鉞 - 漢字私註

説文解字

鉞
車鑾聲也。从聲。『詩』曰、鑾聲鉞鉞。
十四金部

康煕字典

部・劃數
金部五劃

『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤王伐切、音越。『廣雅』鉞、斧也。『書・牧誓』王左杖黃鉞。『左傳・昭十五年』鏚鉞秬鬯。《疏》鉞大而斧小。『太公・六韜』大柯斧重八斤。一名天鉞。『釋名』鉞、豁也。所向莫敢當前、豁然破散也。

又星名。『史記・天官書』東井爲水事、其西曲星曰鉞。

『說文』本作戉、大斧。鉞、車鑾聲、呼會切、引【詩】鑾聲鉞鉞。《徐鉉曰》俗作。以鉞作斧戉之戉。非是。『正字通』按徐說迂曲難通。『說文』䋐越狘皆从戉聲、鉞从戉、讀若誨、別訓鑾聲、自相矛盾。徐渭俗作鐬非、不知从戉無嘒聲、尤非。古作戉。司馬法、从戉。詩書周禮史傳、𠀤从鉞。鉞當卽戉之重文也。

異體字

簡体字。

音訓

ヱツ(漢) 〈『廣韻・入聲・月・越』王伐切〉
まさかり

解字

白川

形聲。聲符は。戉は鉞の初文で象形。

『説文解字』戉字條に斧なりとし、また鉞字條に車の鑾聲なりとし、『詩』の鑾聲鉞鉞の句を引くが、『詩・小雅・庭燎』『詩・魯頌・泮水』に鸞聲噦噦に作り、その字はで三家詩の異文、鉞とは別の字。『説文解字』の附音「呼會切」は、字を鐬と誤るもの。

藤堂

と音符の會意兼形聲。戉はまさかりの形を描いた象形字。

鉞鉞クヮイクヮイとは、車につけた鈴の音の形容。「噦噦」に當てた用法。

落合

鉞はに意符としてを加へた繁文(戉亦聲の形聲字)であり、篆文で作られた。

屬性

U+925E
JIS: 1-78-72
U+94BA