杷 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
收麥器。『方言〔五〕』云「杷、宋魏之閒謂之渠挐、亦謂之渠疏。」郭云、無齒爲朳。按《耒部》云、「𦓯、卌㕚也。可以劃麥。河內用之。」𦓯亦杷也。杷引伸之義爲引取。與掊捊義略同。
從木巴聲。蒲巴切。五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 木部四劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤蒲巴切、音爬。『說文』收麥器。一曰平田器。『戰國策』秦頓弱曰、商人無杷銚柱耨之勢、而有積粟之實。
又枇杷、果名。『司馬相如・上林賦』枇杷橪𣐈。《張揖註》枇杷似槲樹而葉長、子似杏。
又樂器。『釋名』枇杷、馬上所鼓。俗作琵琶。○按『風俗通』从手、不从木。
又『集韻』傍卦切、音𥟑。田器也。
又薄邁切、音敗。義同。
又『韻會』與欛同。柄也。『晉書・王濛傳』濛卒、劉惔以犀杷麈尾置棺中。
音訓義
- 音
- ハ(漢) ベ(呉)⦅一⦆
- ハイ(推)⦅二⦆⦅三⦆
- ハ(推)⦅四⦆
- ハ(漢) ヘ(呉)⦅五⦆
- 訓
- さらひ⦅一⦆
- え⦅五⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・下平聲・麻・爬』蒲巴切
- 『集韻・平聲三・麻第九・爬』蒲巴切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・麻第十七・並・二爬』蒲巴切
- 聲母
- 並(唇音・全濁)
- 等呼
- 二
- 官話
- pá
- 粤語
- paa4
- 日本語音
- ハ(漢)
- ベ(呉)
- 訓
- さらひ
- 義
- 土を均したり、穀物を搔き集めたりするのに用ゐる農具。『說文』
收麥器。
- 枇杷は、樂器の名、また植物の名。
⦅二⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・卦・粺』傍卦切
- 『集韻・去聲上・卦第十五・粺』旁卦切
- 聲母
- 並(唇音・全濁)
- 等呼
- 二
- 日本語音
- ハイ(推)
- 義
- 田具。(『廣韻』、『集韻』)
- 補註
- 『五音集韻』は⦅三⦆と倂合してゐると思しい。
⦅三⦆
- 反切
- 『集韻・去聲上・夬第十七・敗』簿邁切
- 『五音集韻・去聲卷第十・怪第十三・並・二𢞎』蒲拜切
- 聲母
- 並(唇音・全濁)
- 等呼
- 二
- 日本語音
- ハイ(推)
- 義
- 田具。(『集韻』)
- 補註
- 『五音集韻』は⦅二⦆と倂合してゐると思しい。
⦅四⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・禡・𤝡』白駕切
- 『集韻・去聲下・禡第四十・杷』歩化切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・禡第十七・並・二𤝡』白駕切
- 聲母
- 並(唇音・全濁)
- 等呼
- 二
- 日本語音
- ハ(推)
- 義
- 田器。
⦅五⦆
- 反切
- 『集韻・去聲下・禡第四十・霸』必駕切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・禡第十七・幫・二霸』必駕切
- 聲母
- 幫(唇音・全清)
- 等呼
- 二
- 官話
- bà
- 日本語音
- ハ(漢)
- ヘ(呉)
- 訓
- え
- 義
- 器物の柄。あるいは欛、𩨜に作る。
解字
白川
形聲。聲符は巴。巴に把握の意がある。
『説文解字』に麥を收むる器なり
とある。
また『釋名・釋樂器』に枇杷、本出於胡中、馬上所鼓也。推手前曰枇、引手卻曰杷。
(枇杷は本胡中に出づ。馬上に鼓する所なり。手を推して前むるを枇と曰ひ、手を引いて卻くるを杷と曰ふ。)とあつて、胡弓の類。
藤堂
木と音符巴(平らにのばす)の會意兼形聲。土の面を平らにのばす木の柄つきの農具。
屬性
- 杷
- U+6777
- JIS: 1-39-39
- 人名用漢字