嬰 - 漢字私註
説文解字
- 嬰
頸飾也。从女、賏。賏、其連也。
- 十二・女部
康煕字典
- 部・劃數
- 女部十四劃
『廣韻』於盈切『集韻』伊盈切『正韻』於京切、𠀤音纓。『釋名』人始生曰嬰兒。胷前曰嬰、抱之嬰前、乳養之、故曰嬰。一曰女曰嬰、男曰孩。
又『六書故』女首飾也。嬰、所以飾也。『荀子・富國篇』處女嬰寶珠。別作瓔。
又加也。『賈誼・治安策』嬰之以芒刃。
又觸也。『韓非子・說難』龍喉下逆鱗、嬰之則殺人。
又繞也。『後漢・卓茂傳』嬰城者相望。
又縈也、絆也。『陸機詩』世網嬰吾身。『張九齡詩』形隨世網嬰。
又山名。『隋圖經』嬰山、幷州之主山。又『山海經』金星之山、多天嬰、其狀如龍骨。
又九嬰、水火之怪。『淮南子・本經訓』堯使誅九嬰于凶水之上。
又盂也。與罌通。『𥠇天子傳』黃金之嬰之屬。
又姓。晉季膺之後。別作賏。
又『集韻』於慶切、音映。關中謂孩子曰嬰。
又於正切、音郢。嬰累、弱也。一曰絆也。
異體字
簡体字。
音訓
- 音
- エイ(漢)
- 訓
- みどりご。くびかざり。ふれる。かける。めぐらす。めぐる。
解字
白川
賏と女の會意。賏は纓の初文で、貝の首飾り。呪具として新生の女子の首に加へた。その子を嬰兒といふ。
説文解字に頸飾なり
とするが、その字には纓を用ゐる。
藤堂
女と二貝(貝を竝べた首飾り)の會意。首飾りをつけた女の子のこと。
また、延々と泣く赤子の泣き聲を表す擬聲語とも考へられる。
漢字多功能字庫
金文は女と一つあるいは二つの貝に從ふ。女子が首に貝の飾りをつける意。
金文では人名や姓氏に用ゐる。
- 王子嬰次鐘
王子嬰次自乍(作)龢鐘、永用匽喜
。王國維は嬰次を楚の令尹子重嬰齊(補註: 楚の穆王の子で莊王の弟。)のこととする。 - 『通志・氏族略四』
嬰氏、嬴姓。『風俗通』云、晉大夫趙嬰齊之後。
屬性
- 嬰
- U+5B30
- JIS: 1-17-37
- 婴
- U+5A74
関聯字
嬰聲の字
- 嚶
- 鸚
- 櫻
- 𨟙
- 癭
- 廮
- 纓