毛 - 漢字私註
説文解字
眉髮之屬及獸毛也。象形。凡毛之屬皆从毛。莫袍切。
- 八・毛部
説文解字注
睂髮之屬及獸毛也。眉者「目上毛也」。髮者「首上毛也」。而者「須也」。須者、而也、「𦣞下之毛也」。𩓾者「頰須也」。頾、「口上須也」。「及獸毛」者、貴人賤畜也。
象形。莫袍切。古音二部。
凡毛之屬皆从毛。
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『唐韻』莫袍切『集韻』『韻會』謨袍切、𠀤音旄。〔音1〕『說文』眉髮之屬、及獸毛也。『釋名』毛、貌也、冒也、在表所以別形貌、自覆冒也。『詩・小雅』不屬于毛。《註》毛者、體骨之餘氣末屬也。『周禮・秋官』『司儀』王燕、則諸侯毛。『鄭註』謂以須髮坐也。『齊語』班序顚毛、以爲民紀。《註》顚、頂也。毛、髮也。次列頂髮之白黑、使長幼有等。
又髮班白曰二毛。『禮・檀弓』古之征伐者、不獲二毛。
又獸爲毛蟲。『周禮・地官』以土會之灋、辨五地之物生。一曰山林、其動物宜毛物。《註》毛物、貂、狐、貒、貉之屬、縟毛者也。『禮・月令』孟秋之月、其蟲毛。又『樂記』羽者嫗伏、毛者孕鬻。『正義曰』羽、鳥也。毛、獸也。
又犧牲純色曰毛。『史記・三王世家』魯有白牡、騂剛之牲、羣公不毛。《註》何休曰、不毛、不純毛也。
又草也。『左傳・隱三年』㵎溪沼沚之毛。〔引用1〕又『昭七年』食土之毛、誰非君臣。
又桑麻五穀之屬皆曰毛。『周禮・地官・載師』凡宅不毛者、有里布。《註》鄭司農云、謂不種桑麻也。『公羊傳・宣十二年』錫之不毛之地。《註》不毛者、磽确不生五穀。又『崔豹・古今注』地以名山爲輔、石爲之骨、川爲之脈、草木爲之毛。
又去毛曰毛。『詩・魯頌』毛炰胾羹。《註》毛炰、爛去其毛而炰之。
又柔毛、羊也。『禮・曲禮』羊曰柔毛。
又莎草曰地毛。見『廣雅』。又扻毛、鹽草也。見『雷斆・炮炙序』。
又『高麗方言』謂苧曰毛、苧布曰毛施背、見『雞林類事』。又閩南人謂毛曰膜。見『井觀瑣言』。又梵言欽跋羅、此云毛。顩缽羅、『西域記』云織細羊毛。褐賴縭、『西域記』云織野獸毛。
又國名。又姓。『左傳・僖二十四年』魯衞毛耼、文之昭也。『廣韻』周武王弟毛公、後以爲氏。本居鉅鹿、避讎滎陽。漢毛亨治『詩』、作訓詁傳以授從子萇、時稱亨爲大毛公、萇爲小毛公。
又竹名。『顧愷之・竹譜』南嶺有毛竹。『劉美之・續竹譜』毛竹、生武夷山。『李商隱詩』武夷洞裏毛生竹。
又與髦通。『儀禮・士喪禮』馬不齊髦。《註》今文髦爲毛。
亦作㲝。『周禮・天官・司裘註』中秋鳥獸㲝毨。
亦作旄。『史記・夏本紀』羽旄齒革。
又『集韻』莫報切、音帽。〔音2〕擇也、鄭康成說。或从手作㧌。通作芼。
又蒙晡切、音模。『佩觿集』河朔謂無曰毛。『後漢・馮衍傳』饑者毛食。《註》太子賢曰、案『衍集』作無、今俗語猶然者、豈古語亦通乎。當讀如模。
『集韻』又作𦒷。
音訓義
- 音
- モウ(呉) ボウ(漢) モ(慣)⦅一⦆
- ボウ(推)⦅二⦆
- 訓
- け⦅一⦆
- 官話
- máo⦅一⦆
- 粤語
- mou4⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・下平聲・豪・毛』莫袍切
- 『集韻・平聲三・𩫞第六・毛』謨袍切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・豪第十四・明一毛』莫袍切
- 聲母
- 明(重脣音・次濁)
- 等呼
- 一
- 官話
- máo
- 粤語
- mou4
- 日本語音
- モウ(呉)
- ボウ(漢)
- モ(慣)
- 訓
- け
- 義
- 動植物の表面に生える絲狀のもの。體毛。
- 特に髮の毛を指す。二毛は白髮交じりの謂ひ。
- 地表に生える植物、作物。
- 獸。毛皮。
- 細かい。
- 小さい。微々たる。取るに足らぬ。
- 出來が粗い。
- 本邦では毛野の略。上毛、兩毛など。
- 釋
- 『廣韻』
毛: 『說文』曰「眉髮及獸毛也」。亦姓。本自周武王母弟毛公後、以爲氏、本居鉅鹿、避讎滎陽也。莫袍切、一十。
- 『集韻』
毛㲝𦒷: 謨袍切。『說文』「眉髦之屬及獸毛也」。又姓。或作㲝𦒷。文二十五。
- 『康煕字典』上揭。
⦅二⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・号・冃』莫報切
- 『集韻・去聲下・号第三十七・冃』莫報切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・号第十四・明一冃』莫報切
- 聲母
- 明(重脣音・次濁)
- 等呼
- 一
- 日本語音
- ボウ(推)
- 釋
- 『廣韻』
毛: 毛鷹鷂鸇。
- 『集韻』
毛㧌: 擇也、鄭康成說。或从手〔㧌〕、通作芼。
- 『康煕字典』上揭。
解字
白川
象形。毛の形に象る。
『説文解字』に眉髮の屬、及び獸毛なり
とあり、體毛をいふ。
また地表に生ずる草をもいひ、『左傳・隱三年』(上揭)㵎溪沼沚の毛
は水草。これを取つて神饌とした。
不作の地を不毛といふ。
藤堂
象形。細い毛を描いたもので、細く小さい意を含む。
落合
長い毛髪や毛の生えた尻尾の象形。甲骨文では單獨の用例がない。
漢字多功能字庫
毛は人の毛髮や禽獸の羽毛に象る。
金文の毛は人獸の毛髮の形に象り、あるいは毛弔盤のやうに縱劃の下に點を加へて裝飾となす。戰國文字では、上博簡や包山楚簡などの字形のやうに、加點を延ばして短い橫劃となす。
金文での用義は次のとほり。
- 國名に用ゐる。文王の子の子毛叔鄭は毛に封じられ、その後、毛を氏となす。その地は今の河南省宜陽縣にある。班簋
王令毛白(伯)更(賡)虢城公服。
は、王が毛伯に命じて虢城公の職を繼がしむるの意。 - 人名に用ゐる。召伯毛鬲
召白(伯)毛乍(作)王母尊鬲。
- また毛を讀んで旄となし、旗竿の頂上の犛牛の尾でつくる飾りを指す。嫊奚鼎にある
毛兩
をそのやうに解く。
毛髮は多く細碎(小刻み、途切れ途切れ、ばらばら)であるから、毛字に細微の意を派生する。毛細管、毛毛雨(霧雨、小糠雨)など。
屬性
- 毛
- U+6BDB
- JIS: 1-44-51
- 當用漢字・常用漢字
關聯字
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