窄 - 漢字私註
康煕字典
- 部・劃數
- 穴部五劃
『廣韻』側伯切『集韻』『韻會』『正韻』側格切、𠀤音責。狹也、迫也、隘也。
音訓
- 音
- サク(漢) 〈『廣韻・入聲・陌・嘖』側伯切〉
- 訓
- せまい。せばめる。すぼめる。
解字
白川
形聲。聲符は乍。乍は木の小枝を強く撓めてすぼめる形。力を加へてものを迫窄するをいふ。窄はすぼまり、せまくなる意。
『廣雅・釋詁二』に陿きなり
、また『玉篇』に迫なり、陿なり
と見える。狹いところに追ひ込められるやうな狀態をいふ。
藤堂
穴と音符乍の會意兼形聲。乍は、作の原字で、人爲的な作爲を加へること。窄は、無理に作爲してぐつと狹めること。
漢字多功能字庫
穴に從ひ乍聲。本義は狹小。甲骨文、金文に見えず、『説文解字』にも見えない。『廣雅・釋詁一』窄、陿也。
『字彙・穴部』窄、狹也。
古代の兵書に基本義で用ゐる。『尉繚子・兵教下』城大而地窄者、必先攻其城。
三國期の碑文でもまた基本義に用ゐる。《西嶽華山亭碑》處所逼窄、屑窣有聲。
近代白話文小說でもまた本義に用ゐる。『水滸全傳』第97回騎一匹恨天低、嫌地窄、千里鳥騅馬。
また動詞に用ゐ、縮小せしむることを表す。唐・柳宗元〈天對〉龍伯負骨、帝尚窄之。
また「窘迫」(非常に苦しい、窮迫してゐる、行き詰まつてゐる)に用ゐる。『玉篇・穴部』窄、迫也。
- 唐宋の詩にこの義に用ゐる。
- 杜甫〈驅薯仔摘蒼耳〉
亂世誅求急、黎民糠籺窄。
- 蘇軾〈雨後行菜圃〉
艱難生理窄、一味敢專饗。
- 杜甫〈驅薯仔摘蒼耳〉
- 明清小說でもまたこの義に用ゐる。
- 『紅樓夢』第80回
你手裡窄、我很知道、我何苦白白兒使你的
。
- 『紅樓夢』第80回
屬性
- 窄
- U+7A84
- JIS: 1-26-85
- 人名用漢字