故實抄録 戲言・獨語 (平成14年)
11月
11月11日 (月)
-
伊賀一國合併に關する私見を申す。
本件につき調べてみればもう名稱の公募は終ってゐたのであった。取り敢へず主だった案と稱して竝べられてゐたものについて論評を試みる。あくまでも支配人の獨斷と偏見であるが、合併協が參考にするのは苦しからず。
【後日註】名張市は結局合併不參加に就き、「伊賀一國」の合併ではなくなつた。以下の論評は名張市の參加を前提としたのでその旨諒承せよ。
- 伊賀市
- ごくごく無難であり、竝べてあつた中では一番増し。
- いが市
- 何故平假名にする必要があるのか不明であり言語道斷。
- 伊賀上野市
- 伊賀と上野を竝べる必然はない。上野だけで用を爲してゐる。では伊賀を省けばいいかと云へば、上野を市名に殘すのは名張市民的に屈辱以外の何者でもないのでいづれにせよ駄目。
- 芭蕉市
- 別に芭蕉だけが伊賀の傑物でもあるまい。馬鹿つぽいので駄目。
- 忍者市、忍市
- まるで知性がない。どこかの市長や市會議員は歴史考證的に胡散臭い忍者のコスプレをして喜んでゐた樣な覺えもあるが、こんな下らない名稱にするのなら、古語動詞「なばる」 (ラ行四段動詞 隱れるの意) に由來する名張をそのまま使ふとか考へたらどうであらう。そつちの方がまだ物知り顏出來るといふものである。
- 伊賀の里市
- 里とつける意圖が不明であるから却下。
- 畿央市
- 伊賀一國で使ふにはしつくり來ない。周邊の他府縣の市町村を巻き込むならありかも知れぬと思ふが。
- 西三重市
- 地域全域にうまく當てはまる地名があるのにわざわざ方角を附けて苦勞する必要はないやらう。そもそも三重といふ地名は廢藩置縣まで勢賀志三國全域を指す地名ではなく、單に伊勢國の一郡の名でしかなく、伊賀とは抑もが無縁の名前である。なにやら官僚的なセンスの名稱やねえといふ附け足しをしておいて、却下。
といふ訣で、結局伊賀市だけが及第。當たり前か。元々伊賀國やものねえ。變な新名稱附けるのは譯がわからず手間なだけでせう。萬が一合併した上氣に入らない名前になつたら、私信には意地でも名張と書き續けて遣ると宣言しておく。行政の馬鹿につき合ふ義理も道理もない。
12月
12月9日 (月)
-
税制改正、毎年毎年小手先に變へても效果があるとは思へない。取り敢へず、取沙汰さるは、大企業に對する外形標準課税、煙草、發泡酒といふ邊りか。實施される年度までは知らんけど。抑も實施されるかも分らんし。
支配人はとつとと所得税の最低額を引き下げるべきと思ふ、と、左翼から睨まれさうな「反動的」なことだけ書いておく。更なる「反動的」なアイデアもあるが、精緻な計算に裏附けられてはゐないので、止めとく。
12月23日 (月) : 天長節
-
平壤政權の餘りに人を舐めた態度は今更なのであるが、よくもあんな眞似が出來るといふものである。御希望通り正義の鐵槌を下すのが慈悲といふものである。哀しいかな本邦にはその實力も度胸もないんやらうけど。
取り敢へず、あんなの承認することも食ひ物を呉れてやることもない。敵に鹽をおくるのは上杉謙信だけで十分である。
それにつけても「正式國名」で呼んで憚らないメディアは一體誰に阿つてゐるのか。不忠の極みである。