鉗 - 漢字私註
説文解字
- 鉗
以𨮯有所劫束也。从金甘聲。
- 十四・金部
康煕字典
- 部・劃數
- 金部五劃
『唐韻』巨淹切『集韻』『韻會』其淹切、𠀤音箝。『說文』以鐵有所刼束也。从金甘聲。『前漢・高帝紀』自髠鉗爲王家奴。《註》鉗、以鐵束頸也。『後漢・光武紀』弛解鉗衣。《註》倉頡篇曰、鉗、釱也。釱足鉗。又『五行志』廣漢鉗子謀攻牢。『師古註』鉗子、謂鉗徒也。『晉律』鉗重二斤、翹長一尺五寸。『集韻』或作鉆。
又銸也。『後漢・梁冀傳』妻孫壽、性鉗忌。《註》鉗、取也。言性忌害如鉗之能銸物也。
又『揚子・方言』惡也。南楚、凡人殘罵謂之鉗。
又『家語』無取鉗鉗。《註》鉗鉗、妄行不誠也。
又『呂氏春秋』後時者、小莖而麻長、短穗而厚糠小米、鉗而不香。
又澤名。『張衡・南都賦』其陂澤則有鉗盧玉池。
又姓。『正字通』唐元和中長令鉗耳。
又與拑通。『後漢・袁紹傳』道路以目、百辟鉗口。《註》以木銜其口也。或作拑。渠廉反。
又『集韻』其嚴切、音黔。義同。
又『集韻』五甘切、音玵。刃也。
異體字
簡体字。
音訓
- 音
- カン(慣)
- ケム(漢) 〈『廣韻・下平聲・鹽・箝』巨淹切〉
- 訓
- くびかせ。かなばさみ。
解字
白川
形聲。聲符は甘。説文解字に鐵を以て劫束する所有るなり
とあり、首枷をいふ。甘はその枷を施してゐる形。甘、箝、嵌、鉗はみなその聲義を承ける。
藤堂
金と音符甘の會意兼形聲。甘は、口の中に物を含んださまを示す會意字。鉗は、金屬の枠で挾んで物を閉ぢ込めること。
漢字多功能字庫
金に從ひ、甘聲。本義は頸部に嵌める鐵の圈、首枷、古代の刑具の一種。『舊唐書・刑法志』又繫囚之具、有枷、杻、鉗、鎖、皆有長短廣狹之制。
また鐵の圈を首に嵌める刑罰を表す。『史記・季布欒布列傳』迺髡鉗季布、衣褐衣、置廣柳車中。
また強迫を表す。『淮南子・精神』鉗陰陽之和、而迫性命之情、故終身為悲人。
また鉗持、緘禁を表す。(補註: 箝口の意か。) 『莊子・田子方』吾形解而不欲動、口鉗而不欲言。
また夾取(摑む、挾む、抓むの意か)を指す。『漢書・江充傳』燒鐵鉗灼、強服之。
顏師古注以燒鐵或鉗之、或灼之。鉗、鑷也。
また物を挾む道具を指す。唐・柳宗元〈乞巧文〉膠加鉗夾、誓死無遷。
屬性
- 鉗
- U+9257
- JIS: 1-78-73
- 钳
- U+94B3