説文解字私註干部

干部舊版

説文解字: 不順也。从干下屮。屰之也。
康煕字典: 屮部三劃; 『唐韻』『廣韻』宜戟切『集韻』『類篇』『韻會』『正韻』仡戟切、𠀤凝入聲。逆本字。『說文』不順也。从干、下凵、逆之也。; 『集韻』匹陌切、音魄。月始生三日。與魄通。; 『正字通』古戟字、有枝兵也、與干字同體。雙枝爲屰、單枝爲戈。隸借爲逆順字、作戟字以別之。
音: ギャク。ゲキ。
訓: さからふ
解字(白川): 大の倒形。向かうより人の來る形。辵を加へて逆となり、逆は「むかふ」とよむ。
解字(藤堂): 枝を逆さに立てた逆茂木の象。または大の倒形。逆の原字。
解字(落合): 大の倒形。逆の異體字。逆の甲骨文に、屰につくるもの、彳と屰に從ふもの、辵(彳と止)と屰に從ひ逆につくるものなどがある。
解字(漢字多功能字庫): 甲骨文は大の倒立する形、倒轉する人の形を象る。逆反、不從順の人を表す。; 一説に、人の外より至るを象る。逆の初文。逆の古義は迎接すること。; 甲骨文の用法は逆に同じく、解いて迎となす。また、逆反、不從順を表す。金文は甲骨文と同じ形。人名、族氏徽號に用ゐる。; 戰國文字は中間に圓點を加へ、點は後に横劃に變はり、小篆に至る。