説文解字私註 菐部
菐部
菐
- 説文解字
瀆菐也。从丵从廾、廾亦聲。凡菐之屬皆从菐。
- 康煕字典
- 艸部八劃
『正字通』丵字之譌。丵字原作业下羊。
- 音
- ホク。ボク。
- 訓
- わづらはしい
- 解字(白川)
- 會意。丵を兩手(廾)で持つ形。上に鑿齒のある木を持つて撲つ形。撲の初文。
- 解字(藤堂)
- 丵(ぎざぎざしたもの)と廾(兩手)の會意。荒削り、粗雜などの意を示す。
僕
- 説文解字
給事者。从人从菐、菐亦聲。
- 䑑
古文从臣。
- 康煕字典
- 人部十二劃
- 《古文》䑑
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤蒲沃切、蓬入聲。『說文』給事者。『禮・禮運』仕于公曰臣、仕于家曰僕。『周禮・春官』車僕掌戎路。廣車、闕車、苹車、輕車之萃。《註》車僕、主供副車者。僕猶御也、萃猶副也。謂供副車、以待乏用也。五車皆兵車也。又司僕、官名。『五代史・百官志』唐龍朔中、改太保曰司馭、又改爲司僕。齊職儀衆僕之長曰太僕、掌輿馬。明制有太僕寺。
御車曰僕。『論語』冉有僕。
僕隷、賤役。『左傳・僖二十四年』秦伯送衞于晉三千人、實紀綱之僕。
自謙之辭。『前漢・韋玄成傳』自稱爲僕、𤰞辭也。
辱也。『戰國策』傳命僕官。
徒也。『莊子・則陽篇』仲尼曰、是聖人僕也。《註》猶言聖人之徒也。
僕僕、煩猥貌。
附也。『詩・大雅』君子萬年、景命有僕。
隱也。『左傳・昭七年』楚芋尹無宇曰、吾先君文王、作僕區之法、曰、盜所隱器、與盜同罪。《註》僕區、𠛬書名。區、匿也、作爲隱匿亡人之法。
虎僕、獸名。『博物志』羽民國有獸、文似豹、名虎僕、毛可爲筆。
僕纍、蝸牛也。『山海經』靑要之山、多僕纍蒲盧。《註》僕纍一名蚹贏。蒲盧、細腰蟲、蠮螉也。
姓。漢僕朋、宋僕斗、南明僕淮。
『集韻』普木切、音撲。羣飛貌。『莊子・天運篇』蚉蝱僕緣。
叶鼻墨切、音匐。『柳宗元・佩韋賦』尼父戮齊而誅卯兮、本柔仁以作極。蘭竦顏以誚秦兮、入降廉猶臣僕。
- 訓
- しもべ。やつがれ。ともがら。
- 解字(白川)
- 形聲。聲符は菐。卜文では禮冠を戴き儀禮に從ふ者の形につくり、その奉ずる器は辛の形に似てをり、宰牲のことに當たるものかと思はれる。古文は臣に從ひ、臣は神に事へるものであつた。必ずしも下僕の意ではない。後に卑賤の稱となり、自稱としても用ゐる。
- 解字(藤堂)
- 菐の甲骨文は、奴隸が供へ物を捧げるさまに、その奴隸の頭に入墨をする辛を加へ、下部に尻尾を添へた姿を描いた象形字で、獸に近いさまを示す。金文は二子を含み、年少の從者を示す。僕は人と菐の會意、菐は亦た音符。荒削りで作法を知らない下賤の者の意を含む。轉じて、謙遜するときの一人稱代名詞ともなつた。
- 解字(漢字多功能字庫)
- 甲骨文、金文は、其と辛と人と尾と數點に從ひ、僕人が手にごみを載せた箕を持ち相似をするさまを象り、本義は奴隸、僕人。其は後に甾に變化し、兩手が辛の下方に移動し、人身が偏に變はり、辛の形が丵に變はり、丵と僕の音は同じで、僕の聲符となつた。戰國文字は臣に從ひ、䑑につくる。尾があるのは侮辱の意とされる。
- 戰國竹簡では、樸の通假字となす。
- 表
- 常用漢字
𠔯
- 説文解字
賦事也。从菐从八。八、分之也。八亦聲。讀若頒。一曰讀若非。
- 康煕字典
- 八部十二劃
『廣韻』布還切『集韻』逋還切、𠀤音班。賤事之貌。