汸 - 漢字私註

説文解字

汸
の重文。
方或从
方部

康煕字典

部・劃數
水部四劃

『唐韻』府良切『集韻』分房切、𠀤音方。倂船也。『說文』本作、或从水作汸。

又『集韻』敷方切、音芳。與同。水名也。『山海經〔南山〕』箕尾之山、汸水出焉、南流注于淯。《註》音芳。

又符方切、音房。義同。

又『正韻』普郞切、音滂。與同。『荀子・富國篇』汸汸如河海。

部・劃數
水部八劃

『廣韻』『集韻』𠀤敷方切、音芳。水名。『山海經』箕尾之山、淓水出焉。或从方作

音訓

(1) ハウ(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・陽・方』府良切〉[fāng]{fong1}
(2) ハウ(漢、呉) 〈『集韻』敷方切、音芳、平聲陽韻〉[fāng]{fong1}
(3) ハウ 〈『正韻』普郞切、音滂〉[pāng]{pong4}

音(1)は、竝べて繫いだ二艘の船を指すのに用ゐる。

音(2)は、川の名に用ゐる。『山海經・南山』(上揭)。

音(3)は、水の勢ひの盛んなさまをいふのに用ゐる。に同じ。

音(1)(2)の分割は『康煕字典』に據る。現代漢語で(1)(2)は同音である模樣。藤堂も(1)(2)の音を分けてゐない。

〈『廣韻・下平聲・陽・芳』敷方切〉[fāng]{fong1}

川の名に用ゐる。汸の音義(2)に同じ。

解字

藤堂

と音符(兩側に竝べる)の會意兼形聲。

漢字多功能字庫

汸の金文はに從ひ聲。壯盛なるさまを表す。中山王圓壺四牡汸汸。『説文解字』騯字條に引く『詩』曰く四牡騯騯。また官職名に用ゐる。

『説文解字』に據れば、汸は方の異體。

屬性

U+6C78
JIS X 0212: 38-70
U+6DD3