胸 - 漢字私註
説文解字
- 𦙄
- 匈の重文。
匈或从肉。
- 九・勹部
康煕字典
- 部・劃數
- 肉部六劃
『正字通』同胷。
- 部・劃數
- 肉部四劃
『集韻』許容切、音匈。膺也。與胷同。
- 部・劃數
- 肉部六劃
『廣韻』『集韻』『正韻』許容切『韻會』虛容切、𠀤音匈。『說文』膺也。本作匈。『史記・趙世家』黑龍面而鳥噣鬢、麋髭𩑺、大膺大胷。亦作胸。
音訓
- 音
- キョウ(漢)
- 訓
- むね。こころ(胸中)。おもひ。
解字
白川
形聲。聲符は匈。説文解字に匈を正字とし、膺なり
(段注本)と訓ずる。凶は死者の胸部に呪飾として㐅形の文身を加へた形。兇はその人、匈は側身形、胸は胸部をいふ字。膺は恐らく抱擁の雍聲をとる字であらう。
藤堂
もと匈と書く。凶字の凵印が凹んだ穴を表し、㐅印はその中に嵌り込んで交叉して藻搔くことを表す。匈は空洞を外から包んださま。
胸は中に空洞を包み込んだ胸。肺のある胸郭は虛ろな穴である。
漢字多功能字庫
肉に從ひ匈聲。本義は頸部と腹部の間の軀幹の一部分。『周禮・考工記・梓人』以胸鳴者。
唐・溫庭筠〈南歌子〉手裏金鸚鵡、胸前繡鳳凰。
胸はまた心中を表す。晉陸機〈赴洛〉之二憂苦欲何為、纏綿胸與臆。
成語「胸無城府」、「胸無大志」もこの義を用ゐる。
胷は胸と同じく、軀幹の一部分を表す。『字彙・肉部』胷、同胸。
『左傳・僖公二十八年』魏犨傷於胷(胸)、公欲殺之、而愛其材。
胷は文獻でまた前面を表す。『文選・張衡〈南都賦〉』湯谷湧其後、淯水盪其胷(胸)。
劉良注胷謂前也。
屬性
- 胸
- U+80F8
- JIS: 1-22-27
- 當用漢字・常用漢字
- 𦙄
- U+26644
- 胷
- U+80F7