穴拔け日記 (平成18年2月)
2月28日 (火)
暦日天候地象
舊暦如月朔日。
世間
寬仁親王殿下には手術を受けられた由。術後の經過も順調とのこと。お早い御快癒を願ふものである。
今般の民主黨のゴタゴタは、相も變はらぬ喧嘩の下手さ加減を露呈し、國政を頼むに心許ない印象を抱かせるのみで終つた感あり。これでは何時まで經つても政權を獲れやしないだらう。
綜務省が日本ブログ協會(【後日註】サイト消滅)なるものを設立。役所が何かする必要性が感じられないのだが、如何。
地方制度調査會が、道洲制導入が適當であるとし、道洲の區割り案3案を例示した答申を宰相に提出した由。
元農水相勳一等加藤六月氏が逝去。享年79。お悔やみ申し上げます。(【後日註】28日附で正三位。)
2月27日 (月)
私事・獨語
卒論發表とて學部のある別キャンパスに。發表の合間に暇な時間が出來たので生協で買ひ物をしたり等々。終つた後は打ち上げに行つたが、行ける口と見た4年生に注いでやつたら注ぎ返されてつぶし合ひみたくなり、結局ノックアウトされて後輩の家に厄介になるといふ情けなき有り樣。
購入
Karl von Clausewitz『戦争論』。
2月26日 (日)
私事・獨語
週末は諸々あつて實家に。往復の途中で日本橋に寄つたが、久々に電子部品なんかを見たりした。學部の時の實驗が懷かしいとか思つてみたり。
2月24日 (金)
私事・獨語
一度バグと挌鬪し始めたら、ある程度ケリがつくまでやる羽目になり、結果歸りが遲くなつてもう嫌や、と思ふのである。しかし、バグを潰したときのカタルシスは他に代へ難いもので、それもあつてプログラミングを止めることは不可能だと思ふのであるから、終つてゐる。
世間
宮内廳は、秋篠宮妃殿下の御懷妊を正式に發表。
トリノ五輪のフィギュアスケート女子で、荒川静香が金メダルを獲得。今囘の五輪は何とも調子外れな感じばかりしてゐただけに、安堵したといふか何といふか。
2月23日 (木)
私事・獨語
このところ、論文を書くために實驗をせねばならず、實驗をするために入力データをつくつてゐたのだが、一應出來たと思つてプログラムに入力したら、ある程度他人の手でもテストされてゐた筈のプログラムからバグがぞろぞろ。入力データの方に瑕疵があつたのだが、それをチェックする論理を入れてなかつた過去の俺が惡いのでなんとも。おかげで歸宅が大分遲れた上、データに未だ足らないところがあることまで發覺したとさ。ガックシ。
世間
東宮殿下には御誕生日をお迎へになり、御歳46となられた由。
東京地裁は日本赤軍元最高幹部重信某に懲役20年の判決。
DD132 あさゆき(はつゆき型11番艦; 佐世保地方隊第25護衞隊所屬)で、亂數表などの祕密情報が流出するといふ不祥事。極祕情報や機密情報の流出は確認されていないらしいが、兵法の基礎中の基礎に悖る愚行であり、言語道斷。
科學・技術: 冥王星の衞星新發見についてNatureに發表
昨年10月31日に發表された、冥王星の新たな衞星2つの發見について、23日付Natureに論文が掲載された。
2月22日 (水)
世間
今日は「竹島の日」である由。で、式典に外相や農水相が招待されたらしいが、缺席した模樣。
科學・技術: M-Vロケット8號機打ち上げ成功
JAXAは、6時28分、赤外線天文衞星ASTRO-Fを搭載したM-Vロケット8号機を打ち上げた。ASTRO-Fは無事に豫定軌道に投入され、打ち上げ成功。結構なことである。
なほ、ASTRO-Fは、「あかり」と命名された。
2月21日 (火)
私事・獨語
卒論發表の練習を個別にやつたのだが、そのときに俺のノートPCを貸したら、ATOKのローマ字入力設定を弄つてゐたがために、練習者が資料を修正しようとしたときに途惑ふといふ出來事が。因みに、入れようとしたのは「うぃ」か「うぇ」で、デフォルトでは「wi」「we」が對應してゐると思ふのだが、支配人設定では「wi」は「ゐ」、「we」は「ゑ」となり、「whi」が「うぃ」、「whe」が「うぇ」になる。
世間
我等が支那に惡感情を抱くのを非とするなら、まづは自ら省みて恥ぢるがよい。我等は反支那デモを大掛りに北京政府の駐日大使館前でやつたこともないし、ましてや投石などして大使館を損壞したことなど皆無である。このやうな連中に、靖國神社云々言はれるのは笑止であり、まともに相手をする氣にすらならない。支那に出掛けた與黨の連中も、言ひ訣じみたことを言ふのではなく、堂々と相手の非を論へばいいのである。腰拔け腰碎けの役立たずどもが。
任天堂相談役の山内溥氏が京大に70億圓寄附して大學病院の新病棟が建つことになつたさうで。
2月20日 (月)
世間
東京高裁の鑑定依頼を受けた醫師が、テロ教團首魁の松本某に訴訟能力ありとする精神鑑定結果を提出した模樣。これでこれ以上の訴訟引き延し戰術は使へなくなつた。つふか、あんなの生かしておいて何の價値があるといふのか。さつさと吊してやるのが寧ろ慈悲といふものではあるまいか。
2月19日 (日) : 雨水
暦日天候地象
雨水 (4時26分)。
私事・獨語
朝は色々見たり聞いたり讀んだり。
午過ぎから少し午睡を取る。でもまだ眠い。
起きた後は色々讀んだり書いたり。
どうでもいい話だが、このサイトの題材が、俺の無節操さを體現するかのやうにチャンポンになつてゐるのを、もう少し綺麗に整頓出來ないものかと思案してみたり。多分、全部に興味のある人間は餘りゐない。
勇者、待てども來ず (5)
惡魔ビューネが魔王サタネル十一世の直々の命を受け、意氣揚々と勇者打倒に出掛けて一週間が經過した。この間も、魔王のもとには、各地の城砦や洞窟に配置した惡魔の指揮官達が次々と襲はれては斃されたり、捕へられたり、降參して捕虜になつたり、逃亡して行方不明になつたといふ報告が次々と上がつて來てゐた。
「全く、どいつもこいつも役立たずめ。まだ鬪つた者はよい。敵に膝を屈したり、あまつさへ逃げ出したりなどと、惡魔も隨分情けなくなつたものだ」
自分は頑強な城に閉ぢこもつてゐる魔王がこんなことを言ふのも妙な話であるが、彼自身は矛盾とは思つてゐない。彼の頭の中では、魔王たるものは城から動かず、部下に指示して世界征服をするのが正しい魔王の在り方といふことになつてゐて、自分から何處かに出掛けて、まして鬪ふなどといふ發想はこれつぽつちもなかつた。
しかし、魔王本人はそれでいいかも知れなかつたが、側近や、いづれ勇者と鬪ふ羽目になるかもしれない幹部連中は、ことをそんなに簡單に考へてなどゐられなかつた。生き殘る爲には、勇者に死んで貰ふか、魔王に世界征服などといふ無茶無謀をやめて貰ふかのどちらかしかない。後者は今のところ期待薄なので、取り敢へず前者について、打てる手を考へることにした。
「まづ、クローケルが殺られた件だが、報告書を見る限り、羂に掛かつたといふのが實像だらうな」
「うむ。相手は間違ひなく魔法陣を豫め用意して、勇者を餌にクローケルを誘き出したと考へるのが妥當だらう」
「さうなると、勇者よりも寧ろ勇者の連れてゐる魔道士の方が問題になりさうだな」
集まつた惡魔達は、アレス、クロード、カテリナの資料を用意して、クローケル殺害の一件について意見を述べ合ひ、三人の能力について分析を始めた。そして、夕刻までだらだらとしたお喋りを續けた末、一應の結論を出した。
「勇者アレスはそんなに大したものではない。問題は殘る二人だ」
「まづ間違ひなくクロード・エッセルが最大の脅威だ。奴の魔術に關する見識は相當と聞き及ぶし、過去にカディール國内の魔物叛亂事件を擔當し鎭壓した實績もある」
「カテリナとかいふ小娘は不明な點が多いが、老齡のエッセル博士の助手といふところだらう。一人前の魔道士としては若すぎる」
「といふことで、我々としては、勇者の首を取る前に、脅威の根源であるエッセル博士の命を頂戴することとしたい」
「異議なし」
肝腎の、クロードをどのやうに始末するかは、翌日に討議することにして、面々はそれぞれの住處に歸つてゐつた。
翌日、再び集まつてクロードの始末について話し合つてゐた面々のところに、魔王の使者がやつて來た。
「大魔王樣からの命令です。方々には至急お城に參集致されたく」
面々は訝りながらも連れ立つて魔王の城に登城した。
惡魔達が魔王の城に集まると、そこには、怒りで顏を引きつらせた魔王サタネル十一世と、先日魔王の命令で勇者を斃しに行つたビューネの冰漬けの首があつた。
「大魔王樣、これは」
「見たら分るであらう。ビューネの首ぞ。勇者の奴め、憎たらしくもビューネを殺すだけでは飽き足らず、罵詈雜言を冰に書いて送り附けて來やがつた」
一同がよく見ると、ビューネの首を覆ふ冰には、確かに莫迦だの間拔けだの阿呆だのといふ文字が、ご丁寧に彫り込まれてゐた。
(多分續く)
2月18日 (土)
私事・獨語
休日なのにミーティング。疲れた。眠い。寢たい。
取り敢へず、終つた後、一寸雜誌を買ひに行つたら目的物の他に餘計なものまで。某雜誌に、うちの Boss が寄稿してゐるとか、玩具になりさうな基盤がオマケで附いてるとかいふので買ひに行つたのだが、基盤で遊ぶには、日本橋あたりで電子部品をあれこれ買ふ必要がありさうで、財政難が更に酷くなる豫感。
科學・技術: H-IIA9號機打ち上げ成功
JAXAは15時27分、MTSAT-2を搭載したH-IIAロケット9號機を打ち上げた。發射後約28分後にMTSAT-2を分離、靜止トランスファー軌道に投入し、打ち上げは成功した由。
2月17日 (金)
私事・獨語
修論發表會、とはいへ俺が發表した訣ではないが。聞くだけでも何かとても疲れた。修論發練週間が終つたので、來週は卒論發練週間である。これまたハードな豫感。
2月16日 (木)
私事・獨語
昨日は修論發練二囘囘しで歸宅後即ダウン。今日は午后から一囘でまだ餘裕はあるが、それでも何か疲れた感じ。別に俺が練習してゐる訣ではなく、練習してゐるのを聞いて、議論に首を突つ込んでゐるだけではあるが。ここ毎年この時期は似た樣なことばかり書いてゐる氣がせでもなし。
取り敢へず自分のことも色々せねばならんのでスケジューリングが大變といふか何といふか。
2月14日 (火) : St. Valentine's Day
覺書: Monaを弄る その2
0.3系をmakeして……といふ部分で躓く。あれやこれやしてやうやく何か出來たけど、FDD image ではなくて CD の ISO イメージなのね。
でも矢張キー入力でをかしいところがちらほら。既にパッケージ化されてゐたisoイメージと自分でmakeしたisoイメージで微妙に擧動が異なるから更に嫌になる。
そこにばかり拘つてゐたらちいとも先に進まないから、取り敢へず放つておかうと思つたところで、もう今日は遣る氣なし。
世間
トリノ五輪がどうなつてゐるのかがさつぱり分らない。かういふのを流行遲れとか言ふのだらうけど。何を今更。
東宮殿下にはさいたま市に行啓、江戸期につくられた運河を御覽あそばした由。
寬仁親王殿下には、御不例につき17日に入院、20日に手術とのこと。御快癒を心より願ふものであります。
宰相が公務員削減の骨を拔かないと仰せになつたからには、まづ、「先生」方が範を垂れるのが筋であらう。人數合はせより、事業の無駄を削るのが先決で、效き目もあると思ふのだがねえ。官僚は、心根は兔も角、頭はいい連中ばかりの筈なのだから、安易に首を切らずに適切な仕事を與へれば、適切に處理すると思ふのだが、甘いか。
2月13日 (月)
覺書: Monaを弄る その1
折角入れたので、暫くMonaで遊んでみようと考へた。で、取り敢へずエディタの類すらなささうなので、ラインエディタ位つくつてみようかと思つたのだが……。標準入力もあるのかどうか怪しい。調べても埒が明かないので、メッセージループ囘してキーダウンを取得したりして、取り敢へずキー入力を出力するやうなコードを書いたりしてゐた。無論歸宅後。
それで氣附いたのだが、一部の記號のキー配置が明かにをかしいやうに思ふ。Keys.cpp のマップ配列が間違つてゐる氣もするし、そもそも押しても效かないキーがあるのがなんともかんとも。因みにバージョンは0.2.2。
0.3系だと直つてゐるのか? そもそも俺のノートのキー配置がをかしいのか? エミュレータ (因みにQemuを使用) か? と、ここに書いてゐて關係者の誰かが氣附くのかしら、そもそも。
2月12日 (日)
私事・獨語
家でダラダラと。新しくしてみたことと言へば、Mona本買つたまま何もしてゐなかつたので、取り敢へずノートに入れて動かしてみた位。
勇者、待てども來ず (4)
カテリナの發動した魔法陣の中央には紅蓮の炎が渦を卷き、やがて大きな深紅の蜥蜴が姿を見せた。サラマンダーと稱される精靈の一種である。
「我ガ領域ヲ侵スモノ、皆、灰トナルガヨイ」
火の蜥蜴は抑揚なく言ひ放つと、背に羽根を生やし、上空に舞つた。そして、全身から紅い光を發した。魔法陣の中の魔物達はその光を浴びて次々と燒かれ、灰燼と歸して行つた。クローケルも光を浴びたが、なんとか耐へ、地面に落ちはしたが命だけは辛うじて保つた。
やがて光が消えたとき、それを發してゐた蜥蜴の姿も消えてゐた。魔法陣の内側には、獨りクローケルが倒れてゐるのみである。
そこに近づいたのは、惡魔殺しの短劍を手にしたカテリナであつた。
「さすが大惡魔クローケルといふべきかしら。まさかあたしの火蜥蜴召喚に耐へきるなんてね」
「小娘、自惚れるなよ。惡魔の力を思ひ知らせてくれる」
「遠慮しておくわ。惡いけど、ここらで死んで頂戴」
なんとか立ち上がつたクローケルの胸部を、カテリナは遠慮も會釋もなしに、いきなり短劍で突き刺し、抉つた。惡魔殺しの名に恥ぢず、短劍はクローケルの肉體と共に魔力をも斷ち切り、絶命に追ひ遣つた。
魔王サタネル十一世は、クローケルが斃されたといふ報告書に目を通すと、顏を眞つ赤にして肩を振はせ、目を見開き、報告書を握り潰した。
「おのれ勇者め、予の可愛い部下をよくも」
魔王は、そもそもの原因が全て自分にあることは棚に上げて、いよいよ勇者に對する對抗意識を燃やした。
「大魔王様、かくなる上は御自ら勇者を御討伐なさいませ」
側近が進言したが、魔王はそれを退けた。魔王の思ひ込みでは、あくまで勇者が魔王の根城までやつて來るといふのがお約束であつたからである。
「そのやうな魔王たるにふさわしくないことが出來るか。勇者と雖も人間だ。人間を斃すのに魔王たる予がわざわざ出掛けるなど、あり得ぬ」
「しかし、このままでは奴らが次々と御家來衆を斃してしまふやもしれませぬ」
「ううむ、それは完全に否定できんな」
魔王は腕組みをして考へ込んだ。しばらく考へた後、側近に指示を出した。
「城に勇者が來ても予の所まで容易に辿り着けないやうに、仕掛けを施し、上級惡魔を要所に配置して警備に當たらせよ」
「御意」
「それから、警備の任に當たらぬ者は、引き續き勇者を斃すべく奮戰努力するやうに通達を出せ」
「御意」
次の日、魔王は惡魔ビューネを呼び出し、勇者殺害の特命を直々に下した。
「勇者は既にクローケルを斃してゐる。それを見越してお前に頼みたいのだ」
「臣をご指名頂けるとは光榮であります。聞けば、クローケルは火蜥蜴に燒かれたと言ひますが、臣は炎で燒かれるやうな心配は御座いませんのでご安心を」
「うむ、宜しく頼んだぞ」
(多分續く)
2月11日 (土) : 紀元節
私事・獨語
紀元節につき身を正し嚴かに過ごした、といふ訣ではなく、日本橋まで出掛けてゐた。日本橋でも「バレンタインデー」なんて文字が躍つてゐるのは滑稽といふか何といふか。
世間
現地時間10日、トリノオリンピック開幕。
社民黨が黨大會で自衞隊を違憲とした宣言を採擇。だから何が變はるかといへば、何も變はるまい。支配人は、自衞隊は昭和憲法を明かに逸脱してゐると思ふが、自衞隊を
解消
すべきとは露ほどにも思はない。寧ろ、軍隊保持を禁止する樣な昭和憲法こそ改正すべきである。「建国記念の日」云々問題で今年もまた左右が色々な催しをしたことと思ふ。それは勝手にやつて貰ふとして、2月11日を建國記念日とする根據が紀元節の他にあることに、ふと氣附いた。大日本帝國憲法發布の日たる2月11日こそ、我等が日本が立憲主義國家として曲りなりにも歩み始めた日といふことでどうであらう。尤も、何故その日に發布したかと言はれれば、紀元節に戻る訣ではあるけれども。
2月9日 (木)
私事・獨語
朝早くから登校して、某君の修論の添削などをする。論文の添削について言へば、研究が密接に關係してゐる訣ではないが、どうにも捗つてゐないやうだつたのでお節介を燒いた感じ。添削したから必ずしも進む訣でもないが、何かヒントが出せればいい位の氣持ちである。大體、自分も論文書くのは苦手なのであるから、どこまであてになるものやら。
2月8日 (水)
世間
宰相も流石にこの状況で押し切るのは無理と諦めたのか、今國會に皇室典範改正を提出しないことを示唆。少し遲い氣もするが、妥當な判斷であらう。しかし、これでこの問題は仕舞ひではないことに注意せねばならない。皇室を安泰にするには何らかの處置がやはり必要なのは確かである。宰相の遣り口の惡かつたのは、「有識者」に丸投げしたことである。さうではなく、憲法調査會をつくつた樣に、皇室典範調査會のやうなものを國會でつくつて、そこで議論してはどうか。その方が、一應は民意を代表する者が集まつて話をする訣であるから、餘程眞つ當な形で案を出せるのではないか。國家哲學も何もないと自ら豪語した「有識者」の出した結論はなかつたことにして、國會内でじつくり調査し、議論するのがよいと思ふ。
私事・獨語
所用で出掛けたが、時間潰しに餘計な店に入り餘計な物を買ひ餘計な錢を失ふ。まあ、いつものことと言へばそれまで。
2月7日 (火)
秋篠宮妃殿下御懐妊
秋篠宮親王妃殿下には御懐妊とのこと。目出度き限りのことであり、衷心よりお慶び申し上げます。
この慶事を政治のことと絡めるのは不本意ながら、やはり申し述べる。宰相は、今般の慶事に接しては、身を愼み、「有識者」以外の聲にも謙虚に耳を傾けて、今國會での皇室典範改正を斷念すべし。言ふに事缺いて敬宮殿下に對する帝王學を云々するのは見當が違ふと思ふ。現段階では、皇族としてお生まれになられた御方には、皇位を踐む可能性があるといふご自覺を持つて頂くやうにすればよいのである。其の爲に今國會で皇室典範を改正する必要は別にない。
最後に、妃殿下が出産の日まで健やかにお過ごしになり、お元氣な御子がお生まれになることを、謹んでお祈り申し上げます。
私事・獨語
仕樣書を出來上がつたものに合はせるために圖を描いたり文章を書いたり。順番が違ふ、といふなら、その通りなのであるが、現世では往々にしてかういふ間拔けなことがあるからいいんだか惡いんだか。
2月5日 (日)
覺書: alltt 環境 @ LaTeX
verbatim 環境では少々不便なことがある、と思つて調べてゐたら、alltt 環境といふのがヒットした。alltt.sty スタイルが必要であるが、取り敢へず思つてゐたよりも簡單に所望の結果が得られさうなので早速導入。
一つだけ不滿を言へば、verbatim* 環境と同等のものがなささうなところ。探し損ねてゐるだけかもしれないが。
世間
長崎縣知事選擧は金子現知事が3選。
合併に伴ふ津市市長選擧は松田直久前縣議が當選。
2月4日 (土) : 立春
暦日天候地象
立春 (8時27分)。
購入
藤崎竜『封神演義完全版15』、『封神演義完全版16』。
勇者、待てども來ず (3)
丘の上で身構へる「勇者」アレスと、それを斃さうと取り卷く、惡魔クローケルに率ゐられた魔物の群れの間の緊張は否應なく高まつてゐた、といふ訣ではなく。
「おい、勇者アレス。お前、このクローケル樣の名前を知らんのか」
「知りませんよ。魔王の名前だつてよく知らないのに」
「貴樣、それでよく勇者と言へるな」
「相手の名前を知つてゐようがゐまいが、斃すのには關係ないから」
「呆れた奴だな。こんなのが大魔王樣が殺さうとしてゐる勇者とは」
「別に殺してくれと頼んでないから、遣る氣がないなら歸つていいですよ」
アレスとクローケルは、緊張感の缺片もない會話を續けてゐた。
「ああもう、あの莫迦勇者。さつさと戰鬪始めろつての」
「女の子がそんな物騷なこと言ふものぢやないと思ふがね」
「でも先生、あまりもたついてゐる訣にも」
「うん、それはさうだ。仕方ない。こちらから仕掛けるか」
クロードが動かうとして杖を手に構へ直したその時。
「これ以上貴樣と話をしても實のないことがよく分つた。勇者アレス、個人的な怨みはないが、大魔王樣の悲願のため、お前にはここで死んで貰ふ。者ども、かかれ」
クローケルはさう言ふと上空に舞ひ上がり、入れ替りに魔物達が次々とアレスに襲ひ掛かつた。アレスはそれを次々と劍で斬り捨てていつたが、劍から免れた何匹かの魔物が背後から逆襲した。アレスはなんとかそれを躱したものの、體勢を崩して地面に轉がつてしまつた。そこに、更なる攻撃を加へようと、魔物達が構へたその時。
「汝水の精靈、魔力を欲すなら集いて我が敵を討て! アークエス!!」
アレスを襲はうとしてゐた魔物達はクロードの唱へた魔法に撃たれて地に墜ち、息絶へた。と同時に、地面に魔法陣が浮かび上がる。
「アレス、早く外に出よ」
「お、おう」
アレスが慌てて陣の外に出るや否や、いつの間にか姿を現したカテリナがかざした杖を振り下ろしながら魔法陣に魔力を叩き込んだ。
「我が前に姿を現せ、火の蜥蜴! そして汝が領を侵す者を燒き盡くすがいい!!」
「サラマンダー召喚だと? 人間の小娘風情が、莫迦な?」
クローケルは明かに狼狽えを見せながらも、カテリナに殺到しようとしたが、發動した魔法陣は彼が陣内から出ることを阻んだ。そして、陣の中央では、炎が渦を卷き始めてゐた。
(多分續く)
2月3日 (金) : 節分
私事・獨語
節分といふことで、取り敢へず卷き壽司を囓つてみる。
世間
遂にといふべきだらう、閣内からも皇室典範改正の拙速を憂ふ聲が上がつた模樣。フロッピー、もとい、麻生外相は想定の範圍内として、谷垣財務相、杉浦法相も愼重論を展開。宰相は
最後は纏る
などと暢氣なことを相も變はらず言うてゐるやうだが、この問題で閣僚を罷免など無理であらうし、假に罷免したら、それこそ自民黨が割れて大政局といふこともあり得る。兵は拙速を尊ぶが、この問題はさうではないのだから、宰相と雖も一般國民の分際であることを辨へて少しは自重するがよい。米特許商法廳が、JPEG特許問題につき、問題となつてゐる特許の再審査を行ふことになつた由。
2月2日 (木)
私事・獨語
所用で外出して餘計な寄り道して歸つてきてダラダラ。
世間
國會内で皇室典範の今囘國會での改正を拙速であるとする動きがあることは、國會議員も決して何も考へてはゐないといふ證左であると思ひ、少しは見直すものである。而るに、あくまで提出して成立を強行せんとする宰相の謂ひは、極めて不見識と言はざるを得ず。宰相が今國會での成立を望むのは「手柄」にしたいからなのかも知れないが、ことは皇室のことであつて、叡慮も宮樣の見解もそつちのけで哲學を缺いた「有識者」の決めたことをただ通すだけでは、歴史は宰相をして莫迦と評するであらう。「手柄」どころか百年、千年に一度のレベルの大失態である。そもそも皇室のことで「手柄」を得ようとする根性が惡い。眞に天皇・皇室を扶翼する忠義を持つなら、この拙速だけは避けるべきと自ずから知るべきであらう。史上の各武家政權が、時に皇位繼承に介入したことは否定出來ないが、その根本の有り樣まで變へるやうな無茶はしなかつた。その意味で、今囘皇室典範改正を強行するのであれば、宰相の汚名は青史に冠たるものになりうると強調しておく。後世、朝敵の最たる者は小泉純一郎と呼ばれない樣に、分別を持つて過ちを改めるに憚ることのなきやう望む。
2月1日 (水)
暦日天候地象
舊暦睦月四日。
私事・獨語
夕刻よりミーティング。終つて歸りしは日附の變はる頃。吾いと疲れり。よつてこれ以上何も書きたうない。