什 - 漢字私註

説文解字

什
相什保也。从
人部

康煕字典

部・劃數
人部二劃

『唐韻』『韻會』𠀤是執切、音十。十人爲什。又古者師行、二五爲什。凡食器之類必共之、故曰什物什器。『史記・五帝紀註』什物謂常用者、其數非一、故云什。

又篇什。《朱子曰》詩雅頌無諸國之別、故十篇爲一卷、猶軍法十人爲什也。『五經通義』國風多寡不等、不稱什。雅頌十篇爲聮、惟魚藻、蕩及閔予小子、雖無過乎什、亦稱什、舉成數耳。若不及者、如駉頌四篇、𨙻頌五篇、皆不稱什也。

音訓・用義

ジフ(呉) シフ(漢) 〈『廣韻・入聲・緝・十』是執切〉[shí]{sap6}
とを

種々のもの、日用のものを、什器、什物といふ。

『詩』の『雅』『頌』の十篇で一卷を成すひとまとまりのこと。轉じて詩篇のこと。

什麼は近世の俗語。ジフマ、ソモと讀み、いかんと訓じ、いかに、なに、の意の疑問詞。恁麽に同じ。この場合は、官話でshén、粤語でsam6に讀むらしい。

解字

白川

の會意。什は十人、五人を合文としたもので、甲骨文にその書法がある。

説文解字に相ひ什保するなりとあつて、隣保の制をいふ。

『詩』の『雅』『頌』は十篇づつを倂せて「鹿鳴之什」「淸廟之什」のやうにいふ。

分數を示すときにも用ゐ、什三は十分の三の意。

藤堂

と音符の會意兼形聲。十人を表す。

漢字多功能字庫

十個で一單位となすを表す。先秦典籍に本義に用ゐる。『左傳・昭公元年』以什共車、必克。宋詩でも本義に用ゐる。宋・陳亮〈謫仙歌〉歌其什、鬼神泣。

またと同じく用ゐる。漢・賈誼〈過秦論上〉嘗以什倍之地、百萬之眾、仰關而攻秦。

什は唐宋以後、今日に至るまで、代詞に用ゐ、疑問を表す。

屬性

U+4EC0
JIS: 1-29-26