巧 - 漢字私註
説文解字
技也。从工丂聲。苦絞切。
- 五・工部
説文解字注
技也。《手部》曰、技、巧也。从工丂聲。苦浩切。古音在三部。《丂部》曰、古文以丂爲丂。〔註1〕
- 註1: 丂部丂字條には
丂、古文以爲亏字、又以爲巧字。
とある。
康煕字典
- 部・劃數
- 工部二劃
- 古文
- 丂
- 𢩨
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤苦絞切、敲上聲。『說文』技也。『廣韻』能也、善也。『韻會』機巧也。『周禮・冬官考工記』天有時、地有氣、材有美、工有巧。合此四者、然後可以爲良。『山海經』義均始爲巧、倕始作下民百巧。
又『增韻』拙之反。『韻會』黠慧也。『老子・道德經』大巧若拙。『淮南子・主術訓』是故有大略者、不可責以捷巧。
又『廣韻』好也。『詩・衞風』巧笑倩兮。
又『韻會』射者工于命中曰巧。『孟子』知譬則巧也。
又『廣韻』僞也。『詩・小雅』巧言如簧、顏之厚矣。《傳》出言虛僞、而不知慚於人。『禮・月令』毋或作淫巧。《註》淫巧、謂僞飾不如法也。
又『廣韻』苦敎切。『集韻』『韻會』『正韻』口敎切、𠀤敲去聲。義同。
又叶去九切、音糗。『前漢・司馬遷傳』聖人不巧、時變是守。
- 部・劃數
- 手部二劃
『玉篇』『集韻』𠀤古文巧字。註詳工部二畫。
音訓
- 音
- カウ(漢) 〈『廣韻・上聲・巧・巧』苦敎切〉[qiǎo]{haau2/kiu2}
- 訓
- わざ。たくみ。よい。うるはしい。いつはり。うはべ。
解字
白川
『説文解字』に技なり
と技巧の意とし、工を亦聲とする。(補註: 『説文解字』が丂聲とするのとは食ひ違ふ。また『字通』丂字條に、巧は丂の聲義を承ける亦聲字としてをり、混亂があるやうにも思へる。)
工作についていふ字であるが、巧言、巧美など、人の言動に及ぼしていふ。
藤堂
工と音符丂の會意兼形聲。丂は曲線が上につかへたさまで、細かく屈曲する意を含む。
漢字多功能字庫
工に從ひ丂聲。本義は技巧、技藝。『周禮・考工記序』天有時、地有氣、材有美、工有巧。合此四者、然後可以為良。
用義は次のとほり。
- 機巧(からくり、巧みな細工、巧智)、靈巧(器用なこと、簡便なこと、素早いこと)を表す。『孫子・九地』
故為兵之事、在於順詳敵之意、並敵一向、千里殺將、此謂巧能成事者也。
梅堯臣注能順敵而取勝、機巧者也。
- 擅長(得意とすること)、善於(上手いこと)を表す。『荀子・哀公』
昔舜巧於使民、而造父巧於使馬。
- 工巧、精緻を表す。『書・泰誓下』
郊社不修、宗廟不享、作奇技淫巧以悅婦人。
孔穎達疏淫巧、謂過度工巧。
- 虛僞、欺詐を表す。『老子』
絕巧棄利、盜賊無有。
- 恰好、湊巧(都合が良いこと)を表す。唐・韓愈〈符讀書城南〉
兩家各生子、孩提巧相如。少長聚嬉戲、不殊同隊魚。
屬性
- 巧
- U+5DE7
- JIS: 1-25-10
- 當用漢字・常用漢字
- 𢩨
- U+22A68