啼 - 漢字私註
説文解字
號也。从口虒聲。
- 二・口部
説文解字注
号也。号各本作號。今正。号下曰、痛聲也。此可證嗁号與嘑號不同字也。号、痛聲。哭、哀聲。痛在內、哀形於外。此嗁與哭之別也。『〔禮記〕喪大記』始卒、主人啼、兄弟哭、婦人哭踊。《注》悲哀有㴱淺也。若嬰兒中路失母。能勿啼乎。按鄭用襍記語也。嗁俗作啼。『〔儀禮〕士喪禮』作諦。古多假諦爲嗁。从口虒聲。杜兮切。十六部。
康煕字典
- 部・劃數
- 口部・七劃
『集韻』同嗁。
- 部・劃數
- 口部・九劃
- 古文
- 謕
『說文』同嗁。『禮・喪大記』主人啼。『穀梁傳・僖十年』麗姬下堂而啼。
- 部・劃數
- 口部・十劃
『唐韻』『正韻』杜兮切『集韻』『韻會』田黎切、𠀤音題。『說文』號也。『前漢・五行志』豕人立而嗁。『後漢・梁冀傳』作愁眉嗁妝。
又通作謕。『前漢・嚴助傳』孤子謕號。
又叶田離切。『魏武帝・苦寒行』樹木何蕭索、北風聲正悲。熊羆對我蹲、虎豹夾路嗁。
『集韻』通作啼。
音訓
- 音
- テイ(漢) 〈『廣韻・上平聲・齊・嗁』杜奚切〉[tí]{tai4}
- 訓
- なく。さけぶ。
解字
白川
嗁
形聲。聲符は虒。
『說文』に號くなり
とあり、号字條に嗁くなり
とあつて、号、號、嗁を同義とする。号字條の《段注》に号は嗁くなり。凡そ嗁號の字、古くは号に作る。口部に曰く、嗁は号なりと。今は字は則ち號行はれて号廢す。
とするが、号は神に訴へること、號は神聖なものの名號で、「嗁く」意は、後起の義。
嗁は啼と通じ、哀泣の意がある。
啼
形聲。聲符は帝。
『左傳・莊八年』(下揭)豕、人立して啼く
、『禮記・喪大記』(上揭)始めて卒す。主人啼く。
のやうに、啼泣することをいふ。
鳥獸の鳴く意にも用ゐる。
藤堂
嗁は、口と音符虒(橫に伸びる、繫がる)の會意兼形聲。次々と續けて聲を出すこと。
啼は、口と音符帝の形聲。嗁に同じ。
漢字多功能字庫
啼は口に從ひ帝聲。『說文』に啼は錄せず、口部に「嗁、號也。(後略)。
とする。《段注》俗作啼。
啼の本義は啼哭、つまり聲を出して哭くこと。
- 『儀禮・既夕禮』
乃卒、主人啼、兄弟哭。
- 『呂氏春秋・察今』
有過於江上者、見人方引嬰兒而欲投之江中、嬰兒啼、人問其故、曰、此其父善游。
また鳥獸が鳴くことを表す。
- 『左傳・莊公八年』
射之、豕人立而啼。公懼、隊(墜)于車。
- 『韓非子・說林』
孟孫獵得麑、使秦西巴持之歸、其母隨之而啼、秦西巴弗忍而與之。
また淚を指す。唐・王昌齡〈別李浦之京〉小弟鄰莊尚漁獵、一封書寄數行啼。
屬性
- 㖒
- U+3592
- 啼
- U+557C
- JIS: 1-51-38
- 嗁
- U+55C1
- JIS X 0212: 21-86