説文解字私註 𠬜部
𠬜部
攀
- 説文解字
- 𠬜𡴂
引也。从反廾。凡𠬜之屬皆从𠬜。
- 𢸅
𡴂或从手从樊。
- 康煕字典
- 手部十五劃
『唐韻』普班切『集韻』『韻會』『正韻』披班切、𠀤盼平聲。引也。『晉語』攀輦卽利而舍。
自下援上也。『莊子・馬蹄篇』鳥鵲之巢、可攀援而闚。『崔駰・達旨』攀台階闚紫闥。
或作扳。亦作𢸅。
- 康煕字典・𡴂
- 屮部三劃
『字彙補』古文攀字。『前漢・司馬相如傳』仰𡴂橑而捫天。《註》𡴂、古攀字。文選今作攀。
- 音
- ハン
- 訓
- ひく。よぢる。
- 解字(白川)
- 攀は棥聲の形聲字。棥はまがきの形。すがるやうにしてよぢ登ることを攀援といふ。
- 解字(藤堂)
- 字の下部は左右の手を反らせたさま。反に同じ。字は林と爻と手を反らせるさまの會意。生垣をつくるとき、枝を反らせて、爻型に編むことを示すため、林印(垣根の木)と反らせる印を加へた。藩籬の藩に同じ。また、扳と極めて近く、身體を反らせて登ること。
樊
- 説文解字
- 樊𤕩
鷙不行也。从𠬜从棥、棥亦聲。
段注は騺不行也。
とする。
- 康煕字典
- 木部十一劃
『唐韻』附袁切、音煩。『說文』作𤕩、鷙不行也。从𠬜从棥。『徐曰』鷙、猶縶也。鷹隼之屬、見籠不得出、以左右攀引外也。『廣韻』樊、籠也。『莊子・養生主』澤雉十步一啄、百步一飮、不期畜于樊中。
通棥。『詩・小雅』止于樊。『說文』作棥。『孫炎曰』樊圃之樊也。謂樊籬。『莊子・山木篇』莊子遊乎雕陵之樊、睹一蟬得美䕃而忘其身。
紛雜貌。『莊子・齊物論』樊然殽亂。
國名。『詩・大雅』生仲山甫。『毛傳』仲山甫、樊侯也。
地名。『左傳・隱十一年』王取田于鄭、而與鄭人以溫、原、絺、樊。
姓。『姓苑』仲山甫之後、因國爲氏。
『正韻』符艱切。義同。
通鞶。『周禮・春官・巾車』掌王之五路。一曰玉路、鍚樊纓。鄭註:樊讀如鞶、馬大帶也。『釋文』步干反。『左傳』作繁纓。
『高誘曰』扶萬切、音飯。樊桐、山名。『淮南子・地形訓』樊桐在崑崙閶闔之中。
叶汾沿切、讀若楩。『左思・贈妹詩』才麗漢班、明朗楚樊。默識若記、下筆成篇。『白居易・中隱詩』大隱住朝市、小隱住丘樊。不如作中隱、隨月有俸錢。
○按『說文』𠬜部收樊、下不从大、今誤入。
- 音
- ハン
- 訓
- まがき。とりかご。
- 解字(白川)
- 會意。棥はまがきの形。これを兩手(𠬜)で押し開く形。原義はまがき。
- 解字(藤堂)
- 會意。棥は林と交叉の印で、枝を×型に絡み合はせることを示す。樊は棥と左右の手を反らせたさまで、枝を)型や(型に反らせて絡ませること。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 金文は棥と𠬜に從ふ。棥は聲符で、藩籬、籬笆の形を象る。𠬜は兩手が背中合はせの形を象り、或は𠬜ではなく二又に從ひ、いづれも兩手の形。恐らく兩手で籬笆をよぢ登る意。一説に𠬜は聲符。
- 金文では國名や姓氏に用ゐる。
奱
- 説文解字
樊也。从𠬜䜌聲。
- 康煕字典
- 補遺・大部(十九劃)
『篇海類編』閭員切、音聯。攀也。亦作欒。