冖 - 漢字私註
説文解字
覆也。从一下垂也。凡冂之屬皆从冂。臣鉉等曰、今俗作冪、同。莫狄切。
- 七・冖部
説文解字注
覆也。覆者、葢也。从一下𠂹。一者所以覆之也。覆之則四面下垂。『廣韵』引『文字音義』云、以巾覆、从一下垂。莫狄切。十六部。按冥下曰冖聲。鼏亦冖聲。則亦在十一部。支耕之合也。凡冖之屬皆从冖。
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『唐韻』『集韻』𠀤莫狄切、音覓。『說文』覆也。从一下垂。『玉篇』以巾覆物。『同文舉要』象布幕下覆。『正字通』今作羃、楷作冪。小篆从巾作幎。
廣韻
- 四聲・韻・小韻
- 入聲・錫・覓
- 反切
- 莫狄切
『文字音義』云、以巾覆、從一下垂。
音訓
- 音
- ベキ(漢) 〈『廣韻・入聲・錫・覓』莫狄切〉[mì]{mik6}
- 訓
- おほふ
解字
白川
象形。上から深く覆ふ形。
『説文解字』に覆ふなり。一の下垂するに從ふ。
とあり、兩邊が下垂して全體を覆ふ形となる。
『玉篇』に巾を以て物を覆ふ
とし、今の冪の字であるといふ。
のち冪の字を用ゐる。
藤堂
指示。被せる、覆ひ隱すさまを示す。冪、幎などの原字。
落合
字源には諸説あるが、牢の初文では家畜を飼ふ圍ひであり、出産を意味する娩の初文では女性の胎内を表してゐる。從つて、特定の物體ではなく、取り圍む構造の一般形と考へられる。
【補註】落合が冖とする甲骨文の部分字(牢や泉がこれに從ふ)が、現用の冖字と同じ字か否か、判斷不能。
屬性
- 冖
- U+5196
- JIS: 1-49-44
- 冂
- 別字衝突
- U+5182
- JIS: 1-49-36
關聯字
冖に從ふ字
漢字私註部別一覽・冖部に蒐める。
其の他
- 冂
- 同形異字。あるいは冋、坰に作る。