四 - 漢字私註

説文解字

陰數也。象四分之形。凡四之屬皆从四。
十四四部
𦉭
古文四。
亖
籒文四。

康煕字典

部・劃數
囗部二劃
古文
𦉭

『唐韻』『集韻』𠀤息利切、音泗。『說文』囗、四方也。八、別也。囗中八、象四分之形。

又『玉篇』隂數次三也。『正韻』倍二爲四。『易・繫辭』天一地二、天三地四、天五地六、天七地八、天九地十、五位相得而各有合。『又』兩儀生四象、四象生八卦。

又姓。『正字通』宋有四象、慶元閒知汀州府。

又『正字通』今官司文移變四作肆、防詐譌𥨥易、非四之本義也。

又『集韻』息七切、音悉。關中謂四數爲悉。

○按『正字通』云平聲音司、引『樂譜』四五讀司烏、不知此特口變易、非四有司音也。『正字通』誤。

部・劃數
网部二劃

『集韻』、古作𦉭。註詳囗部二畫。

部・劃數
二部二劃

『說文』籀文字。『集韻』關東謂四數爲亖。

音訓

シ(漢、呉) 〈『廣韻・去聲・至・四』息利切〉
よつ。よたび。よも。

解字

古くは橫劃四劃の亖で4を表す。

後に四を假借して4を表す。四はに從ふ字で、の初文。

白川

初文は籀文(亖)の字形が示すやうに四橫劃を重ねた形で、數の四を示す。

四の形は《石鼓文》に至つてはじめて見える。四はの初文を假借して用ゐるもので、口の形に從ふ。

藤堂

古くは一線四本(亖)で示したが、のち四に作る。

四は印(分かれる)の會意で、口から出た息が、ばらばらに分かれることを表し、分散した數のこと。の原字。

落合

初文は亖の形。橫線四本で數の四を表す。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. よつ。《殷墟小屯中村南甲骨》474辛卜、毋侑歳、合七羊四豕。
  2. 四番目。《合集補編》4939癸未卜賓貞、旬亡禍。四月。
四方
東西南北の四方向の神格の總稱。《殷墟小屯中村南甲骨》363丁巳貞、其寧[⿰彳及]于四方、其三犬。
四戈
神名。詳細不明。《合集》8396丙寅卜、求于四戈。
四祖丁
四番目の丁名の王である祖丁の別稱。《合集》35713己巳卜貞、王賓四祖丁奭妣己彡日、亡尤。

と亖の混同を防ぐためであらうが、古文で四の字體が使はれるやうになつた。假借の用法であり、開けた口の象形で、の初文と言はれる。

漢字多功能字庫

甲骨文は橫四劃に從ひ、算木を橫に置く形を象る(補註: 亖の形)。四劃を積んで數となし、本義は四。

早期金文は甲骨文の字形を承ける。春秋以後、四の形に書くものがあり、説文解字の古文の形に近い。學者は四の形はの本字で、口や鼻から息が出る形を象るとする。『方言』呬、息也。同音であるから、四を假借して數の四となし、故に口を加へ字をつくつて四字の本義を表す。

甲骨文、金文では數詞に用ゐ、四を表す。無㠱簋王易(賜)無㠱馬亖(四)匹

屬性

U+56DB
JIS: 1-27-45
當用漢字・常用漢字
𦉭
U+2626D
U+4E96
JIS X 0212: 16-30

関聯字

四聲の字

其の他

大字。