膂 - 漢字私註
説文解字
- 呂の重文。
篆文呂从肉从旅。
- 七・呂部
説文解字注
篆文呂。从肉旅聲。呂本古文、以古文爲部首者、因躳从呂也。此二部之例也。『〔書〕秦誓』旅力旣愆。『〔詩〕小雅〔北山〕』旅力方剛。古注皆訓爲衆力。不敢曰旅與膂同者、知『詩』『書』倘以心膂爲義。則其字當从呂矣。僞君牙襲。『國語』云、股肱心膂。此未知古文無膂。秦文乃有膂也。『急就篇』尻寛脊膂要背僂。股腳膝臏脛爲柱。云要背僂。曰脛爲柱。辭意相對。皇象碑本不誤。若顔本膂呂重出。師古不得不以脊內肉、脊骨分釋之。似史游早不識字矣。膂之譌或爲裔。『華陽國志』孝子隗通爲母汲江膂水。天爲出平石至江中。江膂水、謂江心水也。
康煕字典
- 部・劃數
- 肉部・十劃
『廣韻』力舉切『集韻』『韻會』『正韻』兩舉切、𠀤音呂。『說文』脊骨也。象形。『博雅』膂、肉也。『書・君牙』作股肱心膂。
又『玉篇』古與呂同。
- 部・劃數
- 肉部・十劃
『五音類聚』與膂同。『揚子・方言』膐、力也。宋魯曰膐。
音訓
- 音
- リョ(漢) ロ(呉) 〈『廣韻・上聲・語・吕』力舉切〉[lǚ]{leoi5}
- 訓
- せぼね。ちから。
解字
白川
形聲。聲符は旅。
『説文解字』に字を呂の篆文とし、呂は脊骨なり
とするが、『廣雅・釋詁二』に力なり
、また『釋器』に肉なり
とあり、膂力をいふ。呂とは本來別義の字。
藤堂
肉と音符旅の會意兼形聲。旅は、旗印の下に隊列を組んだ人々を表す會意字。膂は、隊列や旅人の行列のやうに竝んだ背骨。
漢字多功能字庫
肉に從ひ旅聲。本義は脊骨。脊骨の義に元々は本字なく、もとは呂を假借して表し、後に膂字を作つて表す。『玉篇・肉部』膂、脊骨也。
- 『尚書・君牙』
今命爾予翼、作股肱心膂。
「心膂」は心臟と脊骨を指す。「心膂」と「股肱」はいづれも忠實で有能な輔弼の臣の比喩。 - 《馬王堆・養生方》第126-127行
即取刑馬膂肉十□。
「膂力」は體力を表す。
- 『三國志・魏書・呂布傳』
(呂)布便弓馬、膂力過人、號為飛將。
- 『魏書・韓茂傳』
(韓)茂年十七、膂力過人、尤善騎射。
屬性
- 膂
- U+8182
- JIS: 1-71-16
- 膐
- U+8190
- JIS X 0212: 54-38