矛 - 漢字私註

説文解字

矛
酋矛也。建於兵車、長二丈。象形。凡矛之屬皆从矛。
十四矛部
𢧟
古文矛从

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𨥨
𢦧
𥍥

『唐韻』莫浮切『集韻』『韻會』迷浮切、𠀤音謀。『說文』酋矛也。建於兵車、長二丈、象形。《徐曰》鉤兵也。『書・牧誓』立爾矛。《傳》矛長、故立之於地。『詩・秦風』厹矛鋈錞。《傳》三隅矛也。『禮・曲禮』進矛戟者前其鐓。《疏》矛如鋋而三廉也。『周禮・冬官考工記・廬人』酋矛常有四尺、夷矛三尋。《註》八尺曰尋、倍尋爲常。酋夷、長短名。『史記・仲尼弟子傳』越使大夫種以屈盧之矛賀吳王。『尉繚子・制談篇』殺人於五十步之內者、矛戟也。『揚子・方言』矛、吳揚江淮南楚五湖之閒謂之鍦、或謂之鋋、或謂之鏦。

又言不相副曰矛盾。『韓非子・難一篇』楚人譽其盾之堅曰、物莫能陷也。又譽其矛之利曰、物無不陷也。或曰以子之矛、陷子之盾、何如。其人弗能應。此矛盾之說也。

又星名。『史記・天官書』杓端有兩星、一內爲矛招搖、一外爲盾天鋒。《註》招搖爲天矛、近北斗者也。

又藥名。『本草綱目』衞矛、一名鬼箭。『李時珍曰』齊人謂箭羽爲衞、此物幹有直羽如箭羽、矛刃自衞之狀、故名。

部・劃數
矛部五劃

『字彙補』古文字。註詳部首。

部・劃數
戈部・五劃

『玉篇』古文字。註詳部首。

部・劃數
金部五劃

『玉篇』古文字。『王褒・僮約』倚盾曳𨥨。《註》盾可蔽身、𨥨可刼賊、所以巡警盜竊也。

異體字

『説文解字』の重文。

音訓

ム(呉) ボウ(漢) 〈『廣韻・下平聲・尤・謀』莫浮切〉
ほこ

解字

白川

象形。長い柄のある矛の形に象る。

『説文解字』に酋矛なり。兵車に建つ。長さ二丈。象形。とあり、長さ二丈四尺のものは夷矛、枝刀のあるものを戟といふ。

この矛を臺座につけ、兵車上にたてて巡撫することを、遹󠄀正、遹󠄀省といふ。

金文の《宗周鐘》に王肇めて文武の勤めたまへる疆土を遹󠄀省すと見える。

藤堂

象形。槍のやうな形をした武器を描いたもの。と全く同じ言葉を表す。

漢字多功能字庫

金文は、長く尖つた、竹の葉に似た武器に象る。柄の上に纓(紐)を繫ぐ輪があり、古代の軍陣で常用し兵車の上から敵を刺殺する。後に漢字の部首となる。金文では本義に用ゐ、武器を表す。

屬性

U+77DB
JIS: 1-44-23
當用漢字・常用漢字
𥍥
U+25365
𢦧
U+229A7
𨥨
U+28968
𢧟
U+229DF

關聯字

矛に從ふ字

矛聲の字