蠆 - 漢字私註
説文解字
毒蟲也。象形。丑芥切。
- 十三・虫部
蠆或从䖵。
説文解字注
毒蟲也。『左傳〔僖公二十二年〕』曰、蠭蠆有毒。『詩』曰、卷髮如蠆。『通俗文』曰、蠆長尾謂之蠍。蠍毒傷人曰䖧。䖧、張列反。或作蜇。旦聲。非且聲也。象形。按不曰从虫象形而但曰象形者、虫篆有尾、象其尾也。蠍之毒在尾。『詩』《箋》云、蠆、螫蟲也。尾末揵然。似婦人髮末上曲卷然。其字上本不从萬。以苗象其身首之形。俗作蠆、非。且與牡蠇字混。丑芥切。按『字林』他割反。『玄應書』他達切。皆舊音也。十五部。
𧍣或从䖵。蠍尾、有單鉤者、有雙鉤者、故或从䖵。
康煕字典
- 部・劃數
- 虫部十三劃
『唐韻』丑犗切『集韻』『韻會』丑邁切、𠀤音慸。『玉篇』螫蟲。『詩・小雅』彼君子女、卷髮如蠆。《箋》蠆尾末揵然、似婦人髮末曲上卷然。『孝經緯』蜂蠆垂芒、爲其毒在後。『左傳・僖二十二年』蠭蠆有毒。《註》【通俗文】云、蠆、長尾謂之蠍。『魏志・華佗傳』彭城夫人夜之廁、蠆螫其手、佗令溫湯漬其中。
又人名。『左傳・襄九年』公孫蠆、公孫舍之及其大夫門子、皆從鄭伯。
又與蔕通。『張衡・西京賦』睚眦蠆芥。《註》蠆芥、刺鯁也。
又『集韻』他達切、音撻。義同。
或作䘍。
- 部・劃數
- 虫部・九劃
『篇海』同蠆。
- 部・劃數
- 虫部十五劃
『正字通』同蠆。
- 部・劃數
- 虫部十六劃
- 部・劃數
- 虫部十八劃
- 部・劃數
- 虫部十九劃
『玉篇』『集韻』𠀤與蠆同。
又『類篇』他達切、音撻。義同。
異體字
或體。
或體。
簡体字。
音訓
- 音
- タイ(漢、呉) 〈『廣韻・去聲・夬・蠆』丑犗切〉[chài]{caai3}
- 訓
- さそり
解字
白川
象形。さそりの形に象る。
『説文解字』に毒蟲なり。象形。
とし、また䖵に從ふ字形を錄する。
『詩・小雅・都人士』に彼君子女、卷髮如蠆。
(彼の君子の女、卷髮、蠆の如し)とあり、當時さそり型の髮形が流行してゐたのであらう。
藤堂
萬(さそり。上は二本の針。下は尾の形。)と虫の會意。
漢字多功能字庫
本義は蠍。古文字の萬はその象形。萬を數字に用ゐるため、虫を加へる。
『說文』(上揭)。『廣雅』蠆、蠍也
。蠆はもと蠍を指すことがわかる。蠆字の構造は萬を虫の上に加へる。今日通用する萬字の形は蠍だが、甲骨文に照らすに古くから文例はみな千萬の萬と解く。故に蠆字は、もと蠍を指す萬が數の萬に假借された後、多義を避けるために累增した結果である。
蠆字は『二十五史』で約50回用ゐられてゐる。例: 『三國志・卷二十九・魏書・方技傳・華佗傳』彭城夫人夜之廁、蠆螫其手。
屬性
- 蠆
- U+8806
- JIS: 1-91-69
- JIS X 0212: 59-74
- 𧍣
- U+27363
- 𧓵
- U+274F5
- 𧔱
- U+27531
- 𧕧
- U+27567
- 䘍
- U+460D
- 𦹌
- U+26E4C
- 𧔐
- U+27510
- 虿
- U+867F