髦 - 漢字私註

説文解字

髦

髮也。从莫袍切。

髟部

説文解字注

髦

髦髮也。三字句。各本刪髦字、作「髮也」二字。此如巂下之刪雟作「周燕也」、離下之刪離、偓下之刪偓、江河等下之刪江河等字皆不可通。今補。玄應『佛書音義』卷二引『說文』髦髮也。謂髮中之髦也。卷五引『說文』髦髮也。髮中豪者也。下句乃古注語。上句亦奪一髦字、不可讀。髮中之秀出者、謂之髦髮。『漢書』謂之壯髮。馬鬣偁髦、亦其意也。詩三言髦士。『爾雅』、《毛傳》皆曰、髦、俊也。『釋文』云、毛中之長豪曰髦。士之俊傑者借譬爲名。此引伸之義也。古亦假髦爲毛字。『旣夕禮・注』曰、今文髦爲毛。是今文『禮』叚毛爲髦也。

从髟毛。髮之秀者曰毛。猶角之好者曰角。毛亦聲。莫袍切。二部。

康煕字典

部・劃數
髟部・四劃

『唐韻』莫袍切『集韻』『韻會』謨袍切、𠀤音毛。音1『說文』髮也。『釋名』髦、冒也。覆冒頭頸也。『詩・鄘風』髧彼兩髦。《傳》髦者、髮至眉、子事父母之飾。『儀禮・旣夕』主人說髦。《註》兒生三月、翦髮爲鬌、男角女羈、否則男左女右、長大猶爲飾存之、謂之髦。所以順父母幼小之心。『左傳・昭九年』豈如弁髦、而因以敝之。『小爾雅』弁髦、太古冠冠而敝者也。

又『詩・小雅』烝我髦士。《傳》髦、俊也。『爾雅・釋言』髦、選也。《疏》毛中之長毫曰髦、士之俊選者也。

又馬鬣。『儀禮・旣夕』馬不齊髦。《註》齊翦也。『禮・曲禮』乗髦馬。《疏》不鬄落鬃鬣。

又『正字通』牛長髦者爲髦牛。『史記・西南夷傳』取其筰馬、𤏡僮、髦牛。

又丘名。『釋名』前高曰髦丘、如馬舉頭垂髦也。

又『揚子・方言』螳蜋謂之髦。

又『集韻』迷浮切、音謀。音2『詩・小雅』如蠻如髦。《箋》髦、西夷別名。武王伐紂、八國從焉。《疏》【〔書〕牧誓】曰「及庸蜀羌髳微盧彭濮」。彼此髦、音義同也。『釋文』髦、舊音毛。尋毛鄭之意、當與尚書同、音莫侯反。

『集韻』本作𩭾、或作髳。

音訓義

ボウ(漢) モウ(呉)⦅一⦆
ボウ(推)⦅二⦆
バウ(推)⦅三⦆
たれがみ⦅一⦆⦅二⦆
たてがみ⦅一⦆
官話
máo⦅一⦆
粤語
mou4⦅一⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・下平聲』莫袍切
集韻・平聲三𩫞第六』謨袍切
『五音集韻・中平聲卷第四・豪第十四・明一毛』莫袍切
聲母
明(重脣音・次濁)
等呼
官話
máo
粤語
mou4
日本語音
ボウ(漢)
モウ(呉)
たれがみ
たてがみ
子供の前髮の垂れて眉に掛かるもの。髦髫はさげがみの子供。
毛の中で特に長いもの。轉じて拔きん出た人を指す。髦士。髦俊。
馬のたてがみ
『廣韻』: 髦鬣也、髦俊也。
『集韻』: 『說文』髮也。『爾雅〔釋言〕』髦士官也。
『康煕字典』上揭

⦅二⦆

反切
廣韻・下平聲・尤・謀』莫浮切
集韻・平聲四・矦第十九・謀』迷浮切
『五音集韻・下平聲卷第六・尤第八・微三謀』莫浮切
聲母
微(輕脣音・次濁)
等呼
日本語音
ボウ(推)
たれがみ
垂れ髮。𩭾に同じ。
西夷の別名。に同じ。
『集韻』𩭾髳髦: 髮至眉也。或省亦作髦。
『康煕字典』上揭

⦅三⦆

反切
集韻・平聲三爻第五』謨交切
『五音集韻・中平聲卷第四・肴第十三・明二茅』莫交切
聲母
明(重脣音・次濁)
等呼
日本語音
バウ(推)
犛に同じ。
『集韻』犛氂斄髦: 『說文』西南夷有長髦牛也。或作氂斄髦。通作貓。

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』に髮なりとし、字を會意とするが、髟部の字は概ね形聲である。

《音義》類に引く『説文解字』の文に髮中の髦を謂ふなり髮中のながき者なりとあり、豪毛をいふ。

人に及ぼして、その俊傑なる者を俊髦といふ。

幼兒の髮を左右に振り分けたものを兩髦といひ、幼兒の意に用ゐる。

藤堂

(髮の毛)と音符(細く長い毛)の會意兼形聲。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。本義は馬のたてがみ。『儀禮・既夕禮』馬不齊髦。鄭玄注齊、翦也。今文髦為毛。

髦はまた廣く動物の頭や頸の長毛を指す。『山海經・南山經』(亶爰之山)有獸焉、其狀如貍而有髦、其名曰類。

また英俊傑出の士を指す。『新唐書・文藝傳中・李適』季卿在朝、薦進才髦、與人交、有終始、恢博君子也。

また古代の兒童の頭髮の下に垂れて眉に至る髮形の一種を表す。『詩・鄘風・柏舟』髧彼兩髦。毛傳髦者、髮至眉、子事父母之飾。

また代へて兒童を指す。清厲鶚〈五月二十五日艮山門外晚眺〉幾家叢薄徑微窄、稚髦闖籬窺過客。

屬性

U+9AE6
JIS: 1-81-88