囧 - 漢字私註
説文解字
窻牖麗廔闓明。象形。凡囧之屬皆从囧。讀若獷。賈侍中說、讀與明同。 俱永切。
- 七・囧部
説文解字注
窗牖麗廔闓朙也。麗廔雙聲。讀如離婁。謂交𤕟玲瓏也。闓明謂開明也。象形。謂象窗牖玲瓏形。凡囧之屬皆从囧。讀若獷。獷古音如廣。囧音同也。臦讀若誑。臦聲之臩爲古文囧字。可以證矣。古音在十部。今音俱永切。賈侍中說讀與朙同。賈侍中說讀若芒也。
康煕字典
- 部・劃數
- 囗部・四劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤俱永切、音憬。『說文』窻牖麗廔闓明、象形。
又伯囧、人名。周太僕。正本作囧、俗訛作冏。見『書・囧命』。
又與烱同。『韓愈詩』蟲鳴室幽幽、月吐窻囧囧。《註》囧囧猶烱烱也。
- 部・劃數
- 冂部・五劃
『篇海』古熒切、音扃。『木華・海賦』冏然鳥逝。《註》光也。
音訓
- 音
- クヱイ(漢) キャウ(呉) 〈『廣韻・上聲・梗・憬』俱永切〉[jiǒng]{gwing2}
- 訓
- まど。あきらか。
解字
白川
象形。窗の形。
『説文解字』に窻牖、麗廔闓明なるなり
とあつて、格子窗から光が射し込むやうな狀態をいふ。
窗は地下室の窗の形。
古く黃土層地帶では、中央を方形に掘り下げ、その四面に橫穴式の屋室を作り、中央に面するところから光を採つた。月明を朙といふのは、その窗から月光を受ける意。神を迎へるところであるから、神明といふ。『詩經・召南・采蘋』于以奠之、宗室牖下。
(于に以て之れを奠く、宗室の牖下に)とあつて、その窗の下で神を祀つた。
藤堂
象形。明かり取りの窗の姿を描いたもの。
落合
曾ては窗枠とする説が有力視されてゐたが、青銅器などの分析から陰光(星の光)として用ゐられてゐることが判明した。内向きの曲線によつて陰光を表示したのであらう。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 夜間。星が出てゐる夜の意味であらう。《合集》21374・後半驗辭
貞、⿱尹又不因。辛囧壬午、王…。
- 地名。黍の耕作地として記載されてゐる。《合集》1599
…爭貞、乙亥、蒸囧黍祖乙。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、穴の開いた窗に象り(裘錫圭)、本義は光を通す窗。
甲骨文では地名に用ゐる。《合集》10黍于囧
は囧の地で黍を栽培することを表す。
金文では疑ふらくは族氏名に用ゐる。
囧、囪はいづれも窗の象形。故に囧と囪は一字から分化した字。張世超は二字の古音が相近いとする。
屬性
- 囧
- U+56E7
- JIS X 0212: 22-90
- 冏
- U+518F
- JIS: 1-49-40
關聯字
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