説文解字私註 宁部
宁部
- 文二
宁
- 説文解字
辨積物也。象形。凡宁之屬皆从宁。
- 康煕字典
- 宀部二劃
『唐韻』直呂切『集韻』『韻會』展呂切、𠀤音佇。『爾雅・釋宮』門屛之閒謂之宁。『禮・曲禮』天子當宁而立。《註》門內屛外、人君視朝所宁立處。
『集韻』通作著。『詩・齊風』俟我于宁乎而。今作著。
『廣韻』直魚切『集韻』『韻會』『正韻』𨻰如切、𠀤音除。義同。
『說文』宁辨積物也。象上隆四周之形。○按積物、與『爾雅』正意相背。『韻會』六麌分註。
- 音
- チョ
- 訓
- たくはへる。たたずむ。
- 解字(白川)
- 物を貯藏する箱の象。蓋をする方形の匵の形。貯の初文。貯はもと、宁の中に貝を加へる字形であつた。卜文に、中に貝を加へる形、金文に戈を加へる形があり、それらの物を收めた。のち貝を加へた貯は、動詞に用ゐる。門宁の義は後起の義とみられる。
- 解字(藤堂)
- 絲を卷いてたくはへる絲卷きの形の象る。また、物を圍つてたくはへる姿と考へても良い。貯、儲の原字。躇に當て、立ち止まる意に用ゐる。のち、佇、竚と書く。
- 解字(落合)
- 貯藏庫の象。中に貝を收めた形は貯。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 甲骨文は羅振玉の解釋による宁字で、物を貯める器具の象といふ。李學勤は、金文を襾、賈の冠と解釋する。
- 傳世文獻では集めて貯めるの意が先にある。他に、佇立の佇として用ゐられる。
門の内、屛の外、天子が立つて政を聽く所を宁といふ。
寧の簡体字を同じ形につくる。
𤲑
- 説文解字
㡒也。所以載盛米。从宁从甾。甾、缶也。
段注は㡒也。所㠯盛米也。从宁𠙹。𠙹、缶也。宁亦聲。
とする。- 康煕字典
- 田部八劃
『廣韻』丁呂切『集韻』陟呂切、𠀤音主。㡒也、所以載盛米者。『博雅』㡒褽𤲑也。𤲑、音陟呂反。