説文解字私註 壬部
壬部
- 文一
壬
- 説文解字
位北方也。陰極陽生、故『易』曰、龍戰于野。戰者、接也。象人褢妊之形。承亥壬以子、生之敘也。與巫同意。壬承辛、象人脛。脛、任體也。凡壬之屬皆从壬。
- 康煕字典
- 士部(一劃)
『廣韻』『集韻』『韻會』如林切『正韻』如深切、𠀤音任。『說文』壬位、北方也。『爾雅・釋歲』太歲在壬曰𤣥黓、月在壬曰終。『淮南子・時則訓』戌在壬曰𤣥黓。『史記・律書』壬之爲言任也。言陽氣任養萬物于下也。『前漢・律歷志』懷妊于壬。『抱朴子・雜應卷』立夏、佩六壬六癸之符。
大六壬數、近世尚之。
『爾雅・釋訓』佞也。『書・臯陶謨』巧言令色孔壬。
大也。『詩・小雅』百禮旣至、有壬有林。
與任同。負也。○按本義先有壬癸之壬、借爲負壬懷壬字。又从人作任、从女作妊以別之。
- 音
- ジン。ニン。
- 訓
- みづのえ。はらむ。になふ。おふ。おほきい。へつらふ。
- 解字(白川)
- 工具の形を象る。工の中央の支柱に膨らみがあり、壬の形となる。ものを鍛冶する臺で、碪任、椹任といはれるものであらう。上にものを載せるので、また任載の意となる。
- 解字(藤堂)
- 中央の膨らんだ絲卷きの象。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 干支の名。獨體字で、構形初義不明。早期の甲骨文や金文は工の形につくり、後に縱劃の中間に一點を添へ、また横劃に伸ばし、壬の字となる。一説に工の形は榺の古文といふ。また一説に壬は兩刃の斧で、辛と義が近いといふ。
- 甲骨文や金文では、干支の名に借用する。金文ではまた先祖の廟號や人名に用ゐる。
- 表
- 人名用漢字
𡈼は別字。