烄 - 漢字私註

説文解字

火部烄字條

烄
交木然也。从聲。
火部

説文解字注

烄
交木然也。交烄曡韵。『玉篇』曰、交木然之。以尞祡天也。从火交聲。古巧切。二部。

火部𤉧字條

𤉧
交灼木也。从省聲。讀若狡。
火部

説文解字注

𤉧
交灼木也。从火、敎省聲。讀若狡。按『玉篇』『廣韵』皆曰、𤉧同烄。必本諸『說文』。不知今本『說文』何以析爲二。交灼之語亦不可通。上文炭下曰、燒木未灰。則灰篆必上聯炭𤈩二篆。間以𤉧炦。決非古本。

康煕字典

部・劃數
火部六劃

『唐韻』『集韻』𠀤古巧切、音狡。『說文』交木然也。『玉篇』交木然之以燎祭天也。同𤐳𤉧

又『集韻』『類篇』𠀤居号切、音誥。義同。

又『集韻』魚敎切、音樂。煎也。

部・劃數
火部八劃

『唐韻』『集韻』𠀤古巧切、音狡。『說文』交灼木也。从火、敎省聲。『玉篇』本作。詳烄字註。○按【說文】分烄𤉧爲二。

部・劃數
火部十二劃

『正字通』俗字。○按【篇海】作𤎦。疑是𤐳字譌省。

部・劃數
火部・十四劃

『集韻』吉巧切『類篇』古巧切、𠀤音絞。『玉篇』本作。同𤉧。『集韻』『類篇』本作𤉧。互詳烄𤉧二字註。

音訓

カウ 〈『廣韻・上聲・巧・絞』古巧切〉[jiǎo]
〈『廣韻・去聲・号・誥』古到切〉

字音假名遣は『字通』に依る。

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』に木を交へてくなりとし、『玉篇』に以て天に燎祡するなりと燎祀の意とする。

卜文に、交脛の人に火を加へる形の字があり、「ふ。烄するときはながき雨るか」のやうに、請雨儀禮をいふ。殷には旱のとき巫を焚く俗があり、この字はあるいは焚巫の俗を示すものであらう。饑餓を表す𦰩も、また焚巫の象を示す字。

落合

を意符、を聲符とする形聲字とされる。(補註: 甲骨文はに作る。)

そのほか「交へた木を燃やす樣」とする説や、交が足を交叉させた人の形であることから「人牲を燃やす樣」とする説もある。甲骨文の異體字には交を文に誤つたものや、火をに誤つたものなどがある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 祭祀名。同時に降雨の有無を占ふものが多く、雨乞ひの儀禮であらう。《殷墟小屯中村南甲骨》360辛丑卜、叀癸烄、雨。
  2. 地名。《合集》10402辛卯卜貞、其狩烄、禽。

字形は篆文で火、交が左右に竝ぶ構造となつた。

屬性

U+70C4
𤉧
U+24267
𤎦
U+243A6
𤐳
U+24433