FINAL FANTASY X-2
大ヒット作FF10の続編。FFシリーズ初めての世界観、キャラクターを引き継いだ続編です。
私としては、FF10はオリジナルバージョン、インターナショナルバージョンともにプレイし、とても楽しめた作品ですので、とても期待していた作品です。
さて、その評価に関しては、以下に…
ちなみに、以下の分は、FF10-2のネタばれはもとより、FF10のネタばれも一部含んでおりますので、あしからず…
(1)ストーリー
FF10では、突如スピラに飛ばされてしまった主人公ティーダの視点で、シンを倒すという目標の旅を続けるヒロイン・ユウナと仲間たちとともに旅を続け、シンとスピラの謎を解いていくというストーリーでした。シンとスピラの根幹に関わる謎も奥深く、ストーリー展開もドラマティックで、とても感動的で面白かったです。ただ、エンディングのワンシーンについては、消化不良な点はありましたが…
そして、それを受けて作られたオマケ作品である、インターナショナルの特典DVDである永遠のナギ節。エンディングの2年後ということでその後のお話でした。
FF10のエンディングの消化不良部分を解決してくれることを期待して、インターナショナルバージョンを購入して、見てみると… この作品において、FF10のエンディングで消化不良だった部分をさらに謎めかせてくれました。(爆
さて、これらの話を前置きとして語られるのが、FF10-2であります。永遠のナギ説は、10-2への布石としては、バッチリと思いますが、10-2が作られなかったとすると、非難轟々の出来ではないかと思っております。
さて、前置きはこれぐらいにして、問題の10-2のストーリーについて。
登場するキャラクター、街でのイベントなど、ほとんどのイベントが前作無しには語れない内容となっています。
前作(FF10)をプレイした人は懐かしいキャラクターが次々とでてきて、FF10のその後の話を聞かせてくれます。ほくそえむ事も多い、なかなか楽しめるものも多いのですが、前作を知らない人には訳のわからない物ばかりとなっています。それ以前に、FF10をプレイした人(私)でも「だれだ?こいつは」という人物もちらほらと出てきました。一応、ユウナが回想という形で解説してくれるのですが、前作を知っていること前提ですね。これは。
そもそも、この旅のきっかけは永遠のナギ説で語られており、FF10(特に入手するなら、永遠のナギ説がついてくるインターナショナルバージョン)をプレイせずして、10-2をプレイするのは、間違いであります。FF10未プレイの人は、10-2をいきなりプレイしない方がよいでしょう。
旅のきっかけだけに限らず、旅の途中におけるユウナの心情についても、10の旅を知らなければ、理解は出来ません。ラストバトル直前の感動を呼ぶ(?)ユウナの発言なんて、特に…
あと、ストーリー展開の根幹を握るヴェグナガンについて、というかザナルカンドについては、本作(FF10-2)ではほとんど語られていないため、前作(FF10)を未プレイでは何のことかわからないのではないかと…
とまぁ、とにかく、全体から細部にいたるまで、FF10のプレイを前提に、10-2は作られているということですね。10をプレイした人を対象に作ったのであれば、これでもいいですが、もし、10-2からでも新しくプレイする人を期待していたのであれば、完全な失敗作と言っていいかと… まぁ、こんなもの作るのだから、前者だと思いますが。
さて、10と10-2のかかわりはここいらへんにして、10-2の中身について、語りましょう。
ストーリーは、意外にあっさりとしています。スフィアに写っていたティーダに似た人物はいったい誰なのか?そしてどこにいるのか? そして、途中から登場するヴェグナガンとはいったい? と、謎めいたストーリーではありますが、それほど(FF10と比較して)奥深いものではありません。普通、RPGで続編というと、前作よりも広大な世界にさらに奥深いストーリーというのが、ヒットの前提なんですが、FF10-2に関しては、前作を超える続編というよりも、前作のオマケ的作品といったほうが適切でしょう。
前半は、カゴメ団によるドタバタ珍道中、そして、中盤のヴェグナガンとの出会いからはシリアスな展開へといった感じです。この構成、なんだかZZガンダムを思わせるなぁ。
前作では悲痛な思いを胸に旅をしてきたユウナでしたので、今回の旅のモットーは楽しく、というユウナの考えにそって、全体的には明るい雰囲気が漂っています。ちょっと行き過ぎてバカっぽさも漂っていますが、私的には、全然OKな範囲で、笑わせてもらいながら楽しみました。人によっては、引いてしまうかもしれません。
シリアスモードな部分では、前作をしっかりと踏襲しており、違和感のない展開で、安心して見られました。
問題なのは、ミニゲームがやたらと多いこと。これまでのFFでも、各所にミニゲームが存在し、場合によっては、本編以上に熱中することもありましたが、今回は多すぎです。
ただのオマケのミニゲームではなく、どちらかというと、FF10-2のメインではないかと思わせるほどになっています。というか、明らかにゲームの半分程度のウェイトは占めていますね。面白いものもありますが、少々難しくて、いらいらすることもチラホラ… アイテム集めとか無視すれば、ミニゲームを完勝しなくても、ストーリーは進めますが、アイテム収集家としてはそうも行かず…と言った感じでした。壮大なストーリーを追う物語というよりも、要所要所でミニゲームが登場するために、余計に大作ではなく、オマケ的作品といった印象を強くします。
簡単にまとめますと、大作として期待すると痛い目を見ます。オマケ的な作品として、FF10のその後をみて見たい、といった人にはお勧めのストーリーであります。
ただ、問題なのは、トゥルーエンドと思われる隠しエンディングをみるためのハードルが高く、いまだに私はティーダに会えていないのが、問題点であります…
(2)システム
戦闘システムは、若干の変更はあるものの、FFシリーズをプレイしていれば馴染み深いアクティブタイムバトルです。
これは、これまでの作品で試され済みであり、完成度も高く、安心して楽しめます。リアルタイムは、緊張感があると事がいいですね。さらに、各行動(単純攻撃、魔法、特殊技、アイテム使用など)ごとにウェイトタイムが設定されており、ターン待ち時間以外でも、行動の素早さが考慮されている点は進化した点として、評価できます。
問題となるのは、今回新登場したドレスアップシステム。
感じ的には、FF3や5のジョブシステムみたいな感じですね。ドレスフィアという考え方には、頭をひねるものがありますが、様々なアビリティを試せて、自分の好きなパーティー構成で戦闘を行えるという、ジョブシステムから引き継がれているような点については、評価に値します。
ドレスアップは、どこぞの魔法少女などの変身ヒロインもののようなムービーが用意されており、楽しめますが、毎度見せられるのは苦痛であります。その点、ムービーカットも出来る点はよかったですね。
移動中に白魔法で回復するときには、その瞬間だけ自動的に白魔導士にドレスアップするというのは、なかなか活かした演出です。自分で毎回ドレスアップしなけりゃいけないのかと思っていたので、これは楽でした。ドレスアップしないと白魔法が使えないということで、そこのところはちゃんと辻褄合わせてますね。
(3)ミニゲーム
これまでのFFでも、ストーリーの要所で登場し、時には夢中にさせてくれたミニゲーム。今作ではこのミニゲームのボリュームが満点です。
RPGなのか、ミニゲーム集なのか、疑いたくなるほどの多さと濃さであります。
慣れれば何とかなりますが、結構難しいものも多いです。特に、レアアイテムなどを入手するためには、これらミニゲームをしっかりとクリアしていくことが必要となるのです。ただストーリーを追いかけてクリアするのなら、そこまで必死になる必要もありませんが…
ただ、要所要所でしっかりとレアアイテムを入手すると、その後の戦闘が楽になることは確実です。
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