峯 - 漢字私註
説文解字
山耑也。从山夆聲。
- 大徐新修十九文の一。
- 九・山部
説文解字注
刪去。部末の文五十三
に今刪峯、則五十二。
と註記する。
康煕字典
- 部・劃數
- 山部七劃
『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤敷容切、音風。『說文』山耑也。一說義取於𡴀、直上而銳也。
又州名。古夜郎地、隋置峯州、今屬安南。
又叶敷康切、音芳。『道藏歌』停蓋濯碧溪、采秀月支峯。咀嚼三靈華、吐吸九神芒。
『集韻』或作𡵞。
- 部・劃數
- 山部七劃
『集韻』同上。
- 部・劃數
- 山部四劃
『集韻』與峯同。『說文』山耑也。
音訓
- 音
- ホウ(漢) フ(呉) 〈『廣韻・上平聲・鍾・峯』敷容切〉[fēng]{fung1}
- 訓
- みね
解字
白川
形聲。聲符は夆。夆は木の秀つ枝に、神靈の降る意。鉾杉などの上に神が降るとされてゐたのであらう。そのやうな木のある山を峰といふ。
『説文解字』に峯の字形を擧げ、山の耑なり
といふ。大徐新修十九文の一。『爾雅・釋山』や漢碑の類にその字は見えない。
神氣に遭遇することを遇逢といひ、峰もその系統の字と思はれる。
藤堂
山と音符夆の會意兼形聲。丰は、△型に先の尖つた穗を描いた象形字。夆は、それに夂(足)印を加へて、左右兩方から來て△型に中央で出逢ふこと。逢の原字。峰は、左右の邊が△型に頂上で出逢ふ姿をした山。
漢字多功能字庫
山に從ひ夆聲。本義は山の頂端。また峰に作る。『集韻・鍾韻』峯、或書作峰。
- 『文選・謝靈運・於南山往北山經湖中瞻眺』
朝旦發陽崖、景落憩陰峰。
- 『魏書・崔挺列傳』
州治舊掖城、西北數里有斧山、峰嶺高峻、北臨滄海、南望岱嶽、一邦遊觀之地也。
- 唐・李白〈蜀道難〉
連峰去天不盈尺、枯松倒掛倚絕壁。
引伸して山の峰のやうな形のものを指す。
- 唐・杜甫〈麗人行〉
紫駝之峰出翠釜、水晶之盤行素鱗。
- 北宋・柳永〈雪梅香〉
想佳麗、別後愁顏、鎮斂眉峰。
- 『西遊記』第26回
那行者見說無方、卻就眉峰雙鎖、額蹙千痕。
曾ては量詞となした。
- 『魏書・西域列傳』
正平元年、遣使獻一峰黑橐駝。其國東有山、名郁悉滿、山出金玉、亦多鐵。
- 北宋・陶穀『清異錄・地理』
契丹東丹王突、買巧石數峰、目為空青府。
屬性
- 峯
- U+5CEF
- JIS: 1-42-87
- 人名用漢字
- 峰
- U+5CF0
- JIS: 1-42-86
- 當用漢字・常用漢字
- 𡵞
- U+21D5E