牛 - 漢字私註
説文解字
大牲也。牛、件也。件、事理也。象角頭三、封㞑之形。凡牛之屬皆从牛。
- 二・牛部
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『唐韻』語求切『集韻』魚尤切『韻會』疑尤切、𠀤𪙊平聲。『說文』大牲也。牛、件也。件、事理也。象角頭三封尾之形。《註》徐鍇曰、件、若言物一件二件也。封、高起也。『玉篇』黃帝服牛乗馬。『易・无妄』或繫之牛。又『說卦』坤爲子母牛。『禮・曲禮』凡祭宗廟之禮、牛曰一元大武。又『月令』出土牛、以送寒氣。《疏》月建丑、土能克水、故作土牛、以畢送寒氣也。
又樹化牛。『玄中記』千年樹精、化爲靑牛。始皇伐大樹、有靑牛躍出入水。
又官名。『周禮・地官』牛人、掌養國之公牛、以待國之政令。
又牽牛、宿名。『爾雅・釋天』星紀、斗牽牛也。《註》牽牛斗者、日月五星之所終始、故謂之星紀。
又天牛、蟲名。一曰天水牛。『爾雅・釋蟲』蠰齧桑註似天牛。
又紫金牛、藥名。見『本草綱目』。
又姓。『廣韻』微子裔、司𡨥牛父、子孫以王父字爲氏。『風俗通』漢有牛崇。
又人名。『史記・虞舜紀』瞽瞍父曰橋牛。
又叶音疑。『詩・小雅』我任我輦、我車我牛。叶下哉。哉讀將黎反。
音訓
- 音
- ギウ(漢) 〈『廣韻・下平聲・尤・牛』語求切〉
- ゴ(慣)
- 訓
- うし
解字
白川
象形。牛を正面から見た形。羊も同じ意象の字。
『説文解字』に大牲なり
とし、角頭三、封、尾の形に象る
といふ。封とは肩甲墳起のところ。あるいは腰骨の形としても良い。
牛は犧牲の首たるもので、神事に供するときには一元大武といふ。武は足。盟誓のときにその血を用ゐる。主盟のことを「牛耳を執る」といふ。その半肉を半、その肉を胖かといふ。
西周期の《㸓鼎》は高さ二尺、深さ九寸、銘文四百四字に及ぶ大鼎で、「䵼牛鼎」(牛を䵼る鼎)と稱してゐる。
藤堂
象形。牛の頭部を描いたもの。
落合
牛の頭部の象形。甲骨文の左右の上に突き出た部分が角、下部にある短い斜線が目か耳であらう。その他の部分は一本の縱線に簡略化されてゐる。
甲骨文での用義は次のとほり。
- うし。《合集補編》100
來辛亥、燎于王亥三十牛。
- 祭祀名。神に牛を捧げること。《殷墟花園莊東地甲骨》113
叀三牛于妣庚。
甲骨文の要素としては、牛に對する行爲を表すほか、牧畜や祭祀に關係する字に使はれてゐる。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、牛頭に象る。牛角は彎曲してゐる。商代金文は牛角、耳、目、鼻を全て具へてゐる。
甲骨文、金文では牛を表す。友簋易(賜)牛三
。金文ではまた人名に用ゐる。
屬性
- 牛
- U+725B
- JIS: 1-21-77
- 當用漢字・常用漢字
関聯字
牛に從ふ字を漢字私註部別一覽・牛部に蒐める。