス式イタリア式との二種類に大別できるということを説明しました。日本語で書かれた大半のソネットは、行数の決まりごとだけを守ったソネットですので、先月までの説明だけで、一応ソネットらしきものを書くことができるはずです。しかし今回は本格的にソネットをやってみようという趣旨です。もっとややこしいことまで突っ込まないとつまんないですね。
英詩には押韻と韻律、大きくふたつの決まりごとがあり、ソネットも例外ではありません。しかし韻律(リズム)は、英語という言語の持つ強弱のリズムに基づくものであって、日本語ではちと真似ができません。というわけで、今回は、日本語でも可能な押韻(押韻がどんなものかはすでに説明してあるからわかりますね?)を用いてソネットをつくってみましょう。
ソネットの構成にイギリス式とイタリア式の二種類があったように、押韻法もイギリス式とイタリア式があります。先月は自由度の高いイタリア式のほうが楽かなあと思ってたのですが、考え直してイギリス式(シェイクスピア式)の押韻を説明しようと思います。イギリス式は二行押韻という方法で、交互に韻を踏みます。
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●イギリス式ソネットの韻の踏み方
abab cdcd efef gg
と書いてもわかんないと思うので、簡単な例をあげます。すげー簡単でバカバカしいくらいの例ですが、怒らないでくださいませ・・・これでもけっこう悩んだんですう・・・
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●イギリス式ソネット/二行押韻の例(佐々宝砂作)
あなたに会えて それでよかったかと 疑問に思えて 痛み出す踵(かかと)
遠いところにいたなら 気にしないでいられた 毎日のさよなら いまはもう馴れた
空を仰ぐと 崩れゆく雲のかたち こわれやすい玩具と 憂鬱な恋人たち
私たち別れないたぶん 今はそんな気ぶん
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・・・ひでー出来であります。こんなものをお手本にしてはいけません。でもきちきち二音ずつ脚韻を二行押韻で踏んでありますので、少なくともそーゆー意味では参考になると思われます。色が変わっている部分、韻を踏んでいるところです。同じ色のところが同じ音になってますね、必死に同じ音にしたのでなってるはずです・・・
○課題13 イギリス式2行押韻法で、ソネットを書きましょう。 今回は私も非常に不出来で不満ですので、来月までにもう少しいいのを書きたいと思います。
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