説文解字私註 吿部
吿部
- 文二
吿
- 説文解字
牛觸人、角箸橫木、所以吿人也。从口从牛。『易』曰、僮牛之吿。凡吿之屬皆从吿。
- 康煕字典
- 口部四劃
『廣韻』古到切『集韻』『韻會』『正韻』俱号切、𠀤音誥。『說文』牛觸人、角著橫木、所以告也。从口从牛。
『玉篇』語也。『廣韻』報也。吿上曰吿、發下曰誥。『增韻』啓也。『書・禹貢』吿厥成功。『詩・周南』言吿師氏。
問也。『禮・王制』八十月吿存。《疏》吿謂問也。君每月使人致膳、吿問存否。
『正韻』命也。『易・泰卦』上六自邑吿命。
『玉篇』請吿也。
『韻會』唐制、授官之符曰吿身。
休假曰吿。『史記・汲黯傳』黯多病、病且滿三月、上常賜吿者數。《註》如淳曰、杜欽所謂病滿賜吿、詔恩也。或曰賜吿得去官歸家、予吿居官不視事。『後漢・𨻰忠傳』光武絕吿寧之典。《註》吿寧、休謁之名。吉曰吿、凶曰寧。古者名吏休假曰吿。
『韻會』姓也。
『五音集韻』胡刀切、音豪。『集韻』休謁也。或作勂。
『集韻』居勞切、音高。白也。
『廣韻』古沃切『集韻』『韻會』姑沃切、𠀤音梏。『易・蒙卦』初筮吿、再三凟、凟則不吿。『詩・大雅』令終有俶、公尸嘉吿。『禮・曲禮』夫爲人子者、出必吿、反必面。『爾雅・釋言』吿、謁請也。《疏》成二年左傳曰、晉與魯衞、兄弟也、來吿曰、大國朝夕釋憾於敝邑之地。○按梏谷二字、音切各異、各韻書吿字俱音梏、惟正韻吿、古祿切、音谷。今經傳吿字、『釋文』朱註皆讀谷。惟曲禮、『釋文』作古毒反。
『集韻』枯沃切、音酷。吏休假也。『後漢・𨻰忠傳』吿寧之典。孟康讀。
『集韻』『正韻』𠀤居六切、音菊。『禮・文王世子』其𠛬罪則纖剸、亦吿于甸人。《註》吿讀爲鞠。讀書用法曰鞠。
『集韻』轄覺切、音學。休謁也。
叶古岳切、音角。『王逸・九思』思怫鬱兮肝切剝、忿悁悒兮孰訴吿。
叶訖得切、音𦑜。『詩・大雅』訏謨定命、遠猶辰吿。敬愼威儀、維民之則。
叶居立切、音汲。『史記・太史公自序』牧殷餘民、叔封始邑。申以商亂、酒材是吿。
叶居𠋫切、音姤。『楚辭・九章』道思作頌、聊以自救兮。憂心不遂、斯言誰吿兮。
- 解字(白川)
- 木の小枝に祝禱の器を著けた形を象る。卜辭に祈る意に用ゐる。告はその祈り方を示す字。祝禱の器を持つ形は史で、内祭として祖廟を祀るのが原義。その字形は申し文をつけた小枝を持つに等しい。外祭のときには、その枝に吹き流しなどをつけるので、使、事の字となる。使は祭の使者で外祭、その祭を事、大事といふ。告、史、使、事は、その字形において系列をなす。
- 解字(藤堂)
- 牛と囗(わく)の會意。梏の原字。
- 上位者に告げるの意は、号、叫と同系の言葉の假借。
- 解字(落合)
- 恐らく祭器とそれを木に懸けた形の會意字。
- 他に牛と口に從ふとする説、生と口に從ふとする説もある。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 甲骨文は舌字の中央の縱劃が上に突出した分化字で、本義は説話、告訴、舌辯。一説に、牛と口に從ひ、牛を以て神を祭るを表し、祝告の意、轉じて報告の意といふ。
- 甲骨文では祭名に用ゐ、讀んで祰となす。甲骨文、金文ではまた本義に用ゐ、報告を表す。また告誡を表す。
- 戰國竹簡ではまた告訴を表す。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》告
嚳
- 説文解字
急吿之甚也。从吿、學省聲。
- 康煕字典
- 口部十七劃
『唐韻』苦沃切『集韻』『韻會』枯沃切、𠀤音酷。『說文』急告之甚也。
『史記・五帝紀』帝嚳高辛者、黃帝之曾孫也。『集韻』亦作俈。『史記・三代世表』帝俈、黃帝曾孫。
- 禮記・祭法
祭法。有虞氏禘黃帝而郊嚳、祖顓頊而宗堯。夏后氏亦禘黃帝而郊鯀、祖顓頊而宗禹。殷人禘嚳而郊冥、祖契而宗湯。周人禘嚳而郊稷、祖文王而宗武王。
- 史記・五帝本紀
帝嚳高辛者、黃帝之曾孫也。高辛父曰蟜極、蟜極父曰玄囂、玄囂父曰黃帝。自玄囂與蟜極皆不得在位、至高辛即帝位。高辛於顓頊爲族子。
高辛生而神靈,自言其名。普施利物,不於其身。聰以知遠,明以察微。順天之義、知民之急。仁而威、惠而信、修身而天下服。取地之財而節用之、撫教萬民而利誨之、歷日月而迎送之、明鬼神而敬事之。其色郁郁、其德嶷嶷。其動也時、其服也士。帝嚳溉執中而遍天下、日月所照、風雨所至、莫不從服。
帝嚳娶陳鋒氏女、生放勛。娶娵訾氏女、生摯。帝嚳崩、而摯代立。帝摯立、不善(崩)、而弟放勛立、是爲帝堯。
- 史記・殷本紀
殷契、母曰簡狄、有娀氏之女、爲帝嚳次妃。三人行浴、見玄鳥墮其卵、簡狄取吞之、因孕生契。契長而佐禹治水有功。帝舜乃命契曰、百姓不親、五品不訓、汝爲司徒而敬敷五教、五教在寬。封於商、賜姓子氏。契興於唐、虞、大禹之際,功業著於百姓、百姓以平。
- 史記・周本紀
周后稷、名棄。其母有邰氏女、曰姜原。姜原爲帝嚳元妃。姜原出野、見巨人跡、心忻然說、欲踐之、踐之而身動如孕者。居期而生子、以爲不祥、棄之隘巷、馬牛過者皆辟不踐。徙置之林中、適會山林多人、遷之。而棄渠中冰上、飛鳥以其翼覆薦之。姜原以爲神、遂收養長之。初欲棄之、因名曰棄。
- 音
- コク
五帝の一、帝嚳高辛氏。黃帝の曾孫、帝摯、帝堯の父とされ、殷、周の始祖の誕生譚にも名が見える。