盈 - 漢字私註
説文解字
滿器也。从皿、夃。
- 五・皿部
康煕字典
- 部・劃數
- 皿部四劃
『唐韻』以成切『集韻』『韻會』怡成切『正韻』餘輕切、𠀤音嬴。『說文』滿器也。『博雅』滿也、充也。『易・豐彖』天地盈虛、與時消息。『詩・齊風』雞旣鳴矣、朝旣盈矣。『左傳・莊十年』彼竭我盈、故克之。『禮・禮運』月生三五而盈、三五而闕。又『祭義』樂主其盈。《註》猶溢也。
又『揚子・方言』魏盈、怒也。燕之外郊、朝鮮冽水之閒、凡言呵叱者、謂之魏盈。
又國名。『山海經』大荒南有盈民之國。
又州名。『唐書・地理志』諸蠻有盈州。
又姓。晉欒盈之後。
又古通作嬴。『正韻』盈縮、過曰盈、不及曰縮。『史記・蔡澤傳』進退盈縮。『天官書』作嬴縮。『古詩』盈盈樓上女。《註》盈同嬴、容也。
又叶與章切、音陽。『張籍・祭韓愈詩』新亭成未登、閉在莊西廂。書札與詩文、重疊我笥盈。
『說文徐註』夃、古乎切、益多之義也。古者以買物多得爲夃、故从夃。買物多得當爲夃字。
音訓
- 音
- エイ (漢) 〈『廣韻・下平聲・清・盈』以成切〉
- 訓
- みちる。みたす。あふれる。あまる。
解字
白川
夃と皿の會意。
説文解字に器に滿つるなり
とするが、器に滿つるものが何であるかを説くところがない。説文解字は夃を益多の義としてゐる。
『慧琳音義』に引く説文解字に、盈を夃聲とするが、聲義ともに合はない。
夃は人の坐して、膝の盛り上がる盈滿の象。皿は盥盤の形。その中に坐して浴し、太腿が溢れるやうな形で盛り上がる。ゆゑに盈滿の意となる。
藤堂
皿と夃(一杯になつて垂れる)の會意。
漢字多功能字庫
夃と皿に從ふ。夃の原因は不明。趙平安は、夃は買賣(商賣)の假借義で參與するとする。盈の本義は充滿、盛滿。
- 『詩・周南・卷耳』
采采卷耳、不盈頃筐。
- 『左傳・莊公十年』
夫戰、勇氣也。一鼓作氣、再而衰、三而竭。彼竭我盈、故克之。
盈は圓滿を表す。
- 『禮記・禮運』
是以三五而盈、三五而闕。
- 『淮南子・道應』
夫物盛而衰、樂極則悲、日中而移、月盈而虧。
盈は滿足を表す。
- 『國語・周語』
若貪陵之人來而盈其願、是賞不善也、且財不給。
- 『荀子・大略』
盈其欲而不愆其止。
盈は增加、增長を表す。
- 『戰國策・秦策三』
物盛則衰、天之常數也。進退、盈縮、變化、聖人之常道也。
- 『文選・張平子・東京賦』
土圭測景、不縮不盈。
薛綜曰縮、短也。盈、長也。
盈は溢出を表す。
- 『易・習坎』
水流而不盈。
また多於(より多い)、超えることを表す。
- 南朝宋・鮑照〈苦熱行〉
丹蛇踰百尺、玄蜂盈十圍。
盈は自滿(自己滿足)、驕傲を表す。
- 『易・謙』
人道惡盈而好謙。
孔穎達疏盈溢驕慢、皆以惡之。謙退恭巽、悉皆好之。
- 三國魏・曹植〈責躬〉
伊余小子、恃寵驕盈。
盈は豐滿、飽滿を表す。
- 『文選・宋玉・神女賦』
貌豐盈以莊姝兮、苞溫潤之玉顏。
李善注豐盈、肥滿也。
- 『國語・鄭語』
惡角犀豐盈、而近頑童窮固。
韋昭注豐盈、謂頰輔豐滿。
屬性
- 盈
- U+76C8
- JIS: 1-17-46
關聯字
盈聲の字
- 楹
- 䋼