説文解字私註 示部
- 文六十三 重十三 文四新附
示部
- 示
-
天垂象、見吉凶、所以示人也。从𠄞。三垂、日月星也。觀乎天文、以察時變。示、神事也。凡示之屬皆从示。
-
古文示。
- 祜
-
上諱。
- 禮
履也。所以事神致福也。从示从豊、豊亦聲。
- 禧
禮吉也。从示喜聲。
- 禛
以眞受福也。从示眞聲。
- 祿
-
福也。从示彔聲。
- 禠
福也。从示虒聲。
- 禎
祥也。从示貞聲。
- 祥
-
福也。从示羊聲。一云善。
- 祉
福也。从示止聲。
- 福
祐也。从示畐聲。
- 祐
-
助也。从示右聲。
- 祺
吉也。从示其聲。
- 祗
敬也。从示氐聲。
- 禔
安福也。从示是聲。『易』曰、禔旣平。
- 神
天神、引出萬物者也。从示、申。
- 祇
-
地祇、提出萬物者也。从示氏聲。
- 祕
神也。从示必聲。
- 齋
戒、潔也。从示、齊省聲。
- 禋
潔祀也。一曰精意以享爲禋。从示垔聲。
- 祭
-
祭祀也。从示、以手持肉。
- 祀
-
祭無已也。从示巳聲。
-
祀或从異。
- 祡
燒祡燓燎以祭天神。从示此聲。『虞書』曰、至于岱宗、祡。
- 禷
以事類祭天神。从示類聲。
- 祪
祔、祪、祖也。从示危聲。
- 祔
後死者合食於先祖。从示付聲。
- 祖
始廟也。从示且聲。
- 𥛱
門内祭、先祖所以徬徨。从示彭聲。『詩』曰、祝祭于𥛱。
- 祰
告祭也。从示从告聲。
- 祏
宗廟主也。『周禮』有郊、宗、石室。一曰大夫以石爲主。从示从石、石亦聲。
- 䃾
-
以豚祠司命。从示比聲。漢律曰「祠䃾司命」。
- 祠
-
春祭曰祠。品物少、多文詞也。从示司聲。仲春之月、祠不用犧牲、用圭璧及皮幣。
- 礿
夏祭也。从示勺聲。
- 禘
諦祭也。从示帝聲。『周禮』曰、五歲一禘。
- 祫
大合祭先祖親疏遠近也。从示合。『周禮』曰、三歲一祫。
- 祼
灌祭也。从示果聲。
- 䄟
數祭也。从示毳聲。讀若舂麥爲䄟之䄟。
- 祝
祭主贊詞者。从示从人口。一曰从兌省。『易』曰、兌爲口爲巫。
- 𥛽
祝𥛽也。从示畱聲。
- 祓
除惡祭也。从示犮聲。
- 祈
求福也。从示斤聲。
- 禱
告事求福也。从示壽聲。
- 禜
設緜蕝爲營、以禳風雨、雪霜、水旱、癘疫於日月星辰山川也。从示、榮省聲。一曰禜、衞、使灾不生。『禮記』曰:“雩、禜。祭水旱。”
- 禳
磔禳祀、除癘殃也。古者燧人禜子所造。从示襄聲。
- 禬
會福祭也。从示从會、會亦聲。『周禮』曰、禬之祝號。
- 禪
祭天也。从示單聲。
- 禦
-
祀也。从示御聲。
- 䄆
祀也。从示𠯑聲。
- 禖
祭也。从示某聲。
- 𥚩
祭具也。从示胥聲。
- 祳
社肉、盛以蜃、故謂之祳。天子所以親遺同姓。从示辰聲。『春秋傳』曰:“石尚來歸祳。”
- 祴
宗廟奏祴樂。从示戒聲。
- 禡
師行所止、恐有慢其神、下而祀之曰禡。从示馬聲。『周禮』曰:“禡於所征之地。”
- 禂
禱牲馬祭也。从示周聲。『詩』曰、旣禡旣禂。
- 社
地主也。从示、土。『春秋傳』曰:“共工之子句龍爲社神。”『周禮』:“二十五家爲社、各樹其土所宜之木。”
- 禓
道上祭。从示昜聲。
- 祲
精氣感祥。从示、㑴省聲。『春秋傳』曰:“見赤黑之𥛆。”
- 禍
害也。神不福也。从示咼聲。
- 祟
神禍也。从示从出。
- 䄏
-
地反物爲䄏也。从示芺聲。
- 祘
明視以筭之。从二示。『逸周書』曰:“士分民之祘。均分以祘之也。”讀若筭。
- 禁
吉凶之忌也。从示林聲。
- 禫
除服祭也。从示覃聲。
新附
- 禰
親廟也。从示爾聲。一本云古文𥜬也。
- 祧
遷廟也。从示兆聲。
- 祆
胡神也。从示天聲。
- 祚
福也。从示乍聲。
排列
示部
- 示
- 祜
- 禮
- 禧
- 禛
- 祿
- 禠
- 禎
- 祥
- 祉
- 福
- 祐
- 祺
- 祗
- 禔
- 神
- 祇
- 祕
- 齋
- 禋
- 祭
- 祀
- 祡
- 禷
- 祪
- 祔
- 祖
- 祊
- 祰
- 祏
- 䃾
- 祠
- 礿
- 禘
- 祫
- 祼
- 䄟
- 祝
- 𥛅
- 祓
- 祈
- 禱
- 禜
- 禳
- 禬
- 禪
- 禦
- 䄆
- 禖
- 𥚩
- 祳
- 祴
- 禡
- 禂
- 社
- 禓
- 祲
- 禍
- 祟
- 祅
- 祘
- 禁
- 禫
新附
補遺
示部 舊版
禮
- 説文解字
履也。所以事神致福也。从示从豊、豊亦聲。
- 𠃞
古文禮。
- 康煕字典
- 示部十三劃
- 《古文》礼𠃞𤔑
『廣韻』盧啓切『集韻』『韻會』里弟切『正韻』良以切、𠀤音蠡。『說文』禮、履也、所以事神致福也。『釋名』禮、體也。得其事體也。『韻會』孟子言禮之實節文斯二者、蓋因人心之仁義而爲之品秩、使各得其敘之謂禮。
姓。『左傳』衞大夫禮孔。
『徐鉉曰』五禮莫重於祭、故从示。豊者、其器也。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》礼
- 《人名用許容字體》禮
禧
- 説文解字
禮吉也。从示喜聲。
- 康煕字典
- 示部十二劃
『唐韻』許其切『集韻』『韻會』虛其切『正韻』虛宜切、𠀤音僖。福也、吉也。
『爾雅・釋詁』禧、告也。
通釐。『史記・孝文紀』祠官祝釐。『師古註』釐、本作禧、假借用耳。又『賈誼傳』上方受釐宣室。《註》言受神之福。
通煕。『前漢・禮樂志』煕事備成。『師古註』煕與禧同。
- 音
- キ。コ。
- 訓
- さいはひ
KO字源に據れば目出度して樂しきなり、祉に近し。
『漢書・禮樂志』禧事備成。
禛
- 説文解字
以眞受福也。从示眞聲。
- 康煕字典
- 示部十劃
『唐韻』側鄰切『集韻』之人切、𠀤音眞。『說文』以眞受福也。
- 音
- シン
- 訓
- さいはひ
白川に據れば、用字例はなく、殆ど人名に用ゐる。
清の王士禎は、もと名を士禛といつたが、死後、世宗雍正帝の諱胤禛を避けて士正と改められ、高宗乾隆帝に士禎の名を賜り、併せて文簡と諡された。
禠
- 説文解字
福也。从示虒聲。
- 康煕字典
- 示部十劃
『唐韻』息移切『集韻』『韻會』相支切『正韻』相咨切、𠀤音斯。『爾雅・釋詁』福也。『張衡・東京賦』祈禠禳災。
『集韻』常支切、音匙。又、余支切、音移。又、翹移切、音祈。又、演爾切、音匜。義𠀤同。
禎
- 説文解字
祥也。从示貞聲。
- 康煕字典
- 示部九劃
『唐韻』陟盈切『集韻』『韻會』知盈切、𠀤音貞。『說文』祥也、休也。『徐曰』禎者、貞也。貞、正也。人有善、天以符端正告之。『禮・中庸』必有禎祥。《疏》本有今異曰禎、如本有雀、今有赤雀來、是禎也。本無今有曰祥、本無鳳、今有鳳來、是祥也。
- 簡体字
- 祯
- 音
- テイ。チャウ。
- 訓
- さいはひ。ただしい。
- 表
- 人名用漢字
- 《漢字表字體》禎(U+798E; JIS:1-36-87) 禎(U+FA53; JIS:1-89-32)
祉
- 説文解字
- 《説文解字本文》
福也。从示止聲。
- 康煕字典
- 示部四劃
『唐韻』『正韻』敕里切『集韻』『韻會』丑里切、𠀤音恥。『說文』福也。『徐曰』祉之言止也、福所止不移也。『易・泰卦』以祉元吉。『詩・小雅』旣受多祉。
- 訓
- さいはひ
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》祉(U+7949; JIS:1-27-67)
- 《人名用許容字體》祉(U+FA4D; JIS:1-89-20)
福
- 説文解字
祐也。从示畐聲。
- 康煕字典
- 《古文》畗
- 示部九劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤方六切、膚入聲。祐也、休也、善也、祥也。『禮・祭統』福者、備也。『易・謙卦』鬼神害盈而福謙。『書・洪範』嚮用五福。
『釋名』福、富也。其中多品如富者也。
祭祀胙肉曰福。『周禮・天官・膳夫』祭祀之致福者、受而膳之。『穀梁傳・僖十年』祠致福於君。
福猶同也。『張衡・西京賦』仰福帝居、陽曜隂藏。『薛註』言今長安宮、上與五帝所居之太微宮、陽時則見、隂時則藏、同法也。
州名。秦閩中郡、𨻰立閩州、唐改福州。
姓。元忠臣福壽。
『集韻』『韻會』𠀤敷救切、音副。藏也。『史記・龜筴傳』邦福重龜。《註》徐廣讀。
叶筆力切、音偪。『詩・大雅』自求多福。『儀禮・士冠禮』介爾景福。俱叶上德字。『正字通』福本有偪音。說文从示畐聲。賈誼治安策、疏者或制大權、以福天子。乃偪譌爲福、非福與偪通也。諸韻書誤以爲福、偪同音共義、合爲一、蓋未詳毛詩、儀禮及安世房中歌、班固明堂詩、福皆讀偪、與偪義不相通也。韻會職韻逼字註云、通作福。字彙福與逼同、尤非。
- 訓
- さいはひ。ひもろぎ。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》福(U+798F; JIS:1-42-01)
- 《人名用許容字體》福(U+FA1B; JIS:1-89-33)
祐
祐を參照のこと。
祺
- 説文解字
吉也。从示其聲。
- 禥
籒文从基。
- 康煕字典
- 示部八劃
- 《古文》𥘕
『唐韻』『集韻』『韻會』渠之切『正韻』渠宜切、𠀤音其。『說文』吉也。『爾雅・釋言』祥也。『詩・大雅』壽考維祺。『荀子・非十二子篇』儼然壯然祺然。《註》祺、安泰不憂懼之貌。
州名。古冄駹國也。宋置祺州。
『集韻』居之切、音姬。籀从基、義同。禥、籒文。
- 音
- キ
- 訓
- さいはひ
祗
- 説文解字
敬也。从示氐聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
- 《古文》祬
『廣韻』旨夷切。『集韻』『韻會』烝夷切『正韻』旨而切、𠀤音脂。『爾雅・釋詁』敬也。『書・大禹謨』祗承于帝。『周禮・春官・大司樂』以樂德敎國子、中和祗庸孝友。『正譌』从示、氐聲。見神示則敬。會意。『正字通』與祇通。郝敬曰、祗从氏下一、韻書別出、其實同。
- 音
- シ
- 訓
- つつしむ。うやまふ。まさに。ただ。
祇は別字。
禔
- 説文解字
安福也。从示是聲。『易〔坎・九五〕』曰、禔旣平。
- 康煕字典
- 示部九劃
『廣韻』『集韻』章移切『正韻』旨而切、𠀤音支。福也、安也。
『廣韻』『正韻』杜奚切『集韻』『韻會』田黎切、𠀤音題。又『廣韻』是支切『集韻』『韻會』『正韻』常支切、𠀤音時。義𠀤同。
『韻會』同祗。『易・復卦』無祗悔。王肅陸績本作禔。『史記・韓長孺傳』禔取辱耳。《註》禔、一作祗。
- 音
- シ
- 訓
- さいはひ。よろこび。
- (祗と通用) まさに。ただ。いたす。
神
- 説文解字
天神、引出萬物者也。从示、申。
- 康煕字典
- 示部五劃
- 《古文》𥛠
『唐韻』食鄰切『集韻』『韻會』乗人切、𠀤音晨。『說文』天神、引出萬物者也。『徐曰』申卽引也、天主降氣、以感萬物、故言引出萬物。
『皇極經世』天之神棲乎日、人之神棲乎目。
神明。『書・大禹謨』乃聖乃神。『孔傳』聖無所不通、神妙無方。『易・繫辭』隂陽不測之謂神。『王弼云』神也者、變化之極、妙萬物而爲言、不可以形詰。『孟子』聖而不可知之謂神。
鬼神。陽魂爲神、隂魄爲鬼。氣之伸者爲神、屈者爲鬼。
諡法。『史記』民無能名曰神。
姓。漢騎都尉神矅。
升人切、音伸。『張衡・東京賦』神荼副焉。《註》海中神名。神、音伸。荼、音舒。
叶時連切、音禪。『焦仲卿詩』念與世閒辭、千萬不復全。故作不良計、勿復怨鬼神。『班固・答賓戲』言通帝王、謀合聖神、殷說夢發於傅巖、周望兆動於渭濱。《註》神、叶時連切。濱、叶𤰞眠切。○按、顧炎武『金石文字記』曰神、古𥓓多作𥛠、下从旦。『禮・郊特牲』所以交於旦明之義。鄭康成云、旦當爲神、篆字之譌。『莊子』有旦宅而無情死、亦讀爲神。蓋昔之傳書者遺其上半、因譌爲旦耳。此說甚是、非旦可作神也。
- 訓
- かみ。たましひ。こころ。
- 解字(白川)
- 初文は申。
- 解字(藤堂)
- 示と申の會意、申は亦た音符。稻妻のやうに不可知な自然の力。のち、不思議な力や、目に見えぬ心の働きをもいふ。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 古人は稻妻を天神の仕業とし、神を表すのに申字を用ゐた。後に意符の示を加へ、分化して神祇の神ができた。本義は神祇、天神。後に、魂魄、精神、心神をも表すやうになつた。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》神(U+795E; JIS:1-31-32)
- 《人名用許容字體》神(U+FA19; JIS:1-89-28)
祇
祇を參照のこと。
祕
- 説文解字
神也。从示必聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤兵媚切、音賁。『說文』神也。『徐曰』祕之言閉、祕不可宣也。『廣韻』勞也、密也、藏也。『史記・孝文紀』祕祝之官。《註》祕祝移過於下、國家諱之、故曰祕。『前漢・劉向傳』詔向領校中五經祕書。《註》言中以別外。『班固・兩都賦』校理祕文。
官名。『唐書・百官志』祕書省監一人、又祕書郞三人。
姓。『西秦錄』有僕射祕宜。
『字彙補』𤰞吉切、音必。『郤正釋譏』無遠不至、無幽不悉。挺身取命、幹兹奧祕。
『正字通』从示从必。俗从禾作秘、譌。
- 訓
- ひそか。ひめる。かくす。
- 解字(白川)
- 必は戈矛や鉞の柲部の形。その刃光の放射する形は尗。必は聖器として呪儀に用ゐ、これを廟中に置いて、火で清める呪儀は密。あはせて祕密といふ。宓もその呪儀をいふ。尗を廟中に置く字は𡧯で、寂の初文。みな神祕の呪儀をいふ。
- 解字(藤堂)
- 必は戈を兩側から締めるさまを象り、兩側から添へ木を當てて締め附ける柲のこと。祕は示と必の會意、必は亦た音符。入口を締め附けて内容が分からないやうにした神祕なこと。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》秘
- 《人名用許容字體》祕
齋
- 説文解字
戒、潔也。从示、齊省聲。
- 𥜷
籒文齋从𥜹省。 𥜹音禱。
- 康煕字典
- 齊部三劃
『廣韻』側皆切『集韻』『韻會』『正韻』莊皆切、𠀤債平聲。『正韻』潔也、莊也、恭也。『廣雅』齋、敬也。『禮・祭統』齋之爲言齊也。『易・繫辭』聖人以此齋戒。《註》洗心曰齋。
『後漢・輿服志』有齋冠曰長冠。
燕居之室曰齋。
『集韻』『正韻』𠀤津私切、音貲。『孟子』齋疏之服。『趙岐註』卽齋縗也。音資。
『易・履卦』得其資斧。『子夏傳』作齊斧。虞喜志林云、當作齋。齋戒入廟而受斧也。
叶眞而切、音支。『後漢・周澤傳』生世不諧、作太常妻、一年三百六十日、三百五十九日齋。
○按『說文』示齊爲齋。示、明也、祗也。齊者、萬物之潔齊也。洪武『正韻』云、古單作齊、後人于其下加立心、以別之耳。
- 訓
- ものいみ。つつしむ。とき。いつき。
- 解字(白川)
- 齊の省文と示の會意。齊は、神事に奉仕する婦人が、髮に簪飾を加へる形。簪を斜めにして刺す形は參。示は祭卓。祭卓の前で神事に奉仕することを齋といひ、また䶒といふ。字の原義は齋女。
- 解字(藤堂)
- 示と齊の略體の會意、齊は亦た音符。齊はきちんと揃へるの意。祭のために心身を整へること。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 金文は、齊の省文に從ふ形ではなく、齊の初文に從ふ形であると按ずる。古代、齋を齊につくるのは、同音を借りるのみ。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》斎
禋
- 説文解字
潔祀也。一曰精意以享爲禋。从示垔聲。
- 𡫻
籒文从宀。
- 康煕字典
- 示部九劃
- 《古文》𥛡𠖦
『唐韻』於眞切『集韻』伊眞切、𠀤音因。『說文』潔祀也。一曰精意以享爲禋。『書・舜典』禋于六宗。『周禮・春官・大宗伯』以禋祀、祀昊天上帝。《註》禋之言煙、周人尚臭、煙氣之臭聞者。
『集韻』『韻會』𠀤因蓮切、音燕。『詩・周頌』肇禋、徐邈讀若煙。○按、禋、又作煙。見魏受禪表。
- 音
- イン
- 訓
- つつしむ。まつり。まつる。
煙を焚く祭儀の名。
祡
- 説文解字
燒祡燓燎、以祭天神。从示此聲。『虞書』曰、至于岱宗、祡。
- 𥚨
古文祡。从隋省。
- 康煕字典
- 示部五劃
- 《古文》𥚨
『廣韻』士佳切『集韻』『韻會』鉏佳切『正韻』牀皆切、𠀤音柴。『說文』燒柴燓燎、以祭天神。『揚雄・甘泉賦』欽祡宗祈。
同柴。『書・舜典』至于岱宗柴。『說文』引書作祡。『正字通』按祡本作柴、後人因祭天、改从示。別詳木部柴字註。
- 音
- サイ
- 訓
- ひまつり
禷
- 説文解字
以事類、祭天神。从示類聲。
- 康煕字典
- 示部十九劃
『唐韻』『韻會』『正韻』𠀤力遂切、音類。『說文』以事類祭天神。『爾雅』作禷、經傳多作類。『書・舜典』肆類于上帝。
師祭。『禮・王制』天子將出征、類乎上帝。『詩・大雅』是類是禡。《傳》於內曰類、於野曰禡。○按『周禮・小宗伯』凡天地之大烖、類社稷宗廟、則爲位。『鄭註』禱祈禮輕、類者依其正禮而爲之。則知凡言類者、皆謂依事類而爲之、如郊祀爲祭天之常祭、今非常祭、而亦依郊祀爲之、則曰類、非有專稱、故許愼釋之以事類祭天神也。本作𥜛。
- 音
- ルイ
- 訓
- まつり
- 解字(白川)
- 聲符は類。類は、天、上帝、社を祭る祭名で、禷の初文。類を種類の意に用ゐるので、のち禷字がつくられた。
祪
- 説文解字
祔、祪、祖也。从示危聲。
- 康煕字典
- 示部六劃
『唐韻』過委切『集韻』『韻會』『正韻』古委切、𠀤音詭。『爾雅・釋詁』祪、祖也。《疏》毀廟之主曰祪。
『集韻』虎委切、音䃣。通作毀。又歸謂切、音貴。義𠀤同。
祔
- 説文解字
後死者、合食於先祖。从示付聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤符遇切、音附。祭名。『說文』後死者合食於先祖。『禮・檀弓』以吉祭易喪祭、明日祔於祖父。
合葬亦曰祔。『禮・檀弓』周公蓋祔。《註》謂合葬自周公以來始。又孔子曰、衞人之祔也離之、魯人之祔也合之、善夫。
或省作付。『周禮・春官』大祝付練祥。《註》付當爲祔、祭先王以祔後死者。
- 音
- フ
- 訓
- まつる。はうむる。
死者を先祖と合祀、合葬するの意。
祖
- 説文解字
始廟也。从示且聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
- 《古文》𥘲
『唐韻』則古切『集韻』『韻會』總古切『正韻』總五切、𠀤音組。『玉篇』父之父也。又先祖、始祖、通謂之祖。『詩・小雅』似續妣祖。『禮・喪服小記』別子爲祖。
『說文』始廟也。『周禮・冬官考工記・匠人』左祖右社。
『廣韻』始也、上也、本也。『禮・中庸』祖述堯舜。『仲尼燕居』如此則無以祖洽於衆。『前漢・食貨志』舜命后稷、以黎民祖饑。『孟康註』謂黎民始饑也。
法也。『禮・鄕飮酒義』亨狗於東方、祖陽氣之發於東方也。
習也。『魯語』祖識地德。
祭道神曰祖。共工之子曰修、好遠遊、舟車所至、靡不窮覽、故祀以爲祖神。祖者、徂也。『詩・大雅』仲山甫出祖。《註》祖、將行犯軷之祭也。『左傳・昭七年』公將往、夢襄公祖。
姓。祖已之後、出范陽。
『集韻』咨邪切、音𦊨。『前漢・地理志』安定郡有祖厲縣。
神名。『山海經』祖狀之尸。《註》音如柤棃之柤。
叶阻渚切、音樹。『張衡・東京賦』敺以就役、惟力是視。百姓弗能忍、是用息肩於大漢、而欣戴高祖。
- 解字(白川)
- 聲符は且。卜文、金文に祖の意味で且を用ゐる。且は俎の初形で、俎板。且に物を載せ薦めて祀る意であらう。
- 解字(藤堂)
- 物を重ねたさまを象る且と示の會意。且は亦た音符。累代の先祖のこと。
- 解字(落合)
- 甲骨文では且を祭祀對象の先祖の象徴として用ゐる。後に且を重複を表す助辭に用ゐるため、古文、籀文で、繁文の祖がつくられた。且は俎板の象、俎の初文。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 本義は俎上に肉を置いて祭るの意か。假借して祖先を表す。
- 表
- 當用漢字・常用漢字《漢字表字體》祖(U+7956; JIS:1-33-36) 《人名用許容字體》祖(U+FA50; JIS:1-89-25)
祊
- 説文解字
- 𥛱
門内祭、先祖所以徬徨。从示彭聲。『詩』曰、祝祭于𥛱。
- 祊
𥛱或从方。
- 康煕字典
- 示部四劃
『集韻』『韻會』晡橫切『正韻』補耕切、𠀤音閍。『說文』作𥛱。从示、彭聲。或从方、門內祭先祖、所以彷徨也。『詩・小雅』祝祭于祊。《傳》祊、門內也。孝子不知神之所在、使祝博求之門內之旁、待賓客處也。『禮・禮器』設祭於堂、爲祊乎外。《註》祊、明日繹祭也。謂之祊者、於廟門之旁、因名焉。《疏》祊有二義、一正祭時、祭神於廟、復求神於廟門內。一明日繹祭時、設饌於廟門外西室。
邑名。『春秋・隱八年』鄭伯使宛來歸祊。《註》祊、鄭祀泰山之邑、在琅邪費縣東南。
通邴。『公羊傳・隱八年』作來歸邴。《註》彼命反、又音丙。
叶補光切、音邦。『詩・小雅』祝祭于祊、與下祀事孔明叶。明音芒。
『正字通』周禮大司馬、中秋敎治兵、羅弊致禽以祀祊。鄭註、祊、當爲方、主祭四方、報成萬物。引『詩』、以社以方。據此是『周禮』方譌作祊、非方祊同也。『字彙』祊音方、合方、祊爲一字、誤。
- 音
- ハウ
祭名。
祰
- 説文解字
告祭也。从示从告聲。
- 康煕字典
- 示部七劃
『唐韻』『集韻』𠀤苦浩切、音考。禱也、告祭也。或从高。
『集韻』居號切、音告。義同。
祏
- 説文解字
宗廟主也。『周禮』有郊、宗、石室。一曰大夫以石爲主。从示从石、石亦聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
『唐韻』『集韻』『正韻』常隻切『韻會』常亦切、𠀤音石。宗廟中藏主石室也。『左傳・莊十四年』命我先人、典司宗祏。《疏》慮有非常火災、於廟之北壁內爲石室、以藏木主、有事則出而祭之、旣祭納於石室。祏字从示、神之也。『說文』周禮有郊宗石室。一曰大夫以石爲主。
- 音
- セキ
神主(靈牌)を收めた石匣或は石室を指す。
䃾
- 説文解字
以豚祠司命。从示比聲。漢律曰、祠䃾司命。
- 康煕字典
- 示部四劃
『唐韻』𤰞履切『集韻』『韻會』補履切『正韻』補委切、𠀤音𠤎。『說文』以豚祠司命。漢津曰、祠䃾司命。
音𠤎は音匕の誤りか。『集韻』毗至切、音庳。又必至切、音庇。義𠀤同。
礿
- 説文解字
夏祭也。从示勺聲。
- 康煕字典
- 示部三劃
『唐韻』以灼切『集韻』『正韻』弋灼切『韻會』弋約切、𠀤音藥。亦作禴。祭名。『禮・王制』天子四時之祭、春曰礿、夏曰禘、秋曰嘗、冬曰烝。《疏》礿、薄也、春物未成、祭品鮮薄。○按礿禘嘗烝爲四時之祭、乃三代通禮。鄭康成泥『天保』詩及『周官』有禴、祠、烝、嘗語、遂指此爲夏殷之禮。周則春曰祠、夏曰禴、不知『天保』詩作於武王時、而禴、祠、烝、嘗實諸侯之禮。武王末受命、典禮未定、故止春禴、夏禘、秋嘗、冬烝、未遑追王上祀、至周公相成王而後定、不必執彼疑此也。若『周官』所言、先儒多謂爲周公未成之書、更不必泥耳。餘詳禘字註。
『集韻』弋笑切、音耀。義同。
- 音
- ヤク
祭名。
禘
- 説文解字
諦祭也。从示帝聲。『周禮』曰、五歲一禘。
- 康煕字典
- 示部九劃
『唐韻』特計切『集韻』『韻會』『正韻』大計切、𠀤音第。王者大祭名。『禮・大傳』禮、不王不禘、王者禘其祖之所自出、以其祖配之。○按、禘祫之說、千古聚訟。鄭康成據『禮緯』三年一祫、五年一禘、謂祫大禘小。王肅張融孔晁輩、謂祫小禘大、確分禘祫爲兩祭。通考『禮』經、禘祫實一事、而禘卽時祭中之一也、夫祫从示从合、是凡合祭皆爲祫。禘从示从帝、蓋帝祭之稱、其制始帝舜、夏、商、周、因之、其義取審諦昭穆、上追祖所自出、下及毀廟未毀廟之主、天子四時之祭、春礿、夏禘、秋嘗、冬烝、『祭統』『王制』每𠀤舉之、而要莫大於禘、故『春秋』獨書大事、『公羊』亦以禘之祫爲特大而著之曰大祫也。先儒以『春秋』『公羊』於此俱不言禘、遂謂別有祫祭、獨杜預以『左傳』無祫祭之文、因以禘釋大事。孔穎達疏曰、祫卽禘也、取其序昭穆、謂之禘、取其合羣祖、謂之祫、誠不易之解矣。趙匡又泥以祖配之之文、謂不及羣祖、夫始祖下皆曰祖、以祖配之、獨不包諸祖乎。且『爾雅』釋祭云禘、大祭也。若止禘祖所自出、非大合昭穆、得爲大祭乎。元儒黃楚望曰、始祖率有廟無廟之主、以共享於所自出、所以使子孫皆得見其祖、又以世次久遠、見始祖之功德爲尤盛也、斯深得制禘之旨矣。
- 音
- テイ
祭名。上帝、先王を祀る大祭。或は夏の時祭。
祫
- 説文解字
大合祭先祖親疏遠近也。从示、合。『周禮』曰、三歲一祫。
- 康煕字典
- 示部六劃
『唐韻』侯夾切『集韻』『韻會』轄夾切『正韻』胡夾切、𠀤音洽。『說文』大合祭先祖親疏遠近也。『公羊傳・文二年』大事者何、大祫也。大祫者何、合祭也。毀廟之主、𨻰於太祖、未毀廟之主、皆升合食於太祖。『禮・王制』天子犆礿、祫禘、祫嘗、祫烝。○按凡合祭曰祫、禘嘗烝皆合祭、故皆言祫。據此則知天子別無祫祭。凡諸經傳所言祫皆指禘、嘗、烝之祭也。但烝、嘗二祭、止太祖及羣廟、而禘則上追太祖所自出、下及毀廟之主、其祫較烝、嘗爲大、故『春秋』於文二年八月之禘、書爲大事、而『公羊』釋之爲大祫也。互詳禘字註。
- 音
- カフ
祼
- 説文解字
灌祭也。从示果聲。
- 康煕字典
- 示部八劃
- 《古文》𥚌
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤古玩切、音貫。祭酌鬯以灌地。『詩・大雅』祼將于京。『周禮・春官・大宗伯』以肆獻祼享先王。《註》祼之言灌、灌以鬱鬯、謂始獻尸求神時也。『書・洛誥』王入大室祼。《疏》以圭瓚酌鬱鬯之酒以獻尸、尸受祭而灌於地、因奠不飮謂之祼。
『周禮・春官・典瑞』祼圭有瓚、以肆先王、以祼賓客。《疏》祼皆據祭而言、至於生人飮酒、亦曰祼、故禮記投壷云、奉觴賜灌、是生人飮酒爵行亦曰祼也。○按此則祼與灌通。
- 音
- クヮン
酒を灌ぐ祭儀。
䄟
- 説文解字
數祭也。从示毳聲。讀若舂麥爲䄟之䄟。
- 康煕字典
- 示部十二劃
『五音集韻』充稅切、音㯔。『博雅』謝也。
『說文』數祭也。讀若舂麥爲䄟之䄟。『徐鉉曰』舂麥爲䄟、今無此語。
『集韻』千短切、音㦌。義同。
祝
- 説文解字
祭主贊詞者。从示从人口。一曰从兌省。『易』曰、兌爲口爲巫。
- 康煕字典
- 示部五劃
〔古文〕𥘱『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤之六切、音粥。贊主人饗神者。『說文』祝、祭主贊詞者、从人口、从示。一曰从兌省。易曰、兌爲口、爲巫。『徐曰』按易、兌、悅也、巫所以悅神也。『詩・小雅』工祝致告。『周禮・春官』大祝掌六視之辭。
屬也。『詩・鄘風』素絲祝之。《箋》祝、當作屬。屬、著也。『毛傳』訓織也。
祝融、神名。『虞翻曰』祝、大。融、明也。『韋昭曰』祝、始也。
斷也。『公羊傳・哀十四年』子路死、子曰噫、天祝予。『穀梁傳・哀十三年』祝髮文身。
丁寧也、請求之辭。
國名。『禮・樂記』封帝堯之後於祝。
姓。『左傳』鄭大夫祝𥅆、後漢司徒祝恬。
『集韻』『類篇』𠀤職救切、音晝。『詩・大雅』侯作侯祝。《傳》祝、詛也。《疏》祝。無用牲之文、口告而祝詛之也。『書・無逸』否則厥口詛祝。《疏》以言告神謂之祝、請神加殃謂之詛。
陟慮切、音註。『周禮・天官』瘍醫掌祝藥。《註》祝、讀如注病之注、謂附著藥也。
『集韻』或作呪。亦作詋詶。
- 音
- シュク。シウ。
- 訓
- はふり。いはふ。のりと。
- 解字(白川)
- 示と兄の會意。示は祭卓。兄は祝禱の器を戴く人の形で、巫祝。女巫を巫、男巫を祝といひ、また覡といふ。
- 解字(藤堂)
- 祭壇を表す示と、人のひざまづいたさまの兄の會意。祭壇で祝詞を上げる神職を表す。
- 解字(落合)
- 甲骨文は口と卩の會意。示を加へる字形もある。卩は人が跪坐する形。
- 人が跪いて祈りを唱へる姿といふ説と、白川説(祭器を奉じた人の形)と、いづれが正か判斷は困難。
- 西周金文で卩を儿に替へた字が出現し、後代の字はその形を承ける。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 甲骨文、金文は、示と口と卩に從ふ。口を開けて跪坐する人の形。或は兩手を開いて伸ばす人の形である丮に從ふ。巫祝が神主の前で天を仰ぎ祈る意であらう。本義は祝禱、祝告、また、祭祀をつかさどる人。甲骨文には示に從はざる形もある。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》祝(U+795D; JIS:1-29-43)
- 《人名用許容字體》祝(U+FA51; JIS:1-89-27)
𥛅
- 説文解字
- 𥛽
祝𥛽也。从示畱聲。
- 康煕字典
- 示部十劃
- 《古文》䄂
『唐韻』『集韻』𠀤力救切、音溜。『說文』祝𥛅也。
『集韻』𨻰留切、音儔。義同。
祓
- 説文解字
除惡祭也。从示犮聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤敷勿切、音拂。除災求福也。又潔也、除也。『周禮・春官』女巫掌歲時祓除釁浴。《註》祓除、如今三月上巳如水上之類。『左傳・襄二十五年』祝祓社。
『司馬相如・封禪書』祓飾厥文。『師古註』祓飾者、除去舊事、更飾新文。
『五音集韻』方肺切、音廢。義同。
縣名。在琅邪郡。
通作茀。『爾雅・釋詁』祓、福也。《註》詩、祓祿爾康矣。今詩本作茀。
通作弗。『詩・大雅』以弗無子。《註》弗之言祓也。祓除其無子之疾。
- 音
- フツ
- 訓
- はらふ
- 解字(白川)
- 聲符は犮。犮は犬を犧牲として殺す形。犬牲によつて祓ふことをいふ。
- 解字(藤堂)
- 示と犮の會意。犮は亦た音符。犮は、はらふ、はらひのける、の意。
祈
- 説文解字
求福也。从示斤聲。
- 康煕字典
- 示部四劃
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤渠希切、音旂。『說文』求福也。『書・召誥』祈天永命。『詩・小雅』以祈甘雨。
『爾雅・釋言』叫也。『周禮・春官』大祝掌六祈、以同鬼神示。《註》祈、𡂢也、謂有災變、號呼告於神、以求福。𡂢、音叫。
報也、告也。『詩・大雅』以祈黃耉。《疏》報養黃耉之老人、酌大斗而嘗之、以告黃耉將養之也。
作蘄。『荀子・儒效篇』跨天下而無蘄。
通圻。『書・酒誥』圻父薄違。『詩・小雅』作祈父。『毛萇曰』祈折畿𠀤同。
同祁。『書・君牙』冬祁寒。『禮・緇衣』作祈寒。
『集韻』古委切、音詭。同䃽、祭山名。『周禮・冬官考工記・玉人註』其祈沈以馬。
- 康煕字典・𣄨
- 方部十八劃
『正字通』同祈。晉姜鼎銘、取乃吉金、作寶尊鼎、用𣄨綰綽眉壽、保其子孫。『鍾鼎款識』𣄨、音義同祈。
- 解字(白川)
- 聲符は斤。斤に圻、沂の聲がある。説文解字に祈
福を求むるなり
、祓惡を除く祭なり
とあり、祭にはこの二義があつた。 - 金文に字を𣄨につくり、後期の器銘には旂などの字を用ゐる。みな軍行に當たつて、あるいは遠行に際して、無事を祈願したものであらう。金文にまた匄、介、乞、害などの字を祈求の意に用ゐる。みな聲の近い字である。
- 解字(藤堂)
- 會意。斤は亦た音符。斤は物に斧の刃を近づけたさまの象。すれすれに近附くの意を含む。近の原字。祈は、目指すところに近附かうとして神にいのること。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 甲骨文は、單と斤に從ひ、或は㫃に從ふ。構形初義不明。單は戰爭や狩獵の道具。㫃は旗の初文。孫海波は「蓋し戰時に軍旗の下で禱ることか」と臆測する。甲骨文では地名に用ゐる。
- 金文では𣄨字を用ゐる。𣄨は旂の異體。㫃と單と斤に從ひ、祈求を表す。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》祈(U+7948; JIS:1-21-07)
- 《人名用許容字體》祈(U+FA4E; JIS:1-89-23)
禱
- 説文解字
告事求福也。从示壽聲。
- 𥛇
禱或省。
- 𥜹
籒文禱。
- 康煕字典
- 示部十四劃
- 《古文》𥛈𥛇
『唐韻』『正韻』都皓切『集韻』『韻會』覩老切、𠀤音倒。『說文』告事求福也。『周禮・春官』大祝作六辭、以通上下親疏遠近、五曰禱。《註》如趙文子成室、張老曰、歌於斯、哭於斯、聚國族於斯、君子謂之善頌善禱。
『廣韻』『正韻』都導切『集韻』『韻會』刀號切、𠀤音到。義同。
叶丁口切、音斗。『詩・小雅』吉日維戊、旣伯旣禱。叶下阜醜、戊讀牡。又『易林』白茅醴酒、神巫拜禱。
- 音
- タウ
- 訓
- いのる
- 解字(白川)
- 聲符は壽。壽に檮、濤の聲がある。壽の初形は田疇の形。その田疇の間に、祝禱の器を表す口をしるす形のものが卜文にあり、もと農穀の豐穰を祈る意であつたと思はれる。告、求、禱は、古韻の合する字であるが、田疇の祝告をいふ字とすべきである。譸は詶ふ。禱の對待の義をなす字である。
- 解字(藤堂)
- 原字は長い線に口二つの會意字(𠃬)で、長々と告げること。禱は示と𠃬の會意、𠃬は亦た音符。長々と神に訴へて祈ること。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 示に從ひ壽聲。本義は神に向かつて祝告し福壽を祈求すること。『論語・述而』
子疾病、子路請禱。
- 祝頌(祝福)を表す。『周禮・春官・大祝』
作六辭以通上下、親疏、遠近、一曰辭、二曰命、三曰誥、四曰會、五曰禱、六曰誄。
鄭玄注禱、賀慶言福祚之辭。
- また請求、期望(期待する、望みをかける、期待、望み)を表す。唐・韓愈『薦士』
上言愧無路、日夜惟心禱。
- 表
- 人名用漢字《漢字表字體》祷禱
禜
- 説文解字
設緜蕝爲營、以禳風雨、雪霜、水旱、癘疫於日月星辰山川也。从示、榮省聲。一曰禜、衞、使灾不生。『禮記』曰、雩、禜。祭水旱。
- 康煕字典
- 示部十劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤爲命切、音詠。祭名。『左傳・昭元年』山川之神、則水旱疫癘之災、於是乎禜之。日月星辰之神、則雪霜風雨之不時、於是乎禜之。『周禮・春官』大祝掌六祈、以同鬼神示、四曰禜。『說文』設緜蕝爲營以禳之。『禮疏』禜、壇域也。爲營域而祭之、是除去凶災之祭也。
『廣韻』永兵切、音榮。又『集韻』維傾切、音營。義𠀤同。
- 音
- エイ
- 訓
- まつり。まつる。
禳
- 説文解字
磔禳祀、除癘殃也。古者燧人禜子所造。从示襄聲。
- 康煕字典
- 示部十七劃
『廣韻』『集韻』『韻會』如陽切『正韻』如羊切、𠀤音穰。『說文』磔攘、祀除癘殃也。『徐曰』禳之爲言攘也。『周禮・天官・女祝註』却變異曰禳。
- 音
- ジャウ
- 訓
- はらふ
- 解字(白川)
- 聲符は襄。襄は死者の衣襟のうちに、呪具や祝禱の器を置き、邪靈が死者に憑くことを防ぎ禳ふことを示す字で、禳の初文と見て良い。
- 解字(藤堂)
- 示と攘の略體の會意、攘は亦た音符。攘は拂ひ除けるの意。
禬
- 説文解字
會福祭也。从示从會、會亦聲。『周禮』曰、禬之祝號。
- 康煕字典
- 示部十三劃
『唐韻』『正韻』𠀤古外切、音膾。除殃祭也。『周禮・天官』女祝掌以時招梗禬禳之事也。《註》除災害曰禬、禬猶刮去也。卻變異曰禳。禳、攘也。
『周禮・春官・大宗伯』以禬禮哀圍敗。《註》同盟者會合財貨、以更其所喪。
『說文』會福祭也。
『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤黃外切、音會。義𠀤同。
- 音
- クヮイ
- 訓
- はらひ
禪
- 説文解字
祭天也。从示單聲。
- 康煕字典
- 示部十二劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤時戰切、音繕。封禪。『韻會』築土曰封、除地曰禪。古者天子巡守、至於四岳、則封泰山而祭天、禪小山而祭山川。舜典、歲二月東巡守至于岱宗、柴望秩于山川是也。齊桓公欲封泰山、管仲設辭拒之、謂非有符瑞、不可封禪。至秦始皇惑於神仙之說、欲禱祠以求長生、遂以封禪爲異典。項氏曰、除地爲墠、後改曰禪、神之矣。
代也。禪讓、傳與也。『孟子』唐虞禪。
一作嬗。『前漢・律歷志』堯嬗以天下。『師古往』嬗、古禪讓字也。
通作擅。『荀子・正論篇』堯舜擅遜。《註》與禪同。
作儃。『揚子・法言』允哲堯儃舜之重。《註》同禪。
漢書禪多作䄠。詳䄠字註。
『廣韻』市連切『集韻』『韻會』時連切、𠀤音蟬。靜也。浮圖家有禪說。『傳燈錄』禪有五、外道禪、凡夫禪、小乗禪、大乗禪、最上乗禪。『杜甫詩』虛空不離禪。
- 康煕字典・䄠
- 示部十三劃
『集韻』時戰切、音繕。祭天也。一曰讓也。『前漢・異姓諸侯王表』舜禹受䄠。『韻會』禪、漢書每作䄠、後世遂多通用、惟連言墠壇、則須分別耳。
- 訓
- まつる。ゆづる。しづか。
- 解字(白川)
- 聲符は單。單に闡、蟬の聲がある。封禪のこと。禪とは、祭壇である墠を設けて天を祭る祭儀をいふ。禪讓のとき、その禮を行ふので、禪讓の意となる。
- 解字(藤堂)
- 示と單の會意、單は亦た音符。單はたひら。平らな土の壇の上で天をまつる儀式。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》禅
- 《人名用許容字體》禪
佛敎の禪は、禪那(梵語: dhyāna、巴語: jhāna、静慮)の略。
䄆
- 説文解字
- 𥙱
祀也。从示𠯑聲。
- 康煕字典
- 示部六劃
『廣韻』『集韻』𠀤戸括切、音活。『說文』祀也。本作𥙱、从示𠯑聲。
『集韻』古活切、音括。義同。
『集韻』乎刮切、音秳。『廣雅』法也。
『廣韻』古䫄切、音刮。禳祭名。
『集韻』胡玩切、音換。報神祭也。
禖
- 説文解字
祭也。从示某聲。
- 康煕字典
- 示部九劃
『唐韻』莫桮切『集韻』『韻會』『正韻』謨杯切、𠀤音枚。天子求子祭名。『禮・月令』仲春之月、以太牢祠于高禖、天子親往、后妃率九嬪御、乃禮天子所御、帶以弓韣、授以弓矢、于高禖之前。『𨻰㵆曰』高禖、先禖之神。高、尊之之稱。變媒言禖、神之也。○按『禮・月令』鄭康成註、娀𥳑吞卵生契、後王以爲媒官、嘉祥而立祠、蓋以高辛爲禖神也。據孔疏云、『毛詩』傳、姜嫄從帝祠郊禖、又𥳑狄從帝祈郊禖、是先有禖神矣、此亦足證鄭說之鑿。
- 音
- バイ
𥚩
- 説文解字
祭具也。从示胥聲。
- 康煕字典
- 示部九劃
『唐韻』私呂切『集韻』『類篇』寫與切、𠀤音醑。『說文』祭具。
祳
- 説文解字
社肉、盛以蜃、故謂之祳。天子所以親遺同姓。从示辰聲。『春秋傳』曰、石尚來歸祳。
- 康煕字典
- 示部七劃
『唐韻』時忍切『集韻』是忍切『正韻』時軫切、𠀤辰上聲。同脤。祭社生肉也。『說文』社肉盛以蜃、故謂之祳、天子所以親遺同姓。春秋傳曰、石尚來歸祳。
- 音
- シン
- 訓
- ひもろぎ
祴
- 説文解字
宗廟奏祴樂。从示戒聲。
- 康煕字典
- 示部七劃
『唐韻』古哀切『集韻』『韻會』『正韻』柯開切、𠀤音該。祴夏、古樂章名。『周禮・春官』鐘師以鐘鼓奏九夏、有祴夏。《註》祴讀爲陔鼓之陔。客醉而出、奏陔夏。又『笙師』舂牘應雅、以敎祴樂。《註》祴夏之樂有牘應雅三器、皆舂於地以作聲、客醉而出奏之、以爲行步之節、明不失禮也。
通作陔。『儀禮・鄕飮酒禮』賓出奏陔。《註》陔、陔夏也。陔之言戒也。
『集韻』訖黠切、音頡。義同。
『韻會』居膎切、音佳。塼道也。『周禮・冬官考工記・堂塗註』若今令甓祴。《疏》令音零。甓、薄歷反。今之塼也。祴則塼道者也。
- 音
- カイ
禡
- 説文解字
師行所止、恐有慢其神、下而祀之曰禡。从示馬聲。『周禮』曰、禡於所征之地。
- 康煕字典
- 示部十劃
- 《古文》𢒴
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤莫駕切、音罵。師旅所止地、祭名。『詩・大雅』是類是禡。《傳》於內曰類、於野曰禡。『禮・王制』禡於所征之地。
『集韻』或作貉。『周禮・春官』肆師凡四時之大甸獵、祭表貉則爲位。《註》貉、師祭也。『釋文』莫駕反、鄭音陌。《疏》師祭者。爾雅云、是類是禡、故知貉爲師祭也。祭先世創首造軍法者也。
叶滿補切、音姥。『鼓吹曲』師執提、工執鼓、坐作從節、有序盛矣。允文允武、蒐田表禡。
- 音
- バ
行軍の地に於いて軍神をまつる祭。
禂
- 説文解字
禱牲馬祭也。从示周聲。『詩』曰、旣禡旣禂。
- 𩦑
或从馬、壽省聲。
- 康煕字典
- 示部八劃
『唐韻』都皓切『集韻』『韻會』覩老切、𠀤音倒。與禱通。『說文』禱牲馬祭也。『周禮・春官』甸祝禂牲禂馬、皆掌其祝號。《註》杜子春云、禂、禱也。爲馬禱無疾、爲田禱多獲禽牲。『詩・小雅』旣伯旣禱。《疏》伯、馬祖、天駟房星之神、爲田而禱馬祖、求馬强健。○按杜說『詩』疏禂牲禂馬、總是馬祭一事。鄭康成註『周禮』、不取杜說、謂禂讀如伏誅之誅、今侏大字也。爲牲祭求肥充、爲馬祭求肥健、據此則禂止釋肥大、不切禱意、而禂牲禂馬爲兩事矣、與杜說迥不同。『集韻』『韻會』主鄭說、音追輸切、而又止釋云爲牲祭求肥充、反脫却祭馬一事、不知何解。
『集韻』刀號切、音到。義同。或作䮻𩤫。
- 𩦑 馬部十二劃
『集韻』同䮻。『字彙補』譌作𩤫。
- 䮻 馬部十四劃
『廣韻』都皓切『集韻』覩老切、𠀤音島。『說文』本作禂。《註》禱牲、馬祭也。
『集韻』刀號切、音到。義同。或作𩦑。
- 音
- タウ
- 訓
- いのる
社
- 説文解字
地主也。从示、土。『春秋傳』曰、共工之子句龍爲社神。『周禮』二十五家爲社、各樹其土所宜之木。
- 𥙭
古文社。
- 康煕字典
- 示部三劃
- 《古文》𥙲䄕𥙭
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤常者切、闍上聲。土地神主也。『禮・祭義』建國之神位、右社稷而左宗廟。『詩・小雅』以社以方。《疏》社、五土之神、能生萬物者、以古之有大功者配之。共工氏有子句龍爲后土、能平九州、故祀以爲社。后土、土官之名、故世人謂社爲后土。杜預曰:在家則主中霤、在野則爲社。『白虎通』人非土不立、封土立社、示有土也。『禮・祭法』王爲羣姓立社曰大社、王自爲立社曰王社、諸侯爲百姓立社曰國社、諸侯自爲立社曰侯社、大夫以下成羣立社曰置社。又『郊特牲』社祭土、而主隂氣也。天子大社、必受霜露風雨、以達天地之氣也。○按:社爲地祭、但祭有二祭法、大社卽『郊特牲』所云受霜露風雨、以達天地之氣者、曰方丘、亦曰太折。夏日至、地示之祭、於此行焉、此北郊之社與郊對舉者也。又王社、『載芟』詩序所謂春籍田而祈社稷、『良耜』詩序所謂秋報社稷者、於此行焉、祭土穀之神、而以句龍后稷配、此庫門內右之社、不與郊𠀤稱者也。蓋大社以祭率土之地示、王社以祭畿內之土穀、均名爲社、而大小則不同耳。
私社。『前漢・五行志』建昭五年、兗州刺吏浩賞、禁民私所自立社。『臣瓚註』舊制二十五家爲一社、而民或十家五家共爲田社、是私社也。
書社。『史記・孔子世家』楚昭王將以書社地封孔子。《註》二十五家爲里、里各立社。書社者、書其社之人名於籍。
社日。『月令廣義』立春後五戊爲春社、立秋後五戊爲秋社。
後世賓朋會聚曰結社。『事文類聚』遠公結白蓮社、以書招淵明。又謝靈運求入淨社、遠師以心雜止之。
江淮謂母爲社。『淮南子・說山訓』社何愛速死、吾必悲哭社。
複姓。『風俗通』齊昌徙居社南、因以爲氏。『何氏姓苑』有社北氏。
叶他魯切、音土。『前漢・敘傳』布歷燕齊、叔亦相魯。民思其故、或金或社。
- 解字(白川)
- 聲符は土。土は社の初文。卜文、金文の字形は土主の形。それに酒などを灌ぐ形につくるものがある。産土神をいふ。山川叢林の地はすべて神の住むところで、そこに社樹を植ゑて祀つた。各地に土主があり、その地で儀禮を行ふときは、先づその土主に酒などを灌いで祀る。これを興といふ。重要な祭祀の時には興舞したことが知られる。社の古い形態は、蒙古のオボ―に似てをり、社主の下部を盛土で堅めた。そこに野鼠が棲むので、君側の奸を社鼠といふ。水火を以て攻めがたいからである。
- 解字(藤堂)
- 土は地上に土を盛つた姿。また、その土地の代表的な木を、土地の形代として立てたさま。社は、示と土の會意、土は亦た音符。土地の生産力をまつる土地神の祭。地中に充實した物を外に吐き出す土の生産力を崇めること。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 金文は示と木と土に從ひ、𥙭の形。地主神に對する祭祀の意か。本義は土地の神。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
- 《漢字表字體》社(U+793E; JIS:1-28-50)
- 《人名用許容字體》社(U+FA4C; JIS:1-89-19)
禓
- 説文解字
道上祭。从示昜聲。
- 康煕字典
- 示部九劃
『廣韻』與章切『集韻』『韻會』余章切『正韻』移章切、𠀤音陽。『說文』道上祭也。一曰道神。
『廣韻』式羊切『集韻』『韻會』『正韻』尸羊切、𠀤音商。逐强鬼也。『禮・郊特牲』鄕人禓。《註》禓强鬼、謂時儺索室、毆疫逐强鬼。『集韻』或作𥛙。
祲
- 説文解字
- 祲𥛆
精氣感祥。从示、㑴省聲。『春秋傳』曰、見赤黑之𥛆。
- 康煕字典
- 示部七劃
『廣韻』子心切『集韻』『韻會』咨林切、𠀤音駸。『說文』精氣感祥。又日旁氣。『左傳・昭十五年』吾見赤黑之祲。《註》祲、妖氛也。《疏》隂陽氣相侵、漸成祥者。『周禮・春官』眡祲掌十輝之法。一曰祲。《疏》祲、隂陽氣相侵。赤雲爲陽、黑雲爲隂。
盛也。『班固・東都賦』天官景從、祲威盛容。《註》祲、亦盛也。
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤子鴆切、音浸。又『集韻』七稔切、音寢。義𠀤同。
祲祥、地名。『春秋・昭十一年』盟于祲祥。『音義』七林反。
- 音
- シム
- 訓
- わざわひ
- 解字(白川)
- 聲符は𠬶。𠬶は帚に酒などを注いで、その酒氣を以て祓ひ清める意。説文解字に吉凶の祥の現れることをいふとするが、邪氣をいふことが多い。
- 解字(藤堂)
- 示と𠬶の會意、𠬶は亦た音符。𠬶はじわじわと入り込むの意。
祟
- 説文解字
神禍也。从示从出。
- 𥜱
籒文祟从𥜹省。
- 康煕字典
- 示部五劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤雖遂切、音粹。『說文』神禍也。『徐曰』禍者、人之所召、神因而附之。祟者、神自出之以警人。『左傳・昭元年』實沈臺駘爲祟。又『哀六年』河爲祟。『前漢・江充傳』祟在巫蠱。『師古註』禍咎之徵、鬼神所以示人也。故从出从示。
『集韻』雪律切、音卹。義同。
- 音
- スイ
- 訓
- たたり
- 解字(白川)
- 呪靈を持つ獸の象。卜文、金文の字形は毛深い獸の形。𠭥は祟を手に持つ形、即ち祟は手に持ち得るものである。祟を敺つて、その呪靈によつて人を呪詛することを殺、弑といひ、殺、弑の從ふところが呪獸である祟の形。また㝮はころすの意。祟、𠭥、㝮、殺、弑は一系の字。籒文𥜱は眞に從ふ形につくり、眞は呪靈の盛んな顚死者を示す字。
- 解字(藤堂)
- 示と出の會意、出は亦た音符。神の出だすたたりを表す。
祘
- 説文解字
明視以筭之。从二示。『逸周書』曰、士分民之祘。均分以祘之也。讀若筭。
- 康煕字典
- 示部五劃
『唐韻』『集韻』𠀤蘇貫切、音算。『說文』明視以算之、从二示。逸周書曰、士分民之祘、均分以祘之也。讀若算。『正譌』从二示、會意。
- 音
- サン
- 訓
- かぞへる
- 解字(白川)
- 二示の會意。示は算木を竝べた形で、數を示す。
- 解字(藤堂)
- 縱劃三、横劃二の組二を合はせて計十本の算木の象。算の古字。蒜にも含まれる。
算に同じ。或は算木のこと。
禁
- 説文解字
吉凶之忌也。从示林聲。
- 康煕字典
- 示部八劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤居䕃切、今去聲。制也、勝也、戒也、謹也、止也。『易・繫辭』禁民爲非曰義。
天子所居曰禁。『蔡邕曰』漢制、天子所居門閤有禁、非侍御之臣不得妄入、稱禁中。避元后父名、攺省中。
承酒尊之器。『禮・禮器』大夫士棜禁。《疏》承尊者皆用禁、名之禁者、因爲酒戒也。
樂名。『周禮・春官・鞮鞻氏掌四夷之樂註』東方曰韎、南方曰任、西方曰侏離、北方曰禁。亦作僸。
『說文』吉凶之忌。
『小爾雅』禁、錄也。
姓。
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤居吟切、音金。力所勝也、當也、刧持也。『前漢・咸宣傳』猶弗能禁。
同紟。紟、帶也。『荀子・非十二子篇』其纓禁緩。
- 音
- キム
- 訓
- いむ。とどめる。いましめる。
- 解字(白川)
- 會意。林は林叢。そこを神を祀る聖所とする。もと神の聖域をいひ、のち宮城の意となる。
- 解字(藤堂)
- 會意。神殿の周りに林を巡らし、其の中に勝手に出入りできないやうにすることを示す。
- 表
- 當用漢字・常用漢字
禫
- 説文解字
除服祭也。从示覃聲。
- 康煕字典
- 示部十二劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤徒感切、覃上聲。除服祭名。『禮・閒傳』父母之喪期而小祥、又期而大祥、中月而禫。《疏》中、閒也、大祥後更閒一月爲禫、二十七月也。『釋名』禫孝子之意、澹然哀思益衰也。○按詳禫之說、鄭康成主異月、王肅主同月、今通考『禮』文『檀弓』云、孔子旣祥、五日彈琴而不成聲、十日而成笙歌、又魯人朝祥暮歌、孔子謂踰月則善、又祥而縞是月禫、徙月樂。『喪服四制』云祥之日鼓素琴。『三年問』云:三年之喪、二十五月而畢、則王肅之言爲可據。『士虞禮』『閒傳』皆言中月而禫、謂禫在祥月中也。卽令喪事先遠日、祥或在下旬、然祥後卽禫、亦不害爲中月。鄭氏特據『喪服小記』中一以上、『學記』中年考校兩文、釋中爲閒、遂定爲二十七月、實與經不合。然先儒司馬光朱元晦皆知王說爲是、而不敢昌言正之者、親喪寧厚、且相延已久、不容猝變也。
同澹。『荀子・非十二子篇』种禫其辭。
- 音
- タン
喪明けの祭の名。
新附 舊版
禰
- 説文解字
親廟也。从示爾聲。一本云古文𥜬也。
- 康煕字典
- 示部十四劃
『廣韻』奴禮切『集韻』『韻會』乃禮切『正韻』乃里切、𠀤音瀰。『說文』親廟也。『增韻』父廟曰禰。『公羊傳・隱元年秋七月註』生稱父、死稱考、入廟稱禰。《疏》禰字示旁爾、言雖可入廟是神示、猶自最近於已、故曰禰。
行主亦曰禰。『禮・文王世子』其在軍則守於公禰。《註》公禰、行主也、行以遷主言禰、在外親也。
地名。『詩・邶風』飮餞于禰。
姓。魏禰衡。○按公禰、註疏讀如字、不必依𨻰澔讀作祧、『字彙』乃據此入蕭韻、非也。
- 音
- デイ。ネ。
- 訓
- みたまや
- 表
- 人名用漢字
- 《漢字表字體》祢禰
父の廟のこと。
祧
- 説文解字
遷廟也。从示兆聲。
- 康煕字典
- 示部六劃
- 《古文》𥜔
『廣韻』吐彫切『集韻』『韻會』『正韻』他彫切、𠀤音挑。『說文』遷廟也。『禮・祭法』遠廟爲祧、去祧爲壇。《註》祧之言超也、超上去意也。『周禮・春官』守祧、掌守先王先公之廟祧。《註》遷主所藏曰祧。『左傳・襄九年』以先君之祧處之。《註》諸侯以始祖之廟爲祧。
『集韻』通作庣。
- 音
- テウ
祆
- 説文解字
胡神也。从示天聲。
- 康煕字典
- 示部四劃
『廣韻』呼烟切、音詽。『說文』關中謂天爲祆。
『集韻』他年切、音天。又『集韻』『韻會』𠀤馨烟切、音暄。『正韻』虛延切、音軒。義𠀤同。
官名。唐官品有祆正。
- 音
- ケン
祆教とはゾロアスター教のこと。
祚
- 説文解字
福也。从示乍聲。
- 康煕字典
- 示部五劃
『廣韻』昨誤切『集韻』『韻會』存故切『正韻』靖故切、𠀤音胙。福也、祿也、位也。『詩・大雅』永錫祚胤。《註》祚、福祚。『左傳・宣三年』天祚明德。
歲也。『曹植・元會詩』初歲元祚。『晉書・王沉傳』彈琴詠典、以保年祚。
- 音
- ソ
- 訓
- さいはひ。くらゐ。
補遺
呪
- 康煕字典
- 口部五劃
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤職救切、音䯾。『廣韻』呪詛也。『戰國策』許綰爲我呪。『後漢・王忳傳』忳呪曰:有何枉狀。『關尹子・七釜篇』有誦呪者。
『集韻』通作祝。『書・無逸』民否、則厥心違怨否、則厥口詛祝。『詩・大雅』侯作侯祝。『周禮・春官』有詛祝。
『集韻』或作詶、亦作詋。
- 異體字
- 咒
- 音
- シュ。シウ。
- (慣用音) ジュ
- 訓
- のろふ。まじなふ。
- 解字(白川)
- もと祝につくる。祝に祝頌と呪詛の兩義があり、後に呪詛の字に呪を用ゐる。
- 口と兄の會意。兄は祝禱の器を奉じて祈る人。その呪祝することを呪といふ。
- 説文解字に見えず、後漢以後に呪を用ゐる例がある。
- 解字(藤堂)
- 口と兄の會意。兄は大きい頭の人。もと祝と同じで、人が神前で祈りの文句を唱へること。後、祝は幸ひを祈る場合、呪は不幸を祈る場合に分用されるやうになつた。
- 表
- 常用漢字(平成22年追加)