穴拔け日記 (平成20年12月)

12月25日 (木) : 大正天皇祭、クリスマス

世間

宰相以下國務大臣は總理公邸で忘年會をしたさうで。席上、宰相は自分の發言に問題があつたといふ主旨の發言をした模樣。まあ、でも、それはある程度折り込み濟みやつたからなあ……。

12月24日 (水) : クリスマスイブ

世間

衆議院は、24日、民主黨が提出した解散要求決議案を否決。與黨から渡辺喜美が造反して贊成に回つたのが多少の物議になつてゐるが、さて、どうなることやら。

世間

空自イラク復興支援派遣輸送航空隊の歸國を受け、24日、小牧基地で、宰相以下列席下、隊旗返還式が擧行されたとのこと。

世間

米次期大統領は、リンカーンの第1期の就任宣誓式で使用された聖書を、自身の就任宣誓式で使用することを表明。

12月23日 (火) : 天長節

世間

主上には、天長節をお迎へになられた。午前中は、一般參賀にお應へになるために、皇后宮竝びに東宮同妃、秋篠宮同妃各殿下を伴はれて、3度お出ましになられた。午后からは皇族方竝びに宰相以下高官等列席の祝宴に臨まれ、各國大使の祝賀を受けられた由。玉體の御不調竝びにお風邪を召されてゐるにつき、宮内廳は、一部行事を簡素化した模樣。

臣、謹み畏みて、天長節を御祝ひ奉るとともに、陛下の御不例の一日も早く御快癒と、陛下の御代の長からむことを祈念するものであります。

世間

主上には、2種のハゼの、遺傳子及び形態的特徴について、地理的變異を調査し、それらの系統的關係を推定した論文を、31日附GENEに發表されるとのこと。共著者には、秋篠宮殿下も加はられてゐる。

世間

Bush Jr.がイラクで靴を投げられた後日談で、件の靴と同じタイプに註文が殺到してゐるとか。8年の治世の最後の最後が、トルコの靴屋の宣傳とは、單純に嗤つていいのかどうか考へて仕舞ふ。まあ、さうは言つても嗤ふんやけどね。

12月21日 (日) : 冬至

世間

ベルギー宰相Yves Camille Désiré Letermeは、19日、國有化した銀行の處理にかかる對立の責に任じて、國王陛下に辭任を申し出た。陛下は、現在まで、可否を明らかにされてゐない。

12月20日 (土)

購入

荒川弘『鋼の錬金術師 21』、柳実冬貴『量産型はダテじゃない! 5』、塩野七生『ローマ亡き後の地中海世界上』。

12月19日 (金)

世間

來年頭に主上が踐祚20周年を迎へられることを御祝ひ奉る「奉祝中央式典」が、宰相以下國會議員、駐日外國大使等4000名の出席の下、開催された由。

12月18日 (木)

世間

18日附New York Timesの報では、イラク首相直屬對テロ部隊が、クーデター計劃などの容疑で同國内務省高官等35名を逮捕した模樣。

世間

平壤當局が、「總書記」の暗殺を未然に阻止したと發表。其の上で、京城當局の關與を主張。この時期に、斯樣な發表の爲された意圖が那邊にあるのやら。實際にあつたのか、それとも、米が態度硬化したのを機にまたぞろ妙なことをし始めたか。

12月16日 (火)

世間

主上には、15日、賢所御神樂の儀への御出席を取り止め、掌典次長手塚英臣をして代拜せしめられた。

16日、宮内廳は、天長節の主上の記者會見を實施せず、代りに「ご感想」を示される旨、發表した。

御執務につき今後も引き續き玉體に障りがあるやうであれば、大權の全てと言はずとも、一部でも御委任になり、以て玉體を安んぜられ、且つ國務に支障なからしめるのが、或は適當ではなからうかと、愚考するが、どうであらうか。

12月15日 (月)

世間

Bush Jr.がイラクを訪問とか、記者會見したときに現地記者から靴を投げられたとか、それをどうにか避けてジョークを言つたとか。まあ、これが超大國のMr. Presidentつてあたりがこの世の不思議。

12月12日 (金)

世間

衆議院は、テロ特措法改正及び金融強化法改正を、3分の2以上の多數により再可決、成立させた。

世間

宰相は、總事業規模23兆圓の緊急經濟對策を發表。併せて、平成23年度から消費税引き上げを含む税制拔本改正を實施する方針を示した。當座としては、通常國會で今年度豫算第二次補正及び來年度豫算の早期成立を期す方針である模樣。

ここのところの政局で氣になるのは、所謂官邸と與黨の間隙が度を超えてはゐないかといふところ。權力鬪爭するのはいいけれども、今一番問題の當座の問題そつちのけで、抽象論と、揚げ足取りといふ、極端な次元でやり合つてる感じがして、正直、莫迦らしい。まあ、書き出すと長くなるのでやめるけど、今の政權を顛覆させて、何か上手く行くことがあるとは、現状思へないのだけは確か。

12月11日 (木)

世間

宮内廳長官は、主上におかれて胃疾が確認された件にかかり、叡慮について、記者會見で私見を述べた。

宮内廳長官は、主上におかれては、皇統に關はる問題、竝びに、東宮同妃兩殿下の御健康の問題及び特に東宮妃にかかる報道について、特に御憂慮あそばされてゐるとの見解を示した。其の上で、東宮家の健康管理につき、現状責任が不明確であるとして、今後、東宮職醫師團に責任があるを明確にして對應せしめるとの方針を示した。

また、玉體への御負擔輕減については、1ヶ月程度は御日程を可能な限り輕いものにするべく調整を圖る方針を示した。

當座の措置については、長官の示した方針で大過ないと思ふ。ただ、宸襟を眞に安んじ奉るには、皇統永續を確かなものにする爲の根本的な措置を、舊例に成る可く沿ふやうな形で行ふ必要が、やはりあるのではなからうか。秋篠若宮殿下降誕以降、この重大な問題については、遂に棚上げになつてゐるが、殿下が無事踐祚されたとしても、それ以降について何等の目算もない現状は、日本國にとつて、極めて危機的な状況である。

個人的には、昭和22年に「皇籍離脱」を餘儀なくされた皇族及びその男系子孫を、皇籍に復せしめればよいと考へる。取り敢へず問答無用で。其の上で、個人の意志で皇族たるのを忌避されるのであれば、その後で改めて臣籍降下の手續を取つて頂けばよからう。昭和22年の「皇籍離脱」は、ある意味イレギュラーであり、ひつくり返す卓袱臺としては一番適當と思ふ。但し、現皇統と伏見宮系統の間隙の大きさと、「皇籍離脱」してからの時間經過の問題があるのは事實で、前者を埋められない以上、後者を徒らに大きくしないために、成る可く早期に實現されるのが好ましい。

個人的な考へは上記の通りだが、拘泥するつもりはなく、それよりも、權限を持つた立法機關が、論を盡くして、この問題に對處することが、國家の危機を防ぎ、以て宸襟を安んじ奉る手立てであると思ふのだが、現状、そこのところを全然期待出來ないのが情けない。