瞻 - 漢字私註
説文解字
臨視也。从目詹聲。
- 四・目部
説文解字注
臨視也。『釋詁』『毛傳』皆曰、瞻、視也。許別之云臨視。今人謂仰視曰瞻。此古今義不同也。从目詹聲。職廉切。八部。
康煕字典
- 部・劃數
- 目部十三劃
『唐韻』職廉切『集韻』『韻會』『正韻』之廉切、𠀤音詹。『說文』臨視也。『韻會』仰視曰瞻。『詩・邶風』瞻彼日月。『禮・曲禮』視瞻無回。
又官名。『魏書・官氏志』有瞻人郞。
又國名。『唐書・南蠻傳』瞻博、或曰瞻婆、北距兢伽河。
又山水名。『山海經』有瞻諸山。又瞻水、出婁涿山、東流注於洛。
又姓。『正字通』元有瞻思、通經學。
又通作詹。『史記・周本紀』顧詹有河。
又『集韻』章豔切、詹去聲。視也。
又叶側姜切、音章。『詩・大雅』維此惠君、民入所瞻。秉心宣猶、考愼其相。相平聲。
又叶側銜切、斬平聲。『詩・小雅』節彼南山、維石巖巖。赫赫師尹、民具爾瞻。
音訓
- 音
- セム(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・鹽・詹』職廉切〉[zhān]{zim1}
- 訓
- みる
解字
白川
形聲。聲符は詹。
『説文解字』に臨み視るなり
とあり、瞻仰、瞻望など、遠く遙かに望み、また見めぐらす意がある。
『詩・衞風・淇奧』瞻彼淇奧、綠竹猗猗。
(彼の淇奧を瞻るに、綠竹猗猗たり)と青く茂る竹を視るといふ祝頌の發想は、『萬葉集』の「〜見る」「見れど飽かぬ」といふ魂振りの發想と同質のもの。『詩』では「瞻彼〜」といふ定型の發想をとる。
藤堂
目と音符詹(持ち上げる)の會意兼形聲で、目を持ち上げて見ること。
漢字多功能字庫
戰國秦印と小篆の形は相同じく、目に從ひ詹聲。戰國楚系文字は見に從ふ。目と見は義の近い形符。『説文解字』は本義を臨視とする。段注に『釋詁』『毛傳』皆曰、瞻、視也。許別之云臨視。今人謂仰視曰瞻、此古今義不同也。
といふ。古書に多く瞻を以て前方あるいは上方を見ることを表す。
- 『詩・邶風・雄雉』
瞻彼日月、悠悠我思。
- 『論語・子罕』
瞻之在前、忽焉在後。
派生して觀察を表す。『爾雅・釋詁下』瞻、視也。
郭璞注謂察視也。
- 『禮記・月令』
瞻肥瘠、察物色。
- 『文選・何平叔・景福殿賦』
瞻貴賤之所在、悟政刑之夷陂。
また敬視、尊仰を表す。
- 《郭店簡・緇衣》簡16
《寺(詩)》員(云)「虩=(赫赫)帀(師)尹、民具尔瞻。
今本『詩・小雅・節南山』は赫赫師尹、民具爾瞻。
に作る。 - 『漢書・何武王嘉師丹傳』
京師識者咸以為宜復丹邑爵、使奉朝請、四方所瞻卬也。
屬性
- 瞻
- U+77BB
- JIS: 1-66-61