説文解字私註 左部

左 手相左助也。从𠂇、工。凡左之屬皆从左。
差 貳也。差不相值也。从左从𠂹。
差 籒文𢀩从二。

補遺

説文解字
字條の註に臣鉉等曰、今俗別作佐。といふ。
康煕字典
人部五劃
『廣韻』則箇切『正韻』子賀切、𠀤左去聲。輔也、貳也。『周禮・天官』以佐王均邦國。『論語註』顏子王佐之才。又『史記・天官書』五星者、天之五佐、見伏有時、盈縮有度。
『集韻』子我切。義同。
たすける。そへる。すすめる(佐食)。うかがふ(佐候)。
解字(白川)
形聲。聲符は。左に佐助の意があり、佐の初文。金文に左を佐の義に用ゐる。
『左傳・昭七年』叔父陟恪、在我先王之左右、以佐事上帝(叔父陟恪して我が先王の左右に在り、以て上帝に佐事せよ)のやうに、もと神事についていふ語であつた。
解字(藤堂)
會意兼形聲。に從ひ、左亦聲。左は工作の際に右手に添へて支へる左手。は物を抱へて庇ふ右手。後、左右の字をひだりみぎの單純な意に專用するやうになつたので、佐佑の字でその動作を表すやうになつた。
解字(落合)
佐助の意のの繁文。
解字(漢字多功能字庫)
に從ひ聲。本義は輔助、幇助。『詩・小雅・六月』王於出征、以佐天子。
金文では君主を輔佐する臣を表す。中山王圓壺或得賢佐。『集韻』佐、輔也。古書に多く佐が輔助者を表すのを見る。『墨子・尚賢』況又有賢良之士、厚乎德行、辯乎言談、博乎道術者乎、此固國家之珍而社稷之佐也。亦必且富之貴之敬之譽之、然後國之良士、亦將可得而衆也。
佐は早期に多く左につくられた。戰國期の中山王圓壺の佐字は加へてに從ふ。
當用漢字・常用漢字