■ 第19回 ソネットを書こう 3
いやもう弁解はしません。ポエケットでも某氏に言われましたさ、「サルレト、落としましたね」。はい。落としました。清岡卓行とシド・バレット(どういう組み合わせじゃ)が死んだショックで書けなくなりました。いや嘘です。清岡卓行とシドが亡くなる前から書けてません。弁解しません。しないんですぅ。とかわいこぶっても仕方ないんだがとにかく書けんのです。
自分が書けないのに「書こう」などと言ってよいものか。なんて悩むと余計に書けないので、ともかく書きます、書きますが、うまく書けるという自信が皆無ですので、2001年とゆー昔むかしに書いたシロモノ「比喩を使おう」を先に再録としてアップしておきました。今の私が書くものより役立ちそうです。「比喩を使おう」は「ソネットを書こう」と平行してアップしてゆく予定です。ソネットが進むかわかりませんが、比喩の方は再録なので簡単に進みます。ああ全部再録にしてしまいたい(笑、じゃなくて泣
で。この調子では「書けない書けない」だけでながぁい文章が書けてしまいますが、ここはそんなことを書く場所ではないしそんなもの書いてもヒトサマの役に立たないので、気を取り直してソネットです。
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イタリア式ソネットを、別名ペトラルカ・ソネットと言います。イギリス式をシェイクスピア・ソネットと呼ぶようなものでして、つまりイタリアのペトラルカさんがよく使った形式なのです。シェイクスピアはソネットで恋愛や少年に対する賛美を歌い上げましたが、ペトラルカは、謎の女性ラウラに対する愛ばかり歌いました。
もっともペトラルカとラウラは、実際にはつきあったことがないとか。そのわりにはペトラルカさん、他の女と3人も子供をつくっていたとゆー、ストイックなのかそうでないのかわかりません。たぶん、ラウラをあまりにも神聖視してたのでしょう。あるいは、現実のラウラをおっぽって、幻想のラウラに溺れたのでしょう。それとももしかしたら、ラウラを詩のネタとして酷使しただけかも・・・ま、いずれにせよペトラルカさんは一種のアホだと思います。ですが、私はそういうオトコがわりと好きです。って何の話だ。
えーと、ほんま、何の話だっけ。つまり、ソネットは、イギリス式であれ、イタリア式であれ、もともと恋愛を主題にすることが多い形式だ、ということを言いたかったのでした。愛を、恋を歌うみなさま、頭の中なり二次元なり三次元なりに存在する恋人を詩のネタとして酷使して、ぜひソネットに挑戦を(恋愛詩なんかクソだ、とほざくやつはほっときましょう)。
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●イタリア式ソネットの韻の踏み方
イタリア式ソネットも、イギリス式と同じく14行です。4/4/3/3または4/4/4/2の四連に分かれ、脚韻構成は、
abba abba cde cde または abba abba cddc ee
ということになってます。後者は前にやったイギリス式と似てますね。イタリア式はイギリス式より自由度が高いのです。とくに最後の6行はcde/edcでもいいし、cdc/dcdでもいい、イギリス式のような2行押韻、つまり、cdcd/eeでもOK。けっこういい加減です。好きなように韻で遊べる、と考えると楽しめるかもしれません(しかし私はそれどころではありません)。
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●イタリア式ソネットの例(佐々宝砂作)
あいつがスペインの爆弾を落とした 私がねむっているすきに まだ続いているとどろきに ざらつき乾いてゆく私の舌
枕のしたに隠す靴下 あいつの彼女がきたときに 靴下見つけて大騒ぎに なんてことになるかもしれないあした
冷たい唇が手の甲に触わる 明け方の蝉が遠くで鳴く あまりにも瞬間的な一閃の幸福
窓のそとゆっくりと景色は変わる 保証も約束もなにひとつなく それでも今日の風は吹く
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うーん、前に次はがんばるって予告したのに、今回もひどい出来だなあ・・・つーか何この内容。でもとにかくabba/abba/cde/cdeのイタリア(ペトラルカ)式で韻を踏んでおります。前回と同じく韻を踏んでる部分だけ色をかえました。次回はイギリス式ソネットの一種であるスペンサー式をやります。シェイクスピア・ソネットと大差ないんですけどね。
○課題14 イタリア式ソネットを書きましょう。 できれば古式ゆかしく恋愛詩でいこうぜ! (↑この言い方そのものがゆかしくない)
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