趨 - 漢字私註
説文解字
走也。从走芻聲。
- 二・走部
康煕字典
- 部・劃數
- 走部十劃
『廣韻』七逾切『集韻』『韻會』『正韻』逡須切、𠀤取平聲。『說文』走也。『博雅』行也。『釋名』疾行曰趨。趨、赴也、赴所至也。『詩・齊風』巧趨蹌兮。《疏》趨、今之捷步。『禮・曲禮』帷薄之外不趨。《註》行而張足曰趨。『爾雅・釋宮』門外謂之趨。『古今注』吳趨行、吳人以歌其地。陸機『吳趨行』曰、聽我歌吳趨。趨、步也。
又樹名。『齊民要術』自餘雜木、䑕耳、䖟趨各其時。
又『集韻』趨玉切。同促。『禮・樂記』衞音趨數煩志。《註》趨數、讀爲促速。又『祭義』其行也趨趨以數。『前漢・高帝紀』令趨銷印。《註》師古曰、趨、讀曰促。促、速也。
又與趣同。『禮・月令』乃命有司趣民收斂。『釋文』趣、本又作趨、音促。
又『史記・天官書』其趨舍而前曰嬴。《註》索隱曰、趨音聚、謂促也。
又『集韻』逡遇切、音覻。行之速也。
又此苟切、音㔌。趣馬、或作趨馬。
又『集韻』『類篇』𠀤千句切、音娶。行也、速也。『詩・齊風』巧趨蹌兮。『釋文』又七遇反。
又『韻補』叶雌由切。『易林』車馳人趨、卷甲相仇。
『五經文字』趨从芻、作多者訛。『廣韻』俗作趍。趍本音池。『集韻』或作𨃘。
異體字
簡体字。
音訓
- 音
- (1) スウ(慣) シュ(漢) ス(呉) 〈『廣韻・上平聲・虞・趨』七逾切〉
- (2) ショク(漢) ソク(呉) 〈『集韻』趨玉切〉
- 訓
- (1) はしる。おもむく。
- (2) うながす。すみやかに。
解字
白川
形聲。聲符は芻。
説文解字に走るなり
とあり、走字條に趨るなり
とあつて互訓。
『禮記・曲禮上・注』に足を張るを趨と曰ふ
とあり、儀禮のとき、步より大股に步く。尊者に道を讓るとき、小走りする步き方である。本邦の神事の際の「わしる」に當たると見て良い。
藤堂
走と芻の會意兼形聲。芻は、牧草をぐつと縮めて束ねたもの。趨は、間を縮めてさつさと行くこと。
漢字多功能字庫
走に從ひ芻聲。本義は小さな步幅で早足に行くこと。『釋名・釋姿容』疾行曰趨、趨、赴也、赴所至也。
- 『春秋公羊傳・桓公二年』
殤公知孔父死、己必死、趨而救之、皆死焉。
- 『孟子・公孫丑上』
其子趨而往視之、苗則槁矣。
古代、小さな步幅で早足に行くことは恭敬の意を表した。『禮記・曲禮上』遭先生於道、趨而進、正立拱手。
孔穎達疏遭、逢也。趨、疾也。拱手見師而起敬、故疾趨而進就之也。
- 『國語・周語』
吾三逐楚軍之卒、勇也。見其君必下而趨、禮也。能獲鄭伯而赦之、仁也。
ある方向に突き進むこと、向かふことを表す。『孫子兵法・虛實』夫兵形象水、水之形避高而趨下、兵之形避實而擊虛。
賴ること、從屬することを表す。『戰國策・燕策一』王誠博選國中之賢者、而朝其門下、天下聞王朝其賢臣、天下之士必趨於燕矣。
追ひ掛けること、追ひ附くことを表す。
- 『呂氏春秋・必己』
於是相與趨之、行三十里、及而殺之。
高誘注趨、逐。
- 『史記・太史公自序』
維幣之行、以通農商。其極則玩巧、并兼茲殖、爭於機利、去本趨末、作『平準書』以觀事變、第八。
追求、志趣(關心、趣味、興味)を表す。
- 『孟子・告子下』
三子者不同道、其趨一也。
- 『漢書・司馬遷傳』
人固有一死、死有重於泰山、或輕於鴻毛、用之所趨異也。
促と通じ、急速、快速を表す。『莊子・徐無鬼』王命相者趨射之、狙執死。
陸德明釋文趨射、音促、急也。
また促すことを表す。『荀子・王制』勸教化、趨孝弟。
楊倞注「「趨之使敦孝弟。趨讀為促。」 」
屬性
- 趨
- U+8DA8
- JIS: 1-31-86
- 趋
- U+8D8B