叩 - 漢字私註
康煕字典
- 部・劃數
- 口部二劃
『集韻』『韻會』『正韻』𠀤丘𠋫切、音𡨥。『玉篇』叩、擊也。『禮・學記』叩之以小者、則小鳴。叩之以大者、則大鳴。『論語』以杖叩其脛。『公羊傳・僖十九年』其用之社奈何、蓋叩其鼻以血社也。『史記・秦始皇紀』叩關而攻秦。
又『集韻』以手至首也。『正字通』稽顙曰叩首。『前漢・李陵傳』叩頭自請。
又『韻會』問也、發也。『論語』我叩其兩端而竭焉。《疏》叩、發動也。
又『廣韻』『正韻』苦后切『集韻』『韻會』去厚切、𠀤音口。『廣韻』叩頭。
又『正韻』問也。本作𧥣。
又『廣韻』與扣同。亦擊也。
又叶孔五切、音苦。『韓愈・元和聖德詩』取之江中、枷脰械手。婦女纍纍、啼哭拜叩。手音暑。
音訓
- 音
- コウ(漢) 〈『集韻』丘𠋫切、音𡨥、去聲〉[kòu]{kau3}
- 〈『廣韻・上聲・厚・口』苦后切〉
- 訓
- たたく。たづねる。とふ(叩問)。ひかへる。
解字
白川
口と卩の會意。口は臺の形。卩は人の伏する形で、叩頭の意であらう。
周の武王が殷の紂王を伐つとき、伯夷、叔齊が馬を叩へて
諫めた話が『史記・伯夷傳』に見える。伯夷は周と通婚關係にあつた姜姓諸族の祖神。
藤堂
卩(人の跪いた姿)と音符口の形聲。卩印は人の動作を示す。扣と通用する。
落合
亡失字
甲骨文に、器物の象形の口に坐つた人である卩が向かふ形の字があるが、亡失字。
第一期(武丁代)に人名に用ゐる。《合集》21052癸酉卜貞、万叩骨盤有疾。十二月。
現用字
隸書で卩を意符、口を聲符とする先述亡失字と同形の形聲字が作られた。
漢字多功能字庫
卩に從ひ口聲。卩は跪坐する人の形に象る。字はあるいは叩問(尋ねる、意見を聞く)と關係がある。現在また多く叩問あるいは叩首の叩に用ゐる。本義不詳、一説に扣擊の意。『玉篇』叩、叩擊也。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 方國名に用ゐる。『合集』1060
王隻(獲)叩。
- 人名に用ゐる。『屯南』1239
乎(呼)叩。
傳世文獻での用義は次のとほり。
- 叩擊を指す。
- 『論語・憲問』
以杖叩其脛。
- 『禮記・學記』
善待問者如撞鐘、叩之以小者則小鳴、叩之以大者則大鳴。
- 『論語・憲問』
- 叩問の叩に用ゐる。『集韻・厚韻』
𧥣、或作叩。
『洪武正韻・有韻』叩、問也、亦作𧥣。
- 『論語・子罕』
我叩其兩端而竭焉。
何晏注引孔安國云我則發事之終始兩端以語之。
邢昺疏叩、發動也。
- 『論語・子罕』
- 叩頭を指し、禮を行ふときに首を俯せて地に到るの意。『廣韻・厚韻』
叩、叩頭。
- 『史記・田叔列傳』
叔叩頭對曰、是乃孟舒所以為長者也。
- 『史記・田叔列傳』
屬性
- 叩
- U+53E9
- JIS: 1-35-1