娯樂系感想等: 劇場版Fate/stay night Heaven's Feel II lost butterfly

セイバーがオルタ化するところまでが第一章、今作はその續き。

第一章の感想でも書いたが、桜ルートはともかく禍々しく陰鬱で腥いといふ印象である上、三部作の二つ目、話が完結するわけではないので、陰鬱さが決して晴れることはないと或る種の覺悟をした上で觀に行つた。どうせ觀に行くには違ひないし、それならFGOの概念禮裝貰へるうちに行く方がええやん、みたいな邪心も抱きつつ。

壓卷は何と言つてもセイバーオルタvsバーサーカー戰。バーサーカーが鬼のやうに強いといふのは今までうんざりする程知らしめられてゐるわけで、その惡鬼の如き相手を蹂躙する黑王樣の恐ろしさを見せ附けられた。細かい描寫まで全部拾へたとはまるで思へないが、迫力を茫然と受け止めるだけでも十分と思はせる、さういふ代物。

桜がギルガメッシュを喰らふに到る一連の前半は、表面的なところこそメルヒェンでスイートな表現であつたわけだが、その意味するところを思へば、實にえぐい表現であつた。スプラッターがあまり得意ではない人間としては、メタファーな表現に助けられたといふのが正直なところだが、讀み解く過程でどのみち殘酷さ、血腥さを消化せねばならぬ上、桜のぶつ壞れ具合を暴き出すといふ點まで加味すれば、マイルドな描寫であつたとはとても言ひ難い。ゲームで遊んだときは、他の2ルートで最後まで立ちはだかつた英雄王があまりに呆氣なく退場させられたところに強い印象を持つたが、今作を觀た感想としては、ギルガメッシュ退場よりも桜のやばさの方がよほど印象的であつた。

總じては、矢つ張り陰鬱だよこの話、とは思ひつつ、しかしここまで觀た以上は、來春公開されるであらう第三章も觀るほかあるまい、と思はせる出來であつた。