垂 - 漢字私註
説文解字
𠂹部𠂹字條
艸木華葉𠂹。象形。凡𠂹之屬皆从𠂹。是爲切
- 六・𠂹部
古文。
説文解字注
艸木華葉𠂹。引伸爲凡下𠂹之偁。今字𡍮行而𠂹廢矣。象形。象其莖枝華葉也。此篆各書中直。惟『廣韵〔上平〕五支』及夢英所書作𠃀。是爲切。古音在十七部。凡𠂹之屬皆从𠂹。
古文。『地理志』曰、武功𡍮山、古文㠯爲敦物。豈古文𠂹與物字相似故與。
土部垂字條
遠邊也。从土𠂹聲。是爲切。
- 十三・土部
説文解字注
遠邊也。《辵部曰。邊者、行𡍮崖也。𡍮者、遠邊也。崖者、高邊也。邊本謂行於𡍮崖。因之𡍮崖有遠邊高邊之偁。厓有山邊之偁矣。『〔莊子〕逍遙游』。翼若𡍮天之雲。崔云、𡍮猶邊也。其大如天一面雲也。『漢書〔爰盎晁錯傳〕』千金之子、坐不𡍮堂。謂坐不於堂之邊也。𡍮本謂遠邊。引申之、凡邊皆曰𡍮。俗書邊𡍮字作𨼦。乃由用𡍮爲𠂹。不得不用𨼦爲𡍮矣。𨸏部曰、。𨼦、危也。則無邊義。从土𠂹聲。是爲切。古音在十七部。
康煕字典
- 部・劃數
- 土部五劃
- 古文
- 𡍮
- 𠄒
- 𠂹
- 𠣔
『唐韻』『集韻』𠀤是爲切、音甀。自上縋下。『易・大傳』黃帝堯舜垂衣裳而天下治。『詩・小雅』垂帶而厲。
又布也。『後漢・鄧禹傳』垂功名於竹帛。
又同陲。堂之盡處近階者。『書・顧命』一人冕執戣、立于東垂。一人冕執瞿、立于西垂。『史記・袁盎傳』臣閒千金之子、坐不垂堂。
又邊垂。『左傳・成十三年』虔劉我邊垂。『前漢・谷永傳』方今四垂宴然。
又地名。『春秋・隱八年』宋公衞侯遇于垂。《註》垂、衞地、濟隂句陽縣東北有垂亭。『宣八年』仲遂卒于垂。《註》齊地。
又『集韻』馳僞切、音縋。鄉名。在縣。
又『集韻』樹僞切『正韻』殊僞切、𠀤音瑞。『書・舜典』垂共工。陸德明讀。
又將及也。杜甫有垂老別詩。
- 部・劃數
- 土部九劃
『集韻』垂古作𡍮。註詳六畫。
- 部・劃數
- 丿部九劃
『玉篇』古文垂字。註詳土部五畫。艸木華葉𠂹也、象手下𠂹。
俗用𡍮、乃邊𡍮也。
- 部・劃數
- 亅部三劃
『說文』古文垂字。註詳土部五畫。
- 部・劃數
- 勹部五劃
『玉篇』古文垂宇。註見土部五畫。
廣韻
- 四聲・韻・小韻
- 上平聲・支・𡍮
- 反切
- 是爲切
幾也。疆也。『說文』曰、遠邊也。
是爲切。十。
- 四聲・韻・小韻
- 上平聲・支・𡍮
- 反切
- 是爲切
上〔𡍮〕同。
- 四聲・韻・小韻
- 上平聲・支・𡍮
- 反切
- 是爲切
草木葉縣。
異體字
或體。
音訓
- 音
- スイ(漢) 〈『廣韻・上平聲・支・𡍮』是爲切〉[chuí]{seoi4}
- 訓
- たれる。たらす。ほとり。なんなんとする。
解字
白川
垂は𠂹と土の會意。𠂹は『説文解字』に艸木の華葉𠂹る。象形。
とあり、その垂れて土に達すると垂といふ。
『説文解字』に遠邊なり
とするが、その字には陲を用ゐる。
垂下の意より垂示、垂教、また、まさに達せんとする狀態を垂老、垂死のやうにいふ。
藤堂
垂は、穗の垂れた形(補註: 𠂹に當たる)と土の會意、↓型に垂れる意を持つ。
本來はその上半分(𠂹)だけで垂れる意を表し、土を加へた垂字は、陲、埵と同じく、邊埵の地(遠く垂れた地の果て)のことであつたが、動詞の意味は垂で代表するのが習慣となつた。
落合
垂は東周代に初出。初出の字形は、𠌶、華の初形に字形が近く、同源の分化字と見るべきで、花瓣が垂れ下がつてゐるところから「垂れる」の意に轉用されたものであらう。
漢字多功能字庫
垂は、土に從ひ𠂹聲。本義は果て、邊疆。後には陲につくる。『荀子・臣道』邊境之臣處、則疆垂不喪。
楊倞注垂與陲同。
用義は次のとほり。
- そば、かたはら。ほとり。『書・顧命』
一人冕執戣、立於東垂。一人冕執瞿、立於西垂。」孫星衍疏「「垂是邊、蓋堂下之邊也。
- ぶら下げること。『詩・小雅・都人士』
彼都人士、垂帶而厲。
- 落ちること。滴り落ちること。『荀子・禮論』
垂涕恐懼、然而幸生之心未已、持生之意未輟也。
- 將近(時間や量が近附くこと、ほぼ〜であること)。なんなんとすること。『東觀漢記・韋豹傳』
今歲垂盡當辟、御史意在相薦。
屬性
- 垂
- U+5782
- JIS: 1-31-66
- 當用漢字・常用漢字
- 𡍮
- U+2136E
- 𠂹
- U+200B9
- 𠄒
- U+20112
- 𠣔
- U+208D4
- 𢏒
- U+223D2
- 𠃀
- U+200C0
関聯字
𠂹に從ふ字を漢字私註部別一覽・𠂹部に蒐める。
垂に從ふ字を漢字私註部別一覽・𠂹部・垂枝に蒐める。