説文解字私註 員部

員部

説文解字
物數也。从貝囗聲。凡員之屬皆从員。
𪔅 籒文从
康煕字典
口部七劃
《古文》
『唐韻』王權切『集韻』『韻會』『正韻』于權切、𠀤音圓。『說文』物數也。『徐鉉曰』古以貝爲貨、故數之。
『玉篇』官數。『史記・平原君傳』願君卽以遂備員而行矣。『前漢・尹翁歸傳』責以員程。《註》師古曰、員、數也。
『正韻』周也、幅員、亦作幅隕。『詩・商頌』景員維河。《傳》員、均也。與幅隕同。
『廣韻』『集韻』王分切『韻會』『正韻』于分切、𠀤音雲。『廣韻』益也。『詩・小雅』無棄爾輔、員于爾輻。《傳》員、益也。
地名。『前漢・匈奴傳』前將軍出塞千二百余里、至烏員。
通鄖。『前漢・古今人表』員公辛。《註》師古曰、員讀曰鄖。
通。『詩・鄭風』聊樂我員。『釋文』員、本亦作云。『商頌』景員維河。《箋》員古文作云。『釋文』員、毛音圓、鄭音云、二音皆可讀。
『集韻』于倫切『韻會』爲贇切、𠀤音筠。『集韻』人字。『左傳・襄二十六年』行人子員。
『廣韻』『集韻』『韻會』王問切『正韻』禹慍切、𠀤音運。『廣韻』姓也、前涼錄有金城員敞、唐有棣州刺史員半千。『韻會』伍員、人名、後人慕之、爲姓。○按『左傳・昭二十年』伍員、『釋文』本音云。楊愼曰、陸龜蒙詩、賴得伍員騷思少、誤讀平聲。此說非也。員字平去二音皆可讀。
『玉篇』『廣韻』作
ヰン。ウン。ヱン。
まるい。かず。まはり。
解字(白川)
象形。上部の○は圓鼎の上部を示す記號的なもので、説文解字のいふ囗ではない。貝はの省文。
員は圓の初文であるが、のちまた外圓を加へて圓となつた。
解字(藤堂)
○印との會意で、丸い形の器を示し、圓の原字。轉じて、丸い形の物、また廣く物を數へる單位に用ゐ、更に人員を數へて「若干員」といふやうになつた。
解字(落合)
鼎またはその略體たる貞の上に、指示記號の圓形を加へた指示字。鼎の口が丸いことから圓を表す。後に、更に外側に意符として圓形を加へ、繁文の圓となる。
甲骨文は、彫刻の便宜上、上部の圓形を方形につくる。
解字(漢字多功能字庫)
甲骨文、金文は、上部は圓形に從ひ、下部はに從ふ。上部の圓形は初文で、亦た員の聲符。鼎は古代の食器、祭器で、鼎の口は多くが圓く、故に圓形を鼎上に置き圓形の意と解く。本義は圓形。圓形も員字も、圓の初文である。
古文字の從ふ鼎字は往々にして貝に變化し、小篆の形もそれによる。金文には、上部の圓形が中に點を加へ、日に變はつたものがある。
後に員は人員を表すのに用ゐ、故に囗を意符に加へて、圓形を表す圓字を分化した。囗は輪つかの變形したものである。
甲骨文では地名に用ゐる。金文では人名に用ゐる。戰國竹簡では讀んで損となし、損傷を表す。また云の通假字となし、話すことを表す。
漢帛書では本義に用ゐ、讀んで天圓地方の圓となす。
當用漢字・常用漢字

説文解字
𧶊 物數紛𧶊亂也。从聲。讀若『春秋傳』曰、宋皇鄖。
康煕字典
糸部四劃
『廣韻』于分切『集韻』『韻會』『正韻』王分切、𠀤音雲。『玉篇』數亂也。『類篇』物數紛云。或从糸。『班固・東都賦』萬騎紛紜。○按『說文』作𧶊。『集韻』𧶊或作紜。
康煕字典・𧶊
貝部七劃
『集韻』王分切、音云。『說文』物數紛𧶊亂也。从員云聲。《註》徐曰、卽今紛紜字。
簡体字
ウン
みだれる