説文解字私註 𣎵部

𣎵
𣎵 艸木盛𣎵𣎵然。象形、八聲。凡𣎵之屬皆从𣎵。讀若輩。
𢍚
艸木𢍚孛之皃。从𣎵𢌿聲。
艸有莖葉、可作繩索。从𣎵、糸。杜林說、𣎵亦朱木字。
𢍚也。从𣎵、人色也。从子。『論語』曰、色孛如也。
𠂔
止也。从𣎵盛而一橫止之也。
南 艸木至南方、有枝任也。从𣎵𢆉聲。
𡴖 古文。

𣎵部 舊版

𢍚
《説文解字本文》艸木𢍚孛之皃。从𣎵𢌿聲。
《康煕》『唐韻』『集韻』𠀤于貴切、音謂。『說文』草木𢍚孛之貌。『集韻』或作𣓑𦳢
《音》ヰ
《訓》みのる。ふくらむ。
白川は、花が終つて實を結び始め、蕊が垂れてゐる象とする。
康煕廾部
《説文解字本文》索𣑇 艸有莖葉、可作繩索。从𣎵、糸。杜林說、𣎵亦朱木字。
《康煕》『廣韻』蘇各切『集韻』『韻會』昔各切、𠀤音𧛻。『說文』作𣑇、草有莖葉可作繩索。从𣎵糸。『韻會』隷作索。『小爾雅』大者謂之索、小者謂之繩。『急就篇註』索、總謂切撚之令緊者也。『書・五子之歌』若朽索之馭六馬。『詩・豳風』宵爾索綯。
《康煕》『易・震卦』震索索。『疏』心不安之貌。『釋文』懼也。
《康煕》『書・牧誓』惟家之索。『傳』索。盡也。
《康煕》『周禮・夏官・方相氏』以索室毆疫。〔註〕索、廋也。
《康煕》『禮・檀弓』吾離羣而索居。〔註〕索、散也。
《康煕》『左傳・昭十二年』八索九丘。『書序』八卦之說、謂之八索。
《康煕》地名。『前漢・地理志』武都郡有索縣。
《康煕》姓。『左傳・定四年』殷民七族、有索氏。
《康煕》『廣韻』山戟切『集韻』色窄切、𠀤音色。同𡩡、求也。『禮・曲禮』大夫以索牛。〔註〕索、求得而用之。
《康煕》『集韻』蘇故切、音素。『釋名』索、素也。八索、著素王之法也。『屈原・離騷』衆皆競進以貪婪兮、憑不厭乎求索。羌內恕以量人兮、各興心而嫉妒。〔註〕索、音素。
《康煕》○按『說文』在木部、今倂附入。索从𣎵、『說文』在𣎵部。
《音》サク。ソ。
《訓》なは。なはなふ。もとめる。
白川は、繩を縒り綯ふ象とし、搜求の意に用ゐるのは字音による通用といひ、 宀部𡩡字を擧げる。藤堂は、麻の莖から纖維を剝ぎ取ることを表す𣎳と、糸の會意字とし、一本づつ離れた細い纖維、轉じて、細い引き綱のことであるといふ。漢字多功能字庫は、甲骨文を廾と幺の會意とし、原義は繩索をつくること、そこから繩索を表すやうになり、更には索求、索取の意になつたといふ。また、金文は素と廾に從ひ、素は聲符であるといふ。
康煕糸部
當用漢字・常用漢字
《説文解字本文》𢍚也、从𣎵、人色也、从子。『論語』曰、色孛如也。
《康煕》『唐韻』蒲味切『廣韻』『集韻』『韻會』蒲昧切『正韻』步昧切、𠀤音佩。『說文』𢍚也、从𣎵、艸木盛長𣎵𣎵然。別作、方未切。
《康煕》人色變也、从子。『徐曰』人色孛然壯盛、似草木之茂、引『論語』色孛如也。今作、薄沒切。
《康煕》彗星也。『左傳・昭十七年』冬、有星孛於大辰西及漢。『申須曰』彗、所以除舊布新也。或作、敷勿切。『穀梁傳』孛之爲言猶茀也、隱蔽不見也。
《音》ハイ。ボツ。
白川は、花が落ちて實がなりかける象とする。藤堂は、草の芽の形と擴がることを表す八の形よりなる上部と子の會意で、芽や子供が發育するやうに勢ひよく發することとする。
康煕子部
𠂔
《説文解字本文》止也。从𣎵盛而一橫止之也。
《康煕》『廣韻』祖史切『集韻』壯仕切、𠀤音滓。止也。𡛷字第字𠀤从此。
《康煕》○按篆文此字宜从巿。今作𠂔、或作𡉅、皆後人各以己意、變篆爲隷也。𡉅原作十下𠔼。
《音》シ
《訓》とどまる
白川は、標識として木を樹て、これを左右から支へてゐる象、榜示の類をいふとする。
康煕丿部